まだまだ寒い日々ですが、食材には春が訪れています。イチゴはもちろん、グリンピースやそら豆が店先には並んでいます。少し早過ぎるとも感じますが、季節が移り変わる頃には名残りの食材と走りの食材を取り合わせて料理をしてみるのもいいですね。行く季節を惜しみ、来る季節を喜ぶという束の間の季節の味わい方。今回は牡蠣に早春を告げてくれるふきのとうを取り合わせて、パスタを作ってみました。牡蠣のオイル漬けを使うと手軽に作れます。ふきのとうの強い苦味は芽吹くエネルギー。冬の寒さで縮こまった体をデトックスさせてくれるそうです。

個性のある食材を掛け合わせたパスタは、それはそれはお酒の進む料理になりました。今日はアルザスの泡を合わせましたが、白、オレンジ、軽めの赤ワインでもよさそう。白ワインですっきりといただくのもいいし、軽いタンニンのあるワインを合わせて、ほろ苦味を広がらせて味わうのもいいですね。お気に入りの合わせ方で楽しみましょう。もう、春はすぐそこまで来ています。

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牡蠣とふきのとうのスパゲッティ

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<材料 2人分>
牡蠣(加熱用)6〜8粒
ふきのとう 50g
ニンニク 1かけ
オリーブオイル 大さじ2〜3
スパゲッティ 160g
塩、コショウ

<作り方>
⒈ 牡蠣は塩と片栗粉(ともに分量外)で軽くもみ、水洗いした後に水気をよく切っておく。
⒉ ふきのとうは黒く変色しているところがあれば取り除き、沸騰した湯に塩を加えて1分ほど茹でた後、水にとってアクを抜く。水気をよく拭き、粗みじん切りにする。
⒊ スパゲッティは塩を加えた湯で茹でる。
⒋ フライパンにオリーブオイルとニンニクのみじん切りを入れて熱し、香りが出てきたら、牡蠣を加えて炒める。牡蠣がぷっくりとしてきたら、ふきのとうを加えて炒める。
⒌ 茹であがったスパゲッティを加え、茹で汁適量を加え混ぜ、塩、コショウで調味する。うつわに盛り、仕上げのオリーブオイルを回しかける。

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アルザスのアンドレ・ロレールの「シャノワール」。シャルドネとピノ・ノワールから作られた泡なので、名付けられた名前だそう。

フランス料理とワインを愛する料理家。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年にフランス農事功労章を叙勲。著書に『ma cuisine おいしさの引き出し方』などがある。instagramは@8yukiko76hirano  料理教室cuisine et vin主宰。http://www.yukikohirano.com
愛猫クミンの様子は別のInstagramから@cumin_chatnoir

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