100年美容とお金の関係 アンチエイジング療法の現在進行形。

Beauty 2024.02.13

人生100年時代、長生きすれば健康かつキレイを保つ"美容人生"も長くなる、ということ。そのための「美容資産」も必要になってくる。そこで、いまどれだけ美にお金をかけているのか? この先どんなキレイを目指すのか? 自分に本当に必要な美容が何か、をお金から考えます。
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投資価値のある抗老化対策とは?

いつまでも若く健康で美しくありたい──太古から権力者やその妃たちは不老不死を希求してきた。21世紀のいまも最先端美容はとかくお金がかかるもの。投資価値を見極めるにはまず知ることから。アンチエイジング治療を行う辻直樹医師に最新の治療について聞いた。

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辻 直樹
辻クリニック 院長
1965年生まれ。リウマチ医・整形外科医としてアスリートの栄養・運動生理学に携わる一方で、エイジングを追求する総合医療を長年研究。

「いまの主流は、本来戻らない"老化"を若い頃に戻そうとする再生医療的なアプローチより、まずは『正常細胞を増やし、老化細胞を除去して"老化"を遅らせよう』という考え方です。つまり、Reverse Aging(老化を巻き戻す)ではなく、細胞老化=セネッセンス研究に代表されるDelay Aging(老化を遅らせる)。どんな高額な幹細胞治療も、体内が老化細胞だらけでは効き目も半減してしまいます」

老化を「巻き戻す」ことは現代医学では不可能なので、「遅らせる」が正しいアンチエイジング。それに、費用もかからず効果も確実だ。

「細胞老化の約8割は、細胞への過度なストレスが原因。睡眠・栄養・運動の不足、飲酒や紫外線......これらが活性酸素を増やし、そのままにしている生活では細胞老化は進行します。生活習慣の見直しをベースに、水素のサプリなどで日常的に悪玉活性酸素の除去を。老化を遅らせるには、早い年齢から始めること、そして地道に続けるしかないと心得ましょう」

そのうえで、長寿遺伝子の活性などにいいNMNや、再生に関わる幹細胞治療など、最新のメソッドを取り入れるのが得策!

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辻クリニック
東京都千代田区麹町6-6-1 長尾ビル8F
tel:03-3221-2551
診)10:00~19:00
休)土、日、祝
https://tsuji-c.jp

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NMN

抗老化成分として注目度が高いNMN、その極意を知る。

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「上図のようにさまざまな生体活動に関与しているNAD+ですが、加齢とともに減少するためNAD+の前駆体であるNMNをサプリ等で補完することは健康と美のために有効です。ただし高額なNMNを摂取する前に、まずは体内でのNAD+の消耗を減らすことが重要です。炎症抑制やDNA修復などに消耗していると、せっかくNMNを摂ってもアンチエイジングに関わるサーチュイン遺伝子の活性まで回らないことも。抗酸化力のある水素やグルタチオン(点滴やサプリ)で、NAD+の消耗を防ぐことが先です。またサーチュイン遺伝子の回復は、朝食を抜く16時間ファスティングや運動でスイッチが入るので、並行して行うといいでしょう。ちなみに、NAD+は本来ビタミンB3から作られる代謝産物。豚肉を積極的に食べ、安価に入手できるビタミンB3(ナイアシンアミド)が含まれるビタミンBサプリでまず様子を見るのがおすすめ。変化を感じなければNMNを検討して」

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リポソーム化することで吸収効率をアップ。パウダータイプだから必要量を好みで調節できるのも利点。NMNリポソーム ¥38,500

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悪玉の活性酸素だけを除去するカプセル状の水素サプリ。疲れを感じにくい身体に。サブスタンス H₂ 30粒入り ¥10,120/ともに辻クリニック

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幹細胞

細胞から元気になる!? 肌再生のサポーター。

かつて数百万円から数千万円と非常に高額な"全身若返り治療"として話題になった幹細胞治療。

「再生医療法の改正により、他人の幹細胞を使った幹細胞移植をアンチエイジング目的で行うことは現在禁止されています。近年の幹細胞治療は、自身の脂肪幹細胞を抽出・培養して移植するもの。ただ老化した自分の細胞由来では効果が限定的ともいえるので、個人的にはあまりおすすめしません」。

最近エステやコスメでよく耳にする幹細胞培養上清液は、歯髄や脂肪、臍帯などの幹細胞を採取・培養した培養液から抽出した"上澄み液"。幹細胞そのものはもちろん含まれず、成長因子などが豊富。ただ、元の幹細胞や培養・抽出方法によって質はまちまちとも。よく情報を見極めてお試しを。

良質な幹細胞培養上清液をエステで導入。

テムセル&コー銀座

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幹細胞培養上清液の100%原液をエレクトロポレーション機器で導入するエステ施術を行う専門サロン。使用するのは100%国内製造でトレーサビリティのある幹細胞上清液のみ。臍帯と胎盤を繋ぐ中継点からしか採れない稀少な「ヒトCPJ由来」と、「ヒト臍帯由来」の2種から選べる。1度でハリや内側からの潤いを感じる人が多いそう。頭皮やボディ、オプションでまつ毛や唇への導入メニューもある。

東京都中央区銀座7-14-15 SKビル6F
tel:070-1395-1188
営)10:00~20:00最終受付
不定休
https://stemcellandcoginza.jp
●フェイシャル45分¥16,500〜

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美容医療

身近になったクリニック、受けるべき施術とは?

ボーテスターのひとり、フィガロジャポンの美のかかりつけ医、貴子先生におたずね。

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貴子
松倉クリニック代官山 院長
美容皮膚科医。豊富な知識と確かな技術、化粧品への深い愛情を持ち、専門知識をわかりやすく伝える。美容業界にもファンが多い。

「『SNSで話題だから』『友だちがやっているから』と、若くしてハイフや水光注射などに無暗に飛びつくケースが増えています。個人差はありますが、皮下組織のゆるみにアプローチする超音波治療ハイフは、30代半ばから40代以降に検討すれば十分。30代なら3カ月に1回のIPL(フォトフェイシャル)を。医師処方のトレチノイン(月2万円程度)も加えれば、シミや小じわ、ニキビ跡、肝斑など総合的にケアができ美肌の底上げになるのでおすすめ。年齢と肌状態、負担のない金額とのバランスで必要な美容医療を行うのが賢明です」。

美容医療を始める場合に、おすすめの施術を年代別にまとめたので目安に。

「若い時から保湿と紫外線対策をしていれば、美容医療はそれほどかかりません。年齢が出やすい首は、特に意識してケアを」

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30代で整形したら......?

外科手術が増えつつある昨今、将来どうなる?
「30代で美容整形をすると、加齢とともに皮下組織が変わりパーツも下がってくるので、部位によっては50代以降に再手術の可能性が。特に目元や輪郭は変化が大きいため、数年おきにやりたくなる場合も」。

大がかりな整形をするなら、一生メンテナンスをし続ける気力と財力、覚悟が必要!

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松倉クリニック代官山
東京都渋谷区猿楽町16-15
T-SITE GARDEN5号棟2F
tel:03-3770-7900
診)10:00~19:00
休)水、日、お盆、年末年始
www.matsukura-daikanyama.tokyo

*「フィガロジャポン」2023年12月号より抜粋

text: Naho Sasaki

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