いま、台北でしたい12のこと。【01】 歴史といまが交錯する、台北の美的リノベーション空間。

Travel 2019.11.20

日本統治時代の建物など、クラシックな魅力を生かしてモダンに改装するアドレスが増加中。ゆったりと訪れて空間に潜む歴史や背景ごと味わえば、台北の現在形が紐解けるはず。

木を生かしたデザイン空間に、図書室やカフェを集めて。

行冊

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2階のレストランでは、ヘルシーな地中海料理を提供。天井に木材が飾られている。

ノスタルジックな雰囲気の問屋街、迪化街の片隅。日本統治時代に台湾新文化運動の父と呼ばれた活動家、蔣渭水(ジィァンウェイシュイ)が開業した医院だったという由緒ある場所に登場したユニークな複合型施設は、1階がカフェバー、2階が地中海料理レストラン、3階が図書室。蔣渭水の故郷である宜蘭から台北までの等値線を再現するように、床や天井に合計3万5千もの木材を配してデザインされた空間は圧巻だ。アンティークの家具が調和して洗練された雰囲気に。

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1階には、オーナーがセレクトした台湾のジンが並ぶ。

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3階の図書室には、映画や台湾の歴史に関する本、小説、エッセイ、インディーズ本が中心に集められている。

行冊(シンツァー)
Walkingbook

台北市大同區延平北路二段33號
tel:02-2558-0915
Ⓜ北門、台北、中山、雙連
営)17時30分~23時(火~金) 12時~23時(土) 12時~22時(日) 
休)月
カード:Ⓙ、Ⓜ、Ⓥ
レストランは要予約 
www.walkingbook.tw

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クラシックな西洋薬局が、台湾茶のカフェバーに変身。

エーエスダブリュー・ティー・ハウス

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台湾茶やフルーツティーに、台湾食材を使った手作りスイーツがセットになった「Afternoon Tea Set」320元〜

1917年に、台湾初の西洋薬局として迪化街の中心にオープンした屈臣氏大藥房。その歴史ある建物の2階に、インテリアデザイナーでもあるオーナー3人でティーハウスを開いた。モダンクラシックなインテリアで整えた空間は、英国の図書館をコンセプトにしている。台湾茶と手作りのスイーツセットが評判だが、3月からはお茶をテーマにしたバーの営業もスタート。台湾茶の焼酎や台湾メイドのウイスキーなど、地産のお酒の味をお試しあれ。

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東方美人茶にブランデーを1滴垂らした「一滴」各350元

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台北一の縁結びの神様として知られる、霞海城隍廟のお向かいに。ファサードの装飾が目を惹く。

エーエスダブリュー・ティー・ハウス
ASW Tea House

台北市大同區迪化街一段34號2樓
tel:02-2555-9913
Ⓜ北門、台北、中山、雙連
営)9時~18時、19時30分~24時L.O. 
休)ティーハウス: 不定休
バー: 月、火 
カード:Ⓐ、Ⓓ、Ⓙ、Ⓜ、Ⓥ
※別途サービス料10%あり
www.facebook.com/aswteahouse

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話題のデザイン空間を手がける、目利きオーナーの古道具屋。

デリケート・アンティーク

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フランスのアンティークのほか、日本で買い付けたアイテムも。台湾の住居に合う大型家具が評判。

ビストロノミーの香色や、人気バー、スタッフ・オンリー・クラブなど、台北の話題店を多数ディレクションし、台湾のデザイン界を牽引するオーナー。倉庫だった場所をオーナー自ら8カ月かけて改装したというアンティークショップは、こぢんまりとしたスペースを巧みに生かしたヨーロッパのマルシェのような雰囲気。陽光が差し込む天窓が、白が基調の美しい空間の要になっている。アンティークは、ヨーロッパの1940〜60年代のものを中心に取り揃える。

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フランスで買い付けた牛の角のカトラリーセット各2,000元なども揃う。

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フランスの松の無垢材のショーケース135,000元を空間の主役に。

デリケート・アンティーク
Delicate Antique

台北市大安區嘉興街346號
tel:02-8732-5321
Ⓜ六張犁
営)12時~20時
無休
カード:Ⓐ、Ⓜ、Ⓥ
www.facebook.com/delicateantique

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時を経て発見した赤煉瓦の壁に、台湾の上質な紙をディスプレイ。

フェンコ鳳嬌催化室

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赤煉瓦の壁をはじめ、建物のレトロな魅力をそのまま生かして再構成することにこだわったという。

建物を解体している最中に発見されたという美しい赤煉瓦の壁に、台湾メイドの紙がズラリと飾られている。ここは、昨年オープンした紙がテーマのギャラリー。製紙工場が運営しており、米で作られた紙や台湾花布柄、美術骨董品の保存修復専門紙といった専門的なものまで、台湾メイドの紙を約200種類ほど展示する。その場で購入もでき、デザイナーや建築家など、クリエイターのイメージソースにもなっていると話題だ。

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紙の可能性を探る取り組みとして苔と強化繊維で作られた壁は、水が自動循環して苔を育てる実験型アート。

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ペールブルーの紙A5サイズ50元

フェンコ鳳嬌催化室(フォンジィァオツィファスー)
Fenko Catalysis Chamber

台北市中山區長安東路二段74號
tel:02-2515-0688
Ⓜ松江南京
開)14時~18時
※イベント時は変更あり
休)土、日
カード:Ⓜ、Ⓥ
www.fenko.com.tw
●1台湾元*=約3.5円(2019年11月現在)*以下、略称「元」で表記。
●日本から電話をかける場合、台湾の番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●データ欄のⓂはメトロを表します。
●クレジットカードは略記。A=AMEX、D=DINERS、J=JCB、M=MASTER、V=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日、年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。

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※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋

photos : JIMMY YANG, réalisation : YAEKO KONDO

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