役者が羨む役者、大森南朋を齊藤工が撮る。
「齊藤工 活動寫眞館」について 2025.09.20
大森南朋は「誰にでもなれる」。善人にも悪人にも、金持ちにも貧乏にも。カッコいい男にも情けない男にも......。どんな役を演じても存在感を醸す。だのに、絶対に「大森南朋」でもある。いわば、もっとも羨ましがられる俳優なのだ。
「南朋さんがどんな役柄を演じられていも、そこはかとない色っぽさを感じます。それはかつての銀幕スターだけに宿る特有の色香みたいなモノ」(齊藤)
2025年6月、都内にてテレビ番組収録時に撮影。
そんな役者の中の役者である大森南朋が、自ら「齊藤工にポートレートを撮ってほしい」と言ってきた。齊藤は、ある番組の収録の際にカメラを大森に向けた。
大森南朋はなぜ齊藤の写真に惹かれ、撮ってほしいと感じたのか?
「子どもの頃、 映画を観ていて あっち側にいってみたいなぁと 思った感覚と同じように 斎藤工くんの写真を見ていて そう思っていました」(大森)
大森の言うあっち側――。ものづくりが好きで、世界観を創作するのが好きで、レンズを通して見えるものにインスパイアされる気持ち。常に「シネマティックな人物」を撮りたい、と言う齊藤の心の中にある純粋な想いのようなものに、大森も共鳴したに違いない。
「この人と映画を作りたい。という思いで始まった活動寫眞館。ほかならぬ大森南朋さんに、こう言っていただけた事はご褒美です。何処か闇雲に、写真と、被写体と向き合ってきたことが心から報われます」(齊藤)
こちらの記事にいる大森南朋は、とても親しみやすい表情をしている。フィガロジャポン本誌2025年11月号に掲載されている大森は、もっと気難しい表情をしている。
大森南朋というカメレオンのように作品になじみ作品を昇華させる力を持ちながら、自身の深い輝きを放つことができる俳優......本当に、なかなかいないのだ、こんな逸材は......。
1972年2月19日生まれ、東京都出身。1996年のCM出演をきっかけに本格的に俳優としての活動を開始。2001年『殺し屋1』で主人公のイチを演じて映画初主演。以後映画を中心に多数のテレビドラマ、舞台、CMに出演。近作に映画『首』(23年)、『かくかくしかじか』(25年)、NHK 大河ドラマ『どうする家康』、ドラマ『あなたを奪ったその日から』『大追跡~警視庁SSBC 強行犯係~』。11月14日に『平場の月』、11月28日に『栄光のバックホーム』の映画2作が公開予定、そのほかにも多数の公開作が控えている。

齊藤工/TAKUMI SAITOH
出演作『SPIRIT WORLD』が10月10日先行・10月31日全国公開、『港のひかり』が11月14日公開。また、香港映画『ROAD TO VENDETTA 殺手#4』にも出演。企画・プロデュースした最新作『私たちが麺処まろに通うまでに至った件』(監督/小山巧 脚本/はしもとこうじ)も北海道フービーフェスティバルにて10月11日公開予定。また、ドキュメンタリー映画『大きな家』、ハリウッド映画『When I was a human』の制作にも携わっている。