話題の人 from コペンハーゲン 女性パワー炸裂のデンマーク地方選挙、絶大な人気の市長は?

世界は愉快 2021.12.03

文/冨田千恵子(在コペンハーゲン、ライター)

11月、4年に一度の地方選挙が実施されたデンマーク。国政選挙は国籍保持者のみに選挙権があるが、地域の暮らしに関わる地方選挙は、在住年数などの条件を満たす外国人も投票でき、志があれば立候補もできる。特に支持政党を持たない外国人も貴重な1票を無駄にしないため、デンマークの地方政治と候補者たちについて調べたり、マッチングテストをしたり、政治に関心を持つからいい制度かもしれない。

今回選出されたのは、98市の市議会議員2436名と5県の県議会議員205人。投票率は67.2%と4年前より3.6%下がったのは、投票日間際に新型コロナウイルスの新規感染者が急増したのが影響しているらしいとのこと。毎回80%以上の投票率の国政選挙には及ばないとはいえ、決して低い数字ではない。投票率は下がったが市議会議員については、女性議員の割合が35.9%と前回より3%アップ、女性市長は20人となり6人増えている。

投票を呼び掛けるホルベック市市長、クリスティーナ・クルジロシアク・ハンセン。

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デンマーク、25歳で市長になった女性が最多得票数で再選!

首都コペンハーゲン市では、社会民主党のソフィー・ヘストープ・アナセンが、2022年より新市長のポストに就く。彼女が掲げるグリーンシティ・コペンハーゲンの推進が期待されている。

けれどもうひとり、話題の女性市長がいる。今回の女性候補者中で最多得票数を獲得したクリスティーナ・クルジロシアク・ハンセンだ。コペンハーゲンから西へ電車で1時間の地方都市ホルベック市の議員だが、25歳で最年少の女性市長となり、今回も高得票で再選された。

211202-denmark-01.jpg海辺の街、ホルベック。夏は別荘地に近いため賑わうが、のどかな田園風景も広がるところ。photo: Holbaek Kommune /Joe Kniesek

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ホルベック市市長に再選したクリスティーナ。デンマークの市長は公式行事や王室の来賓を迎える時に、市のシンボルマークをあしらったネックレスをつけるのが正装とされている。photo: Holbaek Kommune / Laila Versemann

「政治家が私たちと話すのは選挙の時だけね」という有権者の声に発奮し、市長就任後は企業誘致やスポーツ施設の推進などに加え、学校や介護施設に赴いて市民と積極的にコミュニケーションをとったクリスティーナの行動力が、パッとしない地方都市を活性化させたという。いまや地元だけでなく、国営テレビのお宅訪問番組にも登場する全国的な人気者だ。

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フットワークが軽いと評判のクリスティーナは、森林の伐採にも挑戦。photo: Holbaek Kommune

このようにウイメンズパワーが炸裂したデンマークの地方選挙だったが、国内外のジェンダーと平等に対する情報ネットワークKvinfoによると、「残念ながら北欧の他国に比べたら、デンマークの女性議員は少ない。このペースでは、政治における男女格差がなくなるのは早くて2045年」と手厳しい。まだ先は長いから、次世代に期待したい。

愛犬とリラックスするオフタイムの顔も見られるインスタグラム。ほかの市長とはひと味違う!

text: Chieko Tomita

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