自宅での歯のホワイトニングって効果があるの？

Beauty 2019.04.12

ホワイトニング効果のある歯磨き粉、美白ペン、ホワイトニングキットなど、歯を白くするためのグッズが人気を博しているが、賛否両論ある。素敵な笑顔になるためにはどうしたらいいだろう？専門家に意見を聞いてみた。

自宅で歯を白くする方法……それって本当にいいの？　Photo : iStock

多くの人の夢、それはハリウッドスターのような笑顔だ。インスタグラムでもまるでピアノの鍵盤のように白く整った歯の写真が、社会的成功と美しさのシンボルとして何千枚も投稿されている。一方、ある調査によれば4人にひとりは自分の歯に悩みを抱えており、歯が真っ白でないと歯を出して笑えないと回答している（*1）。歯科でホワイトニングを行う場合には少なくとも400ユーロかかる。そこで自宅でできるホワイトニング歯磨き粉やペン、ペンシル、テープ、カバー、UVランプなどに注目が集まっているのだ。世界デンタルデーにあたる3月20日、3人の専門家が信頼できる商品について論議を交わした。

*1 歯磨き粉ブランドRegenerateのためにリサーチ会社OpinionWayが行った調査。（期間：2018年8月30日から8月31日　対象：18歳以上のフランス人1,048名）

かなり限られた効果

ここ数年、ホワイトニング効果のある歯磨き粉はスーパーマーケットでも人気が高く、2タイプが販売されている。ひとつは“ホワイトニング”タイプ。プラークを取り除き、ステインを減らして輝く白さを作ってくれるというもの。もうひとつは“視覚の効果”を狙ったタイプで歯の色と歯茎の色のコントラストを強調し、より明るい印象にするというものだ。

リヨン大学病院歯学科の歯科医、ブリジット・グログジェ=バレー氏とジュリー・サンタマリア氏によれば、この両タイプともほとんど効果がないと言う。

「これらのデンタルケアアイテムはヨーロッパの法律の範囲内で作られています。というのも、ホワイトニング剤となる過酸化水素や尿素は0.1%以上含むことができないため、劇的な色の変化は期待できないのです」

リスクがないわけではない

薬剤師のトーマス・カサブ氏も同様のことを述べる。「歯磨き粉の中には青や黒い色をしたものもあり、磨いている最中は歯が一時的に暗く見えます。この色のため、実際以上に白く感じやすくなるのです」と説明する。またそれらの内容物については確認した方がよい。カサブ氏は研磨しすぎることでエナメル質が溶ける危険性を指摘する。カサブ氏はキット、UVランプ、ペンシル、ペンなどに効果があるとは考えていない。彼によると、過酸化水素の含有量が少ないそれらの製品の効果は期待外れだという。「修正液のように、これらのアイテムは視覚的効果があります。しかしながら、ホワイトニングジェルの効果は、たとえば夜の間に限られるなど短時間しか持続しません」

それなりの効果

それではオーガニック製品はどうだろう？グログジェ=バレー氏とサンタマリア氏によれば、自然派の製品の効果もさほど変わらないという。

「それらの製品の多くはクレイや重曹を含んでおり、含まれる物質の粒の大きさにもよりますが、研磨する力が強く、長期的に使用するとエナメル質が傷つく可能性があります」と彼らは警告する。

一方、カサブ氏は手作りのデンタルケアアイテムや植物由来成分95％以上の製品を推奨しており、もし健康的な歯であれば何の心配もなく使用できるという。「それらはフッ素入りの歯磨き粉に比べて虫歯を防ぐ効果は低いものの、衛生的な観点からすれば効果は十分あります。また、一般的にスーパーマーケットなどに並ぶ歯磨き粉に比べると歯への負担は少ないといえるでしょう」と彼は述べる。

グログジェ=バレー氏とサンタマリア氏は、最も重要なことは口腔衛生の意識を高く持つことだという。このため、歯科や薬剤師にアドバイスを求めることが大切だ。特に歯肉炎があったり、虫歯になりやすかったりする場合には要注意である。ふたりの専門家によれば、何か歯のトラブルが起こる前に1年に1回は検診を受けるのが重要だという。

綺麗な歯を保つためのプロのアドバイスはこうだ。1日2回は歯を磨き、3〜4カ月に1回は歯ブラシを取り替えよう。