ラ・フォル・ジュルネ発祥の街ナントで、歴史散策。

特集

毎年5月に東京でも開催されるフランス・ナント発のクラシック音楽の祭典、ラ・フォル・ジュルネ。本拠地ナントでは、1月末から2月頭にかけて開催される。ナントを訪れたら、コンサートとコンサートの合間に、街の散策も楽しみたい。

ナントのグルメ散歩はこちら。

音楽と音楽の合間、冬のナントを歩こう。

ナントという地名に、歴史ファンは1598年の“ナントの勅令”をすぐに思うことだろう。列車を降りて街へと向かうとすぐに、現在は博物館として公開されているブルターニュ公爵城の前をすぐに通ることになる。アンリ4世によって信仰の自由を認める“ナントの勅令”が発布されたのが、この城において。徒歩で、あるいはトラムでこの城の前を通る市民たちにとって、日常の光景の一部となっている。

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ブルターニュ公爵城の朝と夜。

駅のほぼ向かい側にある植物園も知っておいて悪くない場所だ。植物園というものの、地元の人々が気軽に憩いの場として活用する無料の公園。独創的なベンチ、植物で象られた昼寝をしている動物……冬の寒さを忘れさせる、長閑な時間が待っている。この植物園では、椿のコレクションも豊富だ。 優美に花を咲かせる日本の寒椿にナントで会えるとは!

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植物園Jardin des Plantes/ rue Stanislas Baudry 44000 Nantes)。開園時間は8時30分〜18時30分(冬は17時30分)。駅前だけでなく、ナント美術館の近くにも入口がある。

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さて、ナントの出身者には先に紹介した映画監督のジャック・ドゥミがいて、現役で活躍している著名人を挙げるなら、子ども時代にラ・フォル・ジュルネ体験をしたオペラ座バレエ団のユーゴ・マルシャンがいる。 今度は時代を遡ってみよう。『八十日間世界一周』を書いたジュール・ヴェルヌも、ここで生まれ育っている。この作家のあふれる想像力と冒険心を再現したのがアトラクションパーク、レ・マシーヌ・ド・リル(Les Machines de l’île, Parc des Chantiers / boulvard Léon Bureau  44200 Nantes)。巨大なクモや機械仕掛けで歩く象などが待っている。4月から10月の観光シーズン以外は開園時間がかなり限られているので、行く前に確認を。

時間や曜日の制約なしにナントの名所を訪問したいのであれば、映画『ローラ』にも登場するパッサージュ・ポムレイへ。3年の工事の後、高級ショッピングギャラリーとして1843年に開かれたパッサージュだ。ここがいまも人気を集めているのはテナントゆえではなく、3階建てという珍しさから。商業が栄え、潤っていた19世紀のナント。その栄華を彷彿させる豊かな装飾と中央の大階段はとても美しく、街のインスタ映えスポットのひとつに数えられる。

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傾斜のある土地に作られた3階建てのパッサージュ・ポムレイPassage Pommeraye)へのアクセスは、Rue de la Fosse、rue Réigner、rue Crébillonと3カ所あり。

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あえて探さずとも、小さい街なので散歩をしていると出合うのが教会だ。ナントでは細道の奥や思いがけないところで、その姿を見いだすこともあっておもしろい。建築時期が違えば様式も装飾も異なるので、それぞれが個性的。教会の前を通ったら、ちょっと足を止めてみよう。

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高い天井の下、フランソワ2世が眠る墓があるサン・ピエール・サン・ポール大聖堂Cathédrale Saint-Pierre et Saint-Paul / 1, impasse Saint-Laurent 44000 Nantes)。建築が始まったのは15世紀だ。

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建立に457年かかったというサン・ピエール・サン・ポール大聖堂。15世紀から20世紀に至る、さまざまな時代のステンドグラスを見ることができる。

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サン・ニコラ教会Basilique Saint-Nicolas)。ブティックが並ぶオルレアン通りの18番地。そのパッサージュの奥に見えるのがこの教会だ。まぶしいほどのゴールドに塗られた天使の楽隊たちは、まるで空に浮いているよう。 パッサージュと広場のコーナーに感じのよいカフェ・ビストロがある。時間があれば、ここで一服するのもよさそう。

 

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上の楽隊が気になって吸い寄せられる聖十字架教会(Église Sainte-Croix)は、1669年から1860年と長い歳月をかけて建築された。上の時計台と鐘楼は19世紀に再建されたそうだ。

 

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ナントでは、18〜19世紀の建物に交じり、わずかながら中世時代の家がまだ残っている。目印は木を組み込んだ壁面だ。たとえば、聖十字架教会近くのジュイヴリ通り7番地。

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港町ナントは18世紀にヨーロッパ、アフリカ、アメリカを結ぶ三角形の交易で栄えた。カリブ海のアンティル諸島からナントに届く品には砂糖、ラム、バニラなどがあり……これらがあって19世紀初頭に生まれたのが、ガトー・ナンテ(Gâteau Nantais)と呼ばれるナントのお菓子だ。なんとなく覚えやすい名前のお菓子では? 街のパン屋やパティスリーで、真っ白いアイシングで覆われた直径6cmくらいのお菓子を見つけたら、それがガトー・ナンテ。アーモンドペーストをベースにしたスポンジには、たっぷりとラム酒が含まれてしっとりしている。お酒に弱い人はちょっと注意を。

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ラ・フォル・ジュルネの会場内のバーでも、ガトー・ナンテを販売(3ユーロ)。

ガトー・ナンテ同様に、ナントを代表するお菓子といったらリュ(LU)のビスケットだろう。フランス国内のどこのスーパーマーケットでも簡単に見つけられるブランドである。レイモンド・ローウィがデザインした「LU」という極めてシンプルなロゴが目印。パッケージによると、創業は1846年に遡るそうだ。LUのさまざまなタイプのビスケットがスーパーを賑わしている。ナントに行かずとも入手できるナント名産が、これ。

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1905年に誕生したブーレ・ナンテBeurré Nantais)。フランス産の小麦粉を使用し、甘さ控えめで、バターと卵の風味を生かしたシンプルサブレは、薄いので1枚、また1枚……と手が伸びるおいしさ。店によるが、3.50ユーロ前後と買いやすい価格だ。

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photos et réalisation:MARIKO OMURA

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