更年期のホルモン療法、知っておきたいメリット、デメリットは?
Beauty 2025.01.12
女性ホルモン分泌の減少で変化を感じる40代の一方で、不安を覚える20代、30代も多いという「更年期」。何が起きるのか、それにどう対応すればいいのか、知識と情報をアップデート! 専門家に、気になるお悩みを聞いてみよう。
Q. ホルモン療法のメリット、デメリットは?
関口由紀(女性泌尿器科専門医):更年期以降は女性ホルモンが1/10程度に減少し、腟や外陰部の乾燥、痛み、痒み、頻尿や尿モレの要因でもあるので、局所の女性ホルモン補充療法(HRT)でフェムゾーンの不快感は緩和されます。また閉経後に起こりやすい骨や筋肉のトラブル、動脈硬化など血管系疾患、心の落ち込みは全身のHRTでリスクを低減できるはず。意外に知られていませんがフェムゾーンには男性ホルモンのレセプターが多く存在。やる気が出ない、性的意欲が減退した人には、男性ホルモン配合オイルを太ももに塗る治療も。
福山千代子(産婦人科専門医):女性ホルモンの補充療法を"すべて解決する若返りの薬"と思っている人も多いようですが、それは大きな勘違い。更年期に補充されるエストロゲンの量は、婦人科系ガンのリスクを避けるために、ピルの1/8程度。血栓のリスクも高まるので、都度検査が必要に。不調や不快な症状がなければ補充の必要はない、と考えます。
低濃度の性ホルモンを外陰部や顔に。Eはエストラジオール、Tはテストステロンに、植物成分で保湿、抗菌も。
福山千代子
MET BEAUTY CLINIC 院長
日本産科婦人科学会 産婦人科専門医。20年以上、さまざまな世代の女性の悩みに真摯に向き合う。最新機器を導入するなど、更年期障害の治療も積極的に行う。2021年より現職。
メットビューティクリニック
東京都港区南青山5-11-9 レキシントン青山2F
0120-776-123(フリーダイヤル)
診)10:00~19:00
休)水、木、土(婦人科)
www.met-beautyclinic.jp
関口由紀
女性医療クリニックLUNAグループ 理事長
女性泌尿器科専門医。医学博士。日本性機能学会認定専門医。2005年に現クリニックを開設。中高年女性の総合的なヘルスケアを提唱し、骨盤底筋トレの重要性を説くスペシャリスト。
女性医療クリニックLUNA横浜元町
神奈川県横浜市中区元町1-32
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休)祝
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*「フィガロジャポン」2024年8月号より抜粋
text: Eri Kataoka