ニッポンの小さな旅へ 【愛媛・宇和町】静けさと手仕事に癒される、古都や名勝地へ。

Travel 2021.03.24

愛媛県松山市内からアトリエ オーハウスのある宇和町まで車で約1時間。宿泊前後に、知る人ぞ知る古都や名勝地に足を延ばして。

風光明媚な茶人の世界、肱ひじかわ川の静けさに癒やされて。

臥龍山荘

伊予の小京都、大洲(おおず)を流れる清流肱川の崖上に、世にも風雅な草庵がある。蓬莱山が龍の臥ふす姿に似ていることから、「臥龍」と名付けられた景勝地。明治30年頃、木蝋で財を成した貿易商が静かな余生を送りたいと、ここに茶室建築家や京都の名大工を迎え、渾身の別荘を完成させた。建物の随所に四季を楽しむ粋な細工を施し、客人をもてなす。茶の湯の世界を愛する粋人が10年もの時をかけた名建築に心打たれるはず。

2103xx-uwacho-13.jpg

澄んだ肱川を眼下に望む数寄屋造りの不老庵。建物全体を船に見立てた雅な佇まいの中、呈茶も楽しめる。

2103xx-uwacho-14.jpg

夏を過ごす清吹(せいすい)の間には、流れる水が涼しげな花いかだの透かし彫りを施して。

Garyu Sanso
臥龍山荘

愛媛県大洲市大洲411-2
tel:0893-24-3759
開)9時~16時30分最終受付 
無休
料:一般¥550
www.garyusanso.jp

●松山空港から車で約50分。アトリエ オーハウスから車で約20分。

---fadeinpager---

緑豊かに苔むした、空気のおいしい一軒家カフェ。

ギャラリー喫茶 こけむしろ

静かな林の中を進むと、そこは一面苔の絨毯。合間には飛び石やウッドデッキが置かれ、人々は小川のせせらぎを楽しみながらおいしい空気を胸いっぱいに吸い込む。カフェで提供するのは、宇和町の米粉を使ったシフォンケーキや、地下50mから汲み上げた天然水で入れる絶品コーヒー。意外にも、訪れるのにおすすめなのは雨上がり。木々の間から光が差し込み、苔の雨露がきらきらと光ってまぶしい。

2103xx-uwacho-15.jpg

20年前、棚田だった場所に苔を植え、何年もかけていまの状態に。ギャラリーでは、ミニ盆栽や絵などを定期的に展示。駐車場は20台。

2103xx-uwacho-16.jpg

コーヒー¥500、米粉入りシフォンケーキ¥200

Gallery Café Kokemushiro
ギャラリー喫茶 こけむしろ

愛媛県西予市宇和町信里2099 
tel:0894-66-0857
営)10時~16時30分L.O.
休)月~金(1~3月) 月(4~12月)
※ただし祝日の場合は営業。 

●松山空港から車で約1時間。アトリエ オーハウスから車で約5分。

---fadeinpager---

木蝋で栄えた、小さな内子町へ。

2103xx-uwacho-17.jpg

内子町の中でも古い町並みが残る八日市・護国地区。豪商の暮らしぶりと木蝋産業について知ることができる上芳我邸などがある。

松山と宇和町の中間辺りに位置する内子町は、江戸時代後半から明治にかけて木蝋生産で栄えた町。ハゼの実から作られる木蝋は、蝋燭のほか、石けんや色鉛筆の芯、口紅などに使われた。ここには当時の豪商が暮らした漆しっ喰くい塗ぬり籠ごめの重厚な建物や、老舗の和蝋燭店に竹工房、入母屋造りの芝居小屋などがいまでも残る。代々受け継がれてきた匠の技を巡って、穏やかな町並みを歩こう。

2103xx-uwacho-21.jpg

縁側で松ぼっくりや唐辛子を売る家も。

内子座

2103xx-uwacho-19.jpg

大正時代にできた木造2階建ての劇場。舞台や花道の床下、奈落を実際に歩ける。

2103xx-uwacho-20.jpg

歌舞伎や文楽、狂言など、現在も公演を行う。

内子座
Uchikoza

愛媛県喜多郡内子町内子2102 
tel:0893-44-2840
開)9時~16時30分最終受付 
休)12/29~1/2
料:一般¥400

---fadeinpager---

武工房

2103xx-uwacho-18.jpg

軒先で竹を編む工房。青竹が香る弁当箱(¥5,000〜¥7,000)や、洋服やきものにも合うバッグ(¥30,000〜)、ザル(¥4,000〜)などを販売。

2103xx-uwacho-22.jpg

左:風車¥500 右:バスケット¥120,000

武工房
Take Kobo

愛媛県喜多郡内子町城廻227
tel:090-3161-8645
営)9時~18時
不定休
※オーダーは電話にて

●掲載店の営業時間、定休日、価格などは、取材時から変更になる可能性があります。
●宿泊料金、滞在プランは、客室タイプ、時季、サービス内容で異なるため、予約時に宿泊施設にご確認ください。

*『フィガロジャポン』2020年11月号より抜粋

1日1組、オランダ人彫刻家のアトリエに泊まる。

 

photos : AKEMI KUROSAKA (STUH)

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

いいモノ語り
いいモノ語り
パリシティガイド
Business with Attitude
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories