ラ・フォル・ジュルネ発祥の街ナントで、グルメ散歩。

特集

毎年5月に東京でも開催されるフランス・ナント発のクラシック音楽の祭典、ラ・フォル・ジュルネ。本拠地ナントでは、1月末から2月頭にかけて開催される。期間中の金・土・日の3日間は、メイン会場であるシテ・デ・コングレと街の中心部を結ぶシャトルバスが15分間隔で運行されている。コンサートのチケットやプログラムを持っていれば、乗車は無料。ナントを訪れたら、シテ・デ・コングレから足を延ばし、商店やレストランが集まっている旧市街なども歩いてみよう。

5日続くラ・フォル・ジュルネは多数のプログラムの中から、聴きたいコンサートを自分で選べるのが魅力である。コンサートとコンサートの合間にナントの街を観光したり、あるいは夜のコンサートだけを選んで、日中は観光 ! といった組み方も。音楽と街を自由に楽しみたい。

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ラ・フォル・ジュルネと行き先に掲げたシャトルバス。ナント市民がボランティアで運転を行っているそうだ。

音楽を追いかけて、ナントの街を探検。

音楽を聴きにきたナントである。音楽にちょっと関わる3つのアドレスを紹介しよう。

1. お土産に最適な、ナント生まれのスイーツ。
リゴレット・ナンテーズ

まずは、ヴェルディのオペラ『リゴレット』絡みから。砂糖の殻に果肉を閉じ込めたキャンディを作り上げたのは、菓子製造者のシャルル・ボユ。彼はリゴレットという名の猫を飼っていて、このキャンディを愛猫にちなみリゴレットと命名したのだ。1902年のことである。

これはナントの名物となり、誕生から1世紀たったいまも、かつてシャルル・ボユが店を構えていた通りの延長にあるLes Rigolettes Nantaises(レ・リゴレット・ナンテーズ)というお菓子屋さんで昔ながらの製法で作られて、販売されている。おいしいだけでなく、色も美しく、そしてパッケージがヴィンテージタッチでとてもチャーミング。自分用、お土産用にとつい買い込んでしまう。

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フルーツの味をとじこめたリゴレット・ナンテーズ。このモチーフの缶入りはサイズが種々あり。

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リゴレット・ナンテーズのパステルカラーを楽しみたければ、こちらのガラス容器入りを。

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花バージョンもある。スミレ、バラ、ヒナゲシ、オレンジ、ハイビスカスの5粒入り缶は4.10ユーロ

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リゴレット・ナンテーズだけでなく、チョコレートやナント名物のビスケット、リュLU)なども販売するスイーツの宝庫だ。

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リゴレットを生み出したシャルル・ボユの店はマルヌ通りの26番地にあった。現在はファッションブティックとなっているが、ボユ時代のモザイクは外壁にいまも残されている。 

Les Rigolettes nantaises
18, rue Verdun 44000 Nantes
tel:02・40・48・00・39
営)10時〜19時
休)日
www.les-rigolettes-nantaises.com

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2. 音楽家たちが集うブラッスリーで牡蠣と白ワインを。
ラ・シガール

ナントでのラ・フォル・ジュルネの開催は冬。観光にふさわしいとは言い難い時期だけど、冬ならではの喜びがある。劇場向かいにあり、音楽関係者もカフェや食事にと大勢集まる場所で“冬”を賞味しよう。

それはロワール地方のAOC白ワインのミュスカデとともに味わう、牡蠣。すっきり辛口でほのかにフルーティなワインと、磯の香りをたたえた牡蠣……冬の寒さが似合う味わいがこれ。牡蠣に限らず海の幸を味わう時は、パリ同様にナントでもブラッスリーに行くのがてっとり早い。

