---fadeinpager---Godis(ゴーディス)はグミ菓子やチョコレートなど量り売りで買える、スウェーデンで断トツ人気のおやつ。ただこちらはすでに紹介済みなため(エコなだけじゃない、スウェーデンのおもしろスーパー事情。)、その中でも特にスウェーデン人が愛してやまない(そしてほとんどの日本人が嫌いな)、Laktris (ラクリス)リコリス菓子をご紹介。
この魔物のように黒々と光るラクリスがなぜここまでスウェーデン人を魅了するのか謎だが、スウェーデンに住んで20年以上、いまだにラクリスを嫌いなスウェーデン人には出会ったことがない。(それと同時にラクリス好きの日本人にも会ったことがない)。ラクリスの根は主にスペインやトルコで生産されるがゆえ、ないものねだりの賜物なのかとも思う。そういえばスウェーデン人が大好きなもののひとつにバナナがある。が、バナナももちろんスウェーデンでは採れない。甘い味のラクリス菓子はアニスやウイキョウ(フェンネル)を思い起こせるので、中華料理のお菓子バージョンでも食べてる気にもなる。ただこのラクリスゴーディスの中にはソルトラクリスなるものがあるのだ(塩味ラクリス)!!! これだけはちょっと...... と思ったが決死のごとく端を少しだけつまみ食いしたのだが、塩味とラクリス味の合体は私にはあり得な〜い!! という事で私はそれ以来、一切口にしていない。だが塩味も好きなスウェーデン人はソルトラクリスが大大大大好きなのである。
ラクリス菓子専門のコーナーも至るところで見かける。因みにこちらはラクリスチョコレート菓子。様々なフレーバーがある。
ラクリスゴーディスのほんの一握り。
基本は真っ黒だが、他のフレーバーが入っているのは色付きがある。
白い粉が吹いてるのが(私はもう2度と食べることがないであろう)ソルトラクリス(塩味ラクリス)。黒なだけに(?)ガイコツをかたどったものが多い。魚やコイン、またわかりづらいがマット(右、上から3番目)とかおしゃぶり(右、一番下)など多々あり、かたちを見てるのはかなり楽しい。
上記のゴーディスはカジュアルでジャンクなオヤツなので、それとは真逆のフォーマルで伝統的なスウェーデンの3時のおやつなるものも一緒にご紹介。
正式名はSju sorters kakor(シュー ソルテルス カーコル)といい、7種のクッキーという意味だ。本来は冠婚葬祭などの人が集まる場所でもてなされるフィーカのお菓子のひとつで、エチケットとして一皿に7種の違ったクッキーをサービスするのが常識とされている。なぜ7なのかというと、1900年代のその当時、7がおもてなしをするのに最も適度とされる最低ギリギリラインの数だったという。巷では7種以下のクッキーをサービスすると「ケチ」と見なされ、8種以上だと「高慢チキ」だと思われたらしいからホストもたまったものではない。1945年には、この伝統が同名のクッキーのレシピ本が出版され、ベストセラーにまでなったのだ。スウェーデンの代表フィーカ菓子のカネルブッレ(シナモンパン)がいつも表舞台を占めていそうだが、こちらのカーコル(クッキー類)も侮れない。もちろん販売してるパン屋や菓子店で種類は異なり、7種以上あるが、基本のものも、アレンジがあるものも、ぶれなく美味しい。うれしいことに(?)、これらのクッキーはラクリス味はないのでスウェーデンでフィーカする際には、ぜひお試しあれ! もちろん勇気がある貴方、怖いもの試したさではないが是非ソルトラクリスにもチャレンジして欲しい!
典型的なフィーカの一コマ。これは5種、厳密に言うと4種のクッキーとカネルブッレしかないので「ケチ」と見なされるのか......(笑)
ストックホルムにあるローセンダールの庭園カフェでのフィーカのお菓子たち。
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Sju sorters kakor(7種のクッキー)の一例。
時計回りに
12時 Brysselkex(ブリッセルケックス)
Syltsnitt(シルトスニット)
Hallongrotta(ハーロングロッタ)
Chokladsnitt(ショクラードスニット)
Bondkaka(ボンドカーカ)
Kolasnitt(コーラスニット)
真ん中 Schackrutor(シャックルートル)
Photography & text:Sakiko Jin
神咲子
在スウェーデンライター。コーディネート業も行うが、本業はレストラン業だった。そして50歳を過ぎてから、鉄道の電車の運転手に。スウェーデンの北部ウメオ市とスンズヴァル市を運転する日々を送る。