鎌倉通に聞く、私的お気に入りアドレス。 #01 菓子研究家いがらしろみが選ぶ、鎌倉のおいしい3軒。

Travel 2018.10.26

「鎌倉は、人間らしく仕事や生活ができるところが好き」と語る、菓子研究家のいがらしろみさんの行きつけは、ゆっくりとした時間と味わい深さを満喫できるおいしい店3軒。

1. ベルグフェルド・カフェ 雪ノ下本店

老舗ドイツパン屋のカフェで、優しい味のスペシャルランチを。

鎌倉で人気のドイツパン屋の本店は、駅周辺の喧騒から少し離れた静かな住宅街のエリアに。子どもに安心して食べさせられるパンとお菓子を目指して、1980年に雪ノ下にオープンした。小さなパン屋と、入り口を分けた隣はアットホームなカフェになっている。手作りのスイーツはもちろん、サンドイッチやスリランカカレー、ビールやワインまでメニューに並ぶ。

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クラシックで落ち着いた店内。店の奥には、フォトジェニックな大きなテーブルがある。

「ザワークラウトのランチが気に入っています。食後のコーヒーとドイツ菓子もとても優しい味。パンは、プンパニッケルが大好きで、家では発酵バターとハチミツをつけたり、バターとベリー系のジャムと一緒に食べたりします。片隅で販売されるドイツパンの細かいパン粉も気に入っていて、これでチキンカツなどを作るとすごくおいしい」と、いがらしろみさんも太鼓判を押す。

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ランチタイム(11時〜15時)のメニュー「ザワークラウトとパン」¥1,620。巨大なソーセージ、キャベツの酢漬けの下には、ジャガイモや塩漬け豚バラ肉などのやわらかな煮込みが隠れている。

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ランチにティータイムにと、ついつい長居をしてしまいそうな、居心地のいい店内。

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隣接するパン屋のショーケースには、お菓子や焼きたてのパンが並ぶ。ここで買ったものをカフェで食べることもできる。

Bergfeld Cafe
鎌倉市雪ノ下3-9-24
Tel. 0467-24-2706
営)10:30〜18:30 
休)火、第1、3月
http://bergfeld-kamakura.com

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2. ビーノ

自然派ワインと鎌倉野菜の料理を味わうワインバー。

オープンから7年。ワイン好きだけでなく食通の常連を増やし続けている、小さなワインバー。黒板に書かれたメニューの数々は、そのどれもが選び抜かれたワインの味を引き立ててくれる。東京とフランス、名だたるレストランを経てこの場所にたどりついたオーナー阿部剛さんは、自分が惚れ込んだ自然派ワインの製造に携わりたくて、定期的に山梨のワイナリーへ働きに出ているという。

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もともと古いバーだったという昭和30年の建物。石壁と木の窓枠が美しい。

「ワインの紹介コメントがぐっとくる表現で、選ぶのがいつも楽しみです。ジャガイモのグラタン『ドフィノワ』はフランス料理の付け合わせの定番ですが、すごく丁寧に作られていて、メニューに見つけたら必ず頼むひと皿です」
生産者の顔が浮かぶワインを置きたいと、国産の自然派ワインも多く取り揃える。食とワインへの静かな情熱が、小さなお店にギュッと詰まっている。

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店内には使い込まれた木のバーカウンターと、テーブル席が3つ。日替わりのメニューやおすすめのワインが毎日黒板に書かれる。

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人気の定番「白インゲン豆とピスタチオのパテ」¥720。大豆グルテンを使用し、肉をいっさい使わずに作られたパテは、爽やかな白ワインを引き立てる。

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「焼き茄子のマリネ タイム風味」¥720。地産の新鮮野菜は、あえてシンプルな調理法で野菜本来の旨味を引き立てる。

binot
鎌倉市小町1-5-14
Tel. 0467-50-0449
営)18:00〜22:00L.O.(月〜金)、17:00〜22:00L.O.(土、祝、満月の夜)
休)日 ※ブドウ収穫期は不定休、要問い合わせ
www.facebook.com/binot.kamakura/

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3. チャバッカ・ティー・パークス

新しい飲み方を提案し、日本茶を次世代へとつなぐ。

鎌倉駅から徒歩数分のところに、日本茶のスタンドバーが誕生したのは2018年春。アパレル業界出身の若手オーナー三浦健さんが、自ら日本各地の生産者のもとに足を運び、お茶の研究を重ねて生まれたという店は、まるでラボのような佇まい。

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チャバッカ・ティー・パークスは、鎌倉駅西口の御成通りから少し入った、路地裏に佇む。

深蒸し煎茶、玉露といった取り扱う種類の日本茶はすべて単一農園・単一品種で生産された上等なものばかり。さらに、ニトロブリューと呼ばれる手法で窒素ガスを注入した日本初の“ドラフトティー”は、細かい泡で撹拌されたお茶が何とも香り高く、まろやかな味わいだ。
「ほかのスタンドでは飲めないクオリティの日本茶がいただけます。まろやかに香りよく飲めるニトロブリューの緑茶も外せませんが、香りのいい抹茶ラテも大好きです」と、いがらしさんも虜に。

近所に住む若い男の子がふらっと訪れて、お茶を1杯飲んでいくその姿が新鮮。聞けば、1カ月¥5,000という破格の飲み放題会員も増えているという。自ら惚れ込んだメイド・イン・ジャパンの日本茶を次世代につなげたいという強い想いは、着実に広がっている。

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店内のサーバーから注がれるドラフトティー¥756。柔らかい口当たりと、爽やかな香りの新感覚の日本茶ドリンク。

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日本各地の銘茶も、産地や味わいなどわかりやすく表示され販売されている。オーナー自らが焙煎した茶葉も並ぶ。¥864〜

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特注品の陶器製のドリッパーで、お茶を注ぐオーナーの三浦さん。約300種もの日本茶を飲み比べて、現在、若手生産者による日本茶8種を置いている。

CHABAKKA TEA PARKS
鎌倉市御成町11-10
Tel. 0467-84-7598
営)11:00〜18:00 
休)水
https://shop.chabakkateaparks.com

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いがらしろみ Romi Igarashi
菓子研究家。鎌倉と東京でジャム・焼菓子の店舗ロミ・ユニ コンフィチュールを営む。秋・冬だけオープンする小さなチョコレート屋さん、ショコラテ ロミ・ユニを2017年に鎌倉にオープン。学芸大学のお店では、10周年を迎え、ミナ ペルホネンとのコラボレーション商品などが期間限定で展開されている。
www.romi-unie.jp

鎌倉案内INDEX

photos : MAYUKO EBINA, réalisation : MIKI SUKA

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