多様化するジェンダーの表現を、映画で観る。

Society & Business 2021.03.08

アカデミー賞作品賞受賞作『ムーンライト』や#MeTooムーブメントによって、LGBTQやジェンダーギャップ等をテーマにした作品の世界は、社会的な動きとともに定義もありようも確実に拡大しつつある。

配信大手Netflix製作のオリジナルミュージカル『ザ・プロム』は、同性カップルで卒業パーティに参加することを禁じられ、悲嘆にくれる田舎町の女子高校生エマとアリッサのために、ニューヨークの舞台俳優たちが立ち上がる学園コメディだ。「glee」の監督のもと、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンら豪華スターの弾けっぷりも楽しい。

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『ザ・プロム』名声復活のために奔走する俳優陣と、田舎の女子高校生カップルのドタバタを 感動的に描く。 ●監督/ライアン・マーフィ ●出演/ニコール・キッドマン、メリル・ストリー プほか ●2020年、アメリカ映画 ●132分 ●Netflix独占配信中 ●ヒューマントラストシネマほか全国にて順次公開中

『Ammonite』は、去年の5月にリアル開催が断念されたカンヌ映画祭のCANNES2020に選出されたフランシス・リーの新作。恋愛物語でもあるが、社会的な障害や生き辛さに直面した女性同士のシスターフッド的な要素も強い。主演のケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナンの実力派女優はアカデミー賞への期待も高い。

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『Ammonite』(原題)19世紀のイギリス。考古学者のメアリーは化石収集家に頼まれ、体調を崩した彼の妻を預かるが......。 ●監督・脚本/フランシス・リー ●出演/ケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナンほか ●2020年、イギリス・オーストラリア映画 ●120分 ●配給/ギャガ ●4月、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開予定

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同じくCANNES2020にリストアップされたフランソワ・オゾンの『Summer of 85』はフランス・ノルマンディ地方の海辺を舞台に16歳のアレクシスと18歳のダヴィッドのひと夏の恋を描く。ちなみに1985年当時、オゾン監督自身18歳だった。

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『Summerof85』(原題)ノルマンディを舞台にした16歳と18歳の少年のひと夏の恋を描く。 ●監督・脚本/フランソワ・オゾン ●出演/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポーほか ●2020年、フランス映画 ●100分 ●配給/クロックワークス ●2021年 日本公開予定 

『MISS ミス・フランスになりたい!』は、男性であることを隠してミス・フランスに挑戦するアレックスと仲間の成長物語。ジャン=ポール・ゴルチエのショーで注目されたジェンダーレスモデル、アレクサンドル・ヴェテールの初主演作。

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『MISS ミス・フランスになりたい!』人生に迷った青年は子どもの頃の夢を通して、自分自身を受け入れていく。 ●監督・ 共同脚本/ルーベン・アルヴェス ●出演/アレクサンドル・ヴェテール、イザベル・ナンティほか ●2020年、フランス映画 ●107分 ●配給/彩プロ ●2月下旬より、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開予定 

『Falling』は、ゲイの主人公と保守的な父の同居による軋轢を通して、同性愛への認識や理解を深く掘り下げた。俳優ヴィゴ・モーテンセンの初監督作としても注目。
いずれも、ガス・ヴァン・サントがグッチのクリエイティブ・ディレクター、 アレッサンドロ・ミケーレと共同監督した短編で描かれた「ノンバイナリー」「性表現の自由」というテーマにも通じるポジティブなメッセージが興味深い。

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『Falling』(原題)ゲイのカップルが老いた堅物の父親を引き取り同居。考え方の相違も出てきてーー。●監督・脚本・出演・作曲/ヴィゴ・モーテンセン ●出演/テリー・チェン、スヴェリル・グドナソンほか ●2020年、カナダ・イギリス・デンマーク映画 ●112分 ●配給/キノシネマ ●5月、キノシネマほか全国順次公開予定

*「フィガロジャポン」2021年3月号より抜粋

texte : ATSUKO TATSUTA

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