レトロな台南を散歩して、美食ざんまい。 食後に夜カフェ、が台南風おしゃれな夜遊び。

Travel 2019.10.31

小吃(シャオチー)店で食事を楽しんだ後は、古民家や歴史的建造物を改築したセンスが光るカフェバーで、ゆっくりと大人の夜の時間を満喫したい。

DIYで作った温かな空間では、時を忘れて寛いで。

沒有咖啡(メイヨウカーフェィ)

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重厚感あるカウンター。アンティーク皿のシェードのペンダントライトもDIY。

台北在住だったオーナーが、台南のスローな空気が気に入り移住。自分と感性が似た人が集まる東區の一角でカフェバーを営むことに決めたという。30年前に建った古いビルをリノベーション、オーナー自らDIYでカウンターやワインラック、チェストを作るなど、随所に手作りの温かみがあふれている。お酒に合うおつまみからしっかり腹ごしらえできる食事まで料理は充実。フルーツクレープも隠れ人気メニューだ。「ない」を意味する店名の「沒有」には、「有名シェフも高度なコーヒー技術もない、それでも人との繋がりを大切にした温かさがある」という気持ちを込めた。訪れたら、きっと誰もが長居したくなるような心地よさに包まれるはず。

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定番の人気メニューのひとつ、大根餅「秘製正點蘿蔔糕」110元

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この日のおすすめ「讓你餓不著」はエビのガーリック炒め。甘味と食感のあるバナメイエビを使用。160元。台湾のグアバビール「道霸」130元とともに。東區という学校が多い場所柄、学生客も多い。

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もともとは花屋。緑の窓枠や開放的なエントランスを気に入り、ここに出店を決めたという。

沒有咖啡
Meiyou Kafei


台南市東區東寧路538巷2號
tel:06-208-0606 
営)19時~翌2時(月~金) 16時~翌2時(土、日)
不定休
カード不可
www.facebook.com/nocaffee

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こだわり抜いた至極のコーヒーをサーブする、通向きの店。

Akatsuki 曉咖啡(アカツキ シャオカーフェィ)

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カウンターの辺りにあった壁を取り除き、開放的な空間に。オーナー自ら壁を塗ったそう。カウンター奥の木の窓枠はそのまま生かして。

スモーキーな壁の色が落ち着いたムードの店内でいただけるのは、コーヒーからお茶までこだわり抜いた一級品。特にコーヒーは、アフリカはエチオピアからアジアはインドネシアまで、メニューに産地、品種、農園、さらには豆の精製方法まで書かれている徹底ぶり。ブレンドではなくシングル、かつ、その農園のオリジナリティが高い品種をセレクト。もちろんローストも店内で行っている。自らインテリアを手がけたオーナーの熱意も相まって、台南の夜カフェ先駆け店のセンスと実力が光る。

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50~60年ほど前の建物。2年前にこちらで再出発。

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変わり種のショコラミルクが大人気。「聖多明尼克」130元、パッションフルーツとマンゴーのチーズタルト「百香芒果乳酪塔」120元

Akatsuki 曉咖啡
Akatsuki Xiao Kafei


台南市中西區忠義路一段84巷6弄2號
tel:0912-812-850
営)19時~翌1時(月、火、金) 15時30分~翌1時(土、日) 
休)水、木
カード不可 
www.facebook.com/akatsukicoffee

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老房子(ラオファンズ)がひしめく路地に立つ、非日常のレトロ空間。

Lola 蘿拉冷飲店(ローラ ロゥラーレンインディェン)

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店内では中国映画を上映中。座敷風の2階部分は、当時の家屋をまねて増築。

五條港と呼ばれ、かつて5本の主要な運河が流れる商業の盛んだったエリアでは、いまでも町家造りの伝統的な老房子が数多く残されている。そのエリアの路地にひっそりと店を構えるカフェバーは、100年以上前の清朝時代の家屋を増改築。レンガの壁の赤いアクセントや天井の梁などはそのままに、アンティークショップで見つけた清朝時代の家具やオブジェなどで当時の雰囲気を再現している。お酒はもちろん、女性オーナー、楊さんの作る料理にはファンも多く、とりわけ麻婆豆腐やクリスピー生地のピザはオーダー必須。カクテルを飲みながら、古の雰囲気に酔いしれたい。

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趣のある立派なチェストは清朝時代のもの。入口付近にはウェイティングバーが。中庭もある。

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イチゴや桃のリキュールを使ったカクテル「愛神」は女性好み。230元

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ローラ風麻婆豆腐ご飯「蘿拉麻婆豆腐飯」は、オムライスにピリ辛の麻婆豆腐を添えて。玉子のまろやかさがマッチ。200元

Lola 蘿拉冷飲店
Lola Luola Lengyin Dian


台南市中西區信義街110號
tel:06・222・8376
営)18時~翌1時(火~木、日) 18時~翌2時(金、土)
休)月
カード不可

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緑に覆われた一軒家は、癒やしのライブラリーカフェ。

エー・ルーム

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レンガと木造りが温かな店内。毎晩20時半からはプロジェクターで映画を上映。それを目当てに訪れるゲストも多い。

生い茂る緑の中に現れた大きな平屋の一軒家。日本統治時代に建てられ、アメリカ軍の宿舎として使われていた建物の扉を開けると、アカデミックな雰囲気のカフェになっている。オーナーがかつて古本屋を経営していたため、コレクションが店内の壁一面にぎっしりと並ぶ。学校が多いエリアにあるせいか、読書したり勉強をしに訪れる学生も多いそう。コーヒーは自家焙煎のものを含め、常時10種類を用意。うち5種類は週替わりなので、さまざまなコーヒーの味を楽しみたい人にもおすすめ。自慢のサンドウィッチと合わせてもよし、食後に自家製スイーツといただくのも格別。

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マッシュルームとチキン入りサンドウィッチはチャバタパンがおいしいと評判。「奶油蘑菇巧巴達」130元、アイスラテ「咖啡拿鐡」140元。台湾のクラフトビールなどもある。

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赤レンガや瓦屋根は当時のまま。周辺には邸宅も多く、静かな住宅街に位置する。小さな看板を見逃さないように。

エー・ルーム
A Room


台南市東區長榮路一段234巷17號
tel:06-209-7979
営)10時~23時
休)火
カード不可

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<台南中心部へのアクセス>
台北からは、高鉄台北駅から高鉄台南駅まで約2時間。高鉄台南駅から市内中心部へは、隣接する台鉄沙崙駅から台南駅まで約20分。タクシーで高鉄台南駅から約30分。

<安平へのアクセス>
台鉄台南駅バスターミナルから2、88、99番バスで「安平古堡(安平路)」下車。タクシーで、台鉄台南駅から約20分。

●1台湾元*=約3円(2019年6月現在) *以下、略称「元」で表記。
●日本から電話をかける場合、台湾の国番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●地図内の「站」は鉄道の駅を意味します。
●クレジットカードは略記。Ⓐ=AMEX、Ⓓ=DINERS、Ⓙ=JCB、Ⓜ=MASTER、Ⓥ=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日や年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。

※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋

photos : SATOKO IMAZU, réalisation : MIO YAMAZAKI, coordination : YUKO IWATA, collaboration : KATSUHIKO OKUNISHI (TIL space Co., Ltd)

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