グララン劇場の向かい側にあるラ・シガール(La Cigale)は、19世紀末の豪華なアールヌーボーの内装でも知られるブラッスリー。劇場でオペラ鑑賞をした人々を迎え、文芸人や音楽家たちの溜まり場として、かつてはアンドレ・ブルトンもジャック・プレヴェールもここにお決まりのテーブルを持っていたほど。ジャック・ドゥミの映画『ローラ』(1960年)は監督の故郷であるナントが舞台で、このラ・シガールはヒロインが働くキャバレーとして撮影に使われたそうだ。踊り子ローラを演じたのはアヌーク・エーメ。『シェルブールの雨傘』(64年)、『ロシュフォールの恋人たち』(67年)へと続く、ドゥミの初長編作品である。

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1788年に建築されたグララン劇場の向かいで、1895年からから営業しているラ・シガール。1964年に歴史的建造物に指定された。

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7時30分から営業しているので、ここで朝食をとるのも素敵なナントの思い出となるだろう。開店したら深夜までノンストップ営業をしている。ランチ、ディナー、ティータイムにと、何度も通いたくなるブラッスリーだ。

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店名は蝉の意味。ドレスを着た蝉のモザイクを店内で探してみよう。

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天井、壁……周囲を飾る装飾に目を奪われながら、牡蠣(写真は「Cadoret Fine」6個/16ユーロ)とミュスカデ(4.30ユーロ)を。

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冬の魚屋で25〜26ユーロ(12個)で販売されている牡蠣のロールスロイスといわれる高級なジラルドーGillardeau)。ふっくらした牡蠣に海の滋養がたっぷりなので、胃袋のタラソテラピーになる!? ジラルドーの牡蠣はラ・シガールでも味わえる(6個/25ユーロ)。美しい場所にふさわしく、最高ずくめでジラルドーを奮発してもいいのかも。

 

La Cigale
4, place Graslin (face à l’Opéra) 44000 Nantes
tel:02・51・84・94・94
営)7時30分〜24時30分
無休
www.lacigale.com

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3. クレープとシードルはブルターニュ名物!
クレープリー・ラ・ガヴォット

ロワール=アトランティック県に属するナントはブルターニュ半島の南東部に位置し、クレープとシードルは住民にとって日常的な食べ物だ。多数あるクレープ屋の中に、クレープリー・ラ・ガヴォット(Crêperie La Gavotte)という店がある。ガヴォットとはブルターニュ地方で生まれた、陽気でリズミカルな、16世紀には宮廷でも踊られるようになったダンスである。グララン広場から西へと延びるヴォルテール通りにあり、ブルーの外観が目印。扉にはブルターニュの民族衣装を着た絵本の主人公、ベカシンの絵が! さらにこの店ではふたつのスペースがあり、ドアからすぐのスペースではこのベカシンが描かれたお皿がテーブルで待っている。

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ベカシンのお皿とカップが待つ、ひとつ目の部屋。

クレープのセレクションはとても豊富。その中で最もナントらしいものといったら、名前からもわかるようにラ・ナンテーズ(16ユーロ)だろう。レストランで地元の名物料理としてホタテ貝のクリームソースというのを見かけるが、このナンテーズはその名物料理をクレープと組み合わせたものなのだ。もしナントで食事をとる機会がたくさんなければ、これは一石二鳥では?

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ラ・ナンテーズ(16ユーロ)とシードル(2.80ユーロ)でナントの味を堪能。

ナントの司祭様という意味のキュレ・ナンテというチーズを、街の食料品店で見かけるかもしれない。たいてい司祭の絵が描かれているので、見つけやすいチーズである。ガヴォットでは、複数の具をいろいろミックスできるクレープがあり、その中の具のひとつにキュレ・ナンテがある。薄切りにしたチーズを中に敷き詰めるのだ。チーズはルブロションにちょっと似た感じだが、さほど癖のある味ではない。このチーズが気になったら、キュレ・ナンテだけのクレープ(5ユーロ)をオーダーしてみては ?

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レストラン内は2部屋に分かれている。奥の部屋の天井にはお皿の装飾が!

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グララン広場から延びるヴォルテール通りにあるクレープ店。

Crêperie La Gavotte
25 , rue Voltaire 44000 Nantes
tel:02・40・69・15・52
営)12時〜14時、19時〜22時
休)日、月
http://creperie-lagavotte.com

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photos et réalisation:MARIKO OMURA

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