「気持ちいい」乳がん検査があることを知っていますか?

Society & Business 2024.03.07

次世代がん検査サービスの提供を目指す「100(ワンダブルオー)」が発表した調査によると、20代女性の約3割がバストケアを行っているという。一方で、日本人女性の9人に1人が罹患するといわれる乳がん検査の受診率はなかなか上がらない現状がある。

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photography: shutterstock

調査結果は、ワンダブルオーが2月に行ったオンラインセミナー「6種類の乳がん検査を実体験!〜未来の乳がん検査の受け方は劇的に変わる?」内で発表された。同社は2023年11月10日、11日の2日間、全国の20代女性1002人に病気の不安や検査に対する意識調査*を実施した。

調査の結果、全体の28%がバストケアを行っていると回答。バストケアの方法としては、「下着を気にして購入する」「セルフマッサージをする」「バストケア用品を使用している」「サプリメントの服用」「サロンに通っている」などが挙げられた。

一方、同じバストにかかわることでも、乳がん検査の受診率は2013年の43.4%から10年間で4ポイント(47.4%)しか増えていない。乳がんで亡くなる人は1958年から増え続けているといい、2021年の乳がんでの死亡者数は約1.5万人となっている。

ワンダブルオー代表で、BWA Pitch Contest 2023 ファイナリストの山上博子さんは、「乳がんは初期段階(ステージ0)で発見できれば10年後の生存率は約90%。ただ、初期段階のがんは自身で発見するのはなかなか難しい。だからこそ乳がん検査の受診が大切」と訴える。

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乳がん検査を遠ざける「誤解」とは?

乳がん検査をより受けやすくしたいと、医療機関以外でも検査ができる「次世代がん検査サービス(NCT:New generation Cancer Test)」のローンチを目指している山上さんは、受診率がなかなか上がらない理由のひとつとして、乳がん検査の「わかりにくさ」を挙げる。 

「乳がん検査をしたいと婦人科を訪ねる人も多いですが、実は乳がん検査を担当するのは婦人科ではなく乳腺外科。そこが知られておらず、診療科で迷子になる人も少なくありません」(山上さん)

また、服を脱ぐことが面倒だったり、「痛い」というイメージが強いことも挙げられるという。これらのイメージを検証しようと、山上さんは昨年、血液検査、唾液検査、うつぶせ超音波機器、MRIなど6種類の検査を自身で体験。「乳房をお湯の中につけて、超音波機器で断面を撮像する」うつぶせ超音波機器を使った検査については、「胸を温めることがこれほど気持ちいいものなのかと感動した」と振り返った。

そのほか、現在呼気や涙、汗を使った「痛くない」検査方法の開発が進められているという。「標準とされるマンモグラフィ検査も含め、どの検査にも見落としのリスクはあるが、まったく受診しないと早期発見の機会を逃してしまう恐れもある。定期的に検査を受けないことが一番リスクが高い。痛くない検査の選択肢は増えているので、正しい情報を発信し、バストケア同様、乳がん検査をもっと身近なものにしていきたい」と語った。

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*「病気への不安や検査への意識調査」の調査結果は、ワンダブルオーのウェブサイトで公開されている。

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