暑くて寝苦しい、身体に熱がこもる......夏を過ごしやすくするための3つのポイントは?【アーユルヴェーダお悩み相談室 Vol.4】
Beauty 2025.08.13
年々、過酷になる夏の暑さ。身体にもダメージが蓄積してきた頃では? 夏バテ気味の心身をケアして健やかに過ごすために、この時期に心がけておきたい3つのポイントをアーユルヴェーダ専門家のMOTOