ケイト・スペード ニューヨークの世界サミットで、マリウス葉が語った「本当の声」。
Society & Business 2025.11.07
ケイト・スペード ニューヨークが主催する「女性のメンタルヘルスのためのグローバル・サミット」が、10月10日、ニューヨークのタイムズ・センターで開催された。第4回となる今回は、Z世代女性が直面する課題と可能性に焦点を当て、世界中の活動家やリーダーたちが集結。日本からは、スピーカーとしてマリウス葉が登壇した。

ケイト・スペード ニューヨークが主催する「女性のメンタルヘルスのためのグローバル・サミット」に日本の登壇者として参加したマリウス葉。 photography: Darian DiCianno/BFA.com
世界メンタルヘルスデーに合わせて行われたこのサミットは、女性たちが自分らしく生きるために欠かせない心のウェルビーイングを考えるための国際的な試みだ。タラ・デイビス・ウッドホールやアリソン・ストーナーをはじめ、各界の専門家やアーティストが登壇し、女性のエンパワーメントとメンタルヘルスの関係を多角的に語り合った。
ケイト・スペード ニューヨークは、2030年までに25万人の女性と女の子が、地域に根ざしたメンタルヘルス支援にアクセスできるようにすることを目標に掲げ、「女性のメンタルヘルスのためのグローバル基金」を運営。これまでに3,500万ドルを投資し、良好なメンタルヘルスが女性たちのVoice(声)、Choice(選択)、Power(力)を支える基盤であるという信念のもと、活動を続けている。

会場では、各界で活躍するリーダーや専門家、医師らが登壇し、フレンドシップやトラウマからの回復、身体活動とメンタルヘルスとの関係性などさまざまなテーマのパネルディスカッションが開かれた。 photography: Darian DiCianno/BFA.com
今回、マリウス葉は「自分の軸に戻る、声に根ざした対話」をテーマに、ブロードウェイ俳優のジョイ・ウッズ、メンタルヘルス活動家のジャズ・ソーントン、ユニセフ グローバルメンタルヘルスリードのゼイナブ・ヒジャジ博士と話し合った。
マリウスが語ったのは、華やかなキャリアの裏で揺れ動いた自身の経験。幼い頃から人前に立ち、拍手や称賛を「愛情」だと感じていた時期を経て、やがて気付いたは、自分の声の本当の意味だったという。他者にどう見られるかではなく、自らの内側に耳を傾けること。
「本当の声は、脆さや癒やしのプロセスの中から生まれる」
そんな彼の言葉には、自分を取り戻していく静かな強さがにじむ。
マリウスは、自身のSNSで今回のサミットを振り返り、メンタルヘルスは「修復」ではなく「人間らしさを思い出すこと」、そして、ふとした瞬間に感じる安心や喜びを「Glimmer(きらめき)」と表現した。
その考え方は、ケイト・スペード ニューヨークが掲げるJoy(喜び)の哲学とも重なり、ブランドが進めるメンタルヘルス支援の理念を体現するものといえる。
今回のサミットは、ケイト・スペードが10年以上にわたり取り組んできた社会的活動を改めて示す場となり、今後のグローバルな支援の広がりにも注目が集まっている。
text: Ayumi Yasuda(Routusworks)








