南沙良、「優等生とおもいきや挑戦者」な側面に齊藤工が伴走。
「齊藤工 活動寫眞館」について 2025.10.20
南沙良は優等生俳優だと思っていた。デビューした時から演技力が認められ、数々の新人賞に輝いている。テレビドラマへの出演も多い。近作ではNHK大河ドラマ「光る君へ」で主人公紫式部の娘を演じていた。意志の強い眼で、紫式部の在り方を継ぎ、ひとりで立てる女性像を演じきった。
一方でCM出演やミュージックビデオへも参加している。自身の趣味を生かして、恐竜展のナレーションまで担当している......。
2025年2月、東京都北区にて香港映画『Road to Vendetta殺手#4』撮影時。
「映画『ゾッキ』では山田孝之監督パートにて、原作の大橋裕之さん概念の塊のような男子学生にいろいろな意味で正義の鉄槌を喰らわせる女子学生を演じられた南沙良さんが素晴らし過ぎました。瞬間的に鋭く輝き、その残像は映画の中に残り続ける」(齊藤)
そんな南が今度は日本を出て、アジア映画界に進出した。スタッフのほとんどは香港だ。日本公開はまだ決まっていないが、その作品は『Road to Vendetta殺手#4』。日本人少女「雲(くも)」役で、復讐を誓うハードボイルドな魂の持ち主でもある。殺手#4と呼ばれる暗殺者を雇い、物語の軸を担う。香港映画のエンタメを支えるものといえばアクション。南は本作でアクションにも挑戦するという。
同上
「近年の南さん無双状態の裏には、表現を極めようとされる努力はもちろん、作品選びの妙や、ご本人の演技者としての好奇心の嗅覚があるのではないかなと外野としては勝手に思っています。現在、世界に見つかった南沙良さんが、さらににグローバルに羽ばたかれることは、映画ファンとしてとても楽しみです」(齊藤)
日本のエンタメ界で俳優として活躍するうえで、若くして南沙良はほとんどのことを成している。でもまだその先に挑戦すべきことがたくさんあることを彼女はわかっている。本作、ぜひ日本で公開してほしい。香港映画界でクリスマスシーズンを狙う作品は意欲作だ。早く日本の興行・配給サイドの目に留まりますように!
2002年6月11日生まれ、東京都出身。映画『幼な子われらに生まれ』(17年)で俳優デビュー。初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18年)で報知映画賞、ブルーリボン賞ほか数々の映画賞を受賞。近年の主演映画に『愛されなくても別に』(25年)、『この子は邪悪』(22年)。ドラマではNHK大河ドラマ「光る君へ」、DMM TVオリジナルドラマ「外道の歌」、ABEMA×Netflixドラマ「わかっていても the shapes of love」などがある。待機作として、香港映画『ROAD TO VENDETTA 殺手#4』(12月4日香港公開)、主演映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』(26年1月16日公開)、主演映画『禍禍女』(ゆりやんレトリィバァ監督作品・26年2月6日公開)が控えている。

齊藤工/TAKUMI SAITOH
出演作『SPIRIT WORLD-スピリットワールド-』が10月31日全国公開、『港のひかり』が11月14日公開。香港映画『ROAD TO VENDETTA 殺手#4』にて南沙良と共演。企画・プロデュースした最新作『私たちが麺処まろに通うまでに至った件』(監督/小山巧 脚本/はしもとこじ)が北海道フービーフェスティバルで上映された。またドキュメンタリー映画『大きな家』、ハリウッド映画『When I was a human』の製作にも携わっている。