身体をリフレッシュさせるヨガの呼吸法「シタリ」とは。
Beauty 2020.09.08
私たちはヨガが身体にもたらす多くの利点について知っているけれど、シンプルな呼吸法がリフレッシュに役立つことを知っている人は意外と多くない。ヨガセラピストでもある医師が、「シタリ」と呼ばれる呼吸法について解説する。
シタリは口の中の唾液分泌を増やすのに役立つ。Photo : iStock
9月に入っても猛暑日が続き、呼吸が辛いと感じている人も多いかもしれない。そんな状況にもぴったりの、身体をクールダウンできるハタヨガの呼吸法シタリを紹介しよう。
自然のエアコンのような働きをする呼吸法。
暑い日には水のシャワーを浴びたり、冷たい飲み物を飲んだりして涼む人も多いが、ヨガ愛好者たちはシタリと呼ばれるプラーナヤマ(深呼吸を行う方法)を行うことで体温を下げる。シタリとは、丸められた舌によって形作られる小さなチューブを通して呼吸する方法だ。イル・ド・フランスにあるルネ・デュポ病院のヨガセラピストでもあるジョセリン・ボレル=クフナー医師は次のように説明する。
「シタリは自然のエアコンのような働きをします。小さなエアチューブは、舌の先端を内側にして、舌を縦または横に回転させることによって作られます。口から呼吸すると、このパイプから空気が入り、唾液分泌が増加します」
シタリを行うとすぐに口の中がリフレッシュされ、潤いが取り戻される。photo : Instagram @sistersayurvedayoga
シタリは熱中症を避けるために理想的な方法だ。「吸い込まれた空気は口に入ると、まず上顎部分に、次に鼻腔と口の奥に触れます。この空気は、身体の温度調節のサーモスタットである脳の中心核を間接的に刺激して冷やします。このエリアはリフレッシュされ、汗をかくことで体温をよりよく調節し、これにより頭痛を防ぐことができます」とボレル=クフナー医師は述べる。
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よりよいストレス・マネジメント。
温度を下げることに加えて、シタリはすべてのヨガの呼吸法のように、ストレスをよりよくマネジメントするのにも役立つ。「このプラーナヤマは、いわゆる“副交感神経”システム(生物の機能を減速させる要因となる)に影響を与え、暑さによって引き起こされるストレスを低下させます」とボレル=クフナー医師は説明する。端的にいえば、心拍数が緩やかになり、身体はエネルギーをセーブすることによって暑さに耐えられるようになるのだ。
どのように実践すればいい?
シタリを効果的に取り入れたいなら、まず自己流で行う前に、ヨガティーチャーまたは経験豊富なヨガプラクティショナー(練習生)とともに7〜10回呼吸を行い、テクニックを学ぶことをおすすめしたい。ボレル=クフナー医師は、「熱波や高温の場合、1日あたり少なくとも5〜10回、1回につき5〜10ほどシタリ呼吸を行いましょう」とコメントしている。
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texte : Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi