民族の物語が交差する、台湾・台東へ。

Travel 2019.10.27

台東

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台湾には、漢民族より遥か昔からここに住んでいる「原住民」と呼ばれる先住民族がいる。現在、台湾政府に認定されている原住民は全16部族、人口は約50万人強。その原住民の影響が最も色濃いエリアが、台東県だ。

狩猟や漁、農耕を主とした暮らしを営んでいた原住民は、美的センスや音楽の才能に恵まれていた。文字を持たなかったため、歴史や先祖伝来の知恵を刺繍や織物、トンボ玉、歌や音楽に託した。集落ごとに発達した固有の文化は、漢民族との交流が盛んになるにつれ失われてしまったが、ここ数年、“原住民ルネサンス”ともいうべき復興運動が起こっている。消えつつある手工芸や独自の言葉を掘り起こし、自分たちの文化を見直そうというのだ。

人々の3分の1が原住民である台東市では、部族の居住エリアによって、まったく異なる雰囲気を纏っている。ひなびた地方都市だった台東市は、原住民のアートや音楽を街おこしの糧にして、魅力的に変化しつつある。台東を旅すれば、台北やそのほかのエリアでは決してお目にかかれない風景や人々との触れ合いを体感できるはずだ。

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プユマ族の集落、利嘉村では、部族の伝統を次世代に伝える「壁画プロジェクト」が2年前にスタート。

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幹も葉も種子も多用途に使えるビンロウは古来、原住民の暮らしに欠かせない植物だった。

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ほかとは異なる雰囲気の地方都市。活気づく、台東市内の目抜き通りの一角。

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16ある原住民で唯一、象形文字を使ったのがブヌン族。これは一年の営みを綴った農耕カレンダー。

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0歳から95歳まで、ルカイ族のリリーさん一家4代が勢揃い。ルカイ族の正装が美しい。

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台北・松山空港から台東空港まで約50分、台東鉄路台北駅から台東駅まで約4時間。

●1台湾元*=約3円(2019年6月現在) *以下、略称「元」で表記。
●日本から電話をかける場合、台湾の国番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●地図内の「站」は鉄道の駅を意味します。
●クレジットカードは略記。Ⓐ=AMEX、Ⓓ=DINERS、Ⓙ=JCB、Ⓜ=MASTER、Ⓥ=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日や年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。

※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋

photos : AKEMI KUROSAKA, coordination : HIROKO FUJIKASHI, réalisation : RYOKO KURAISHI

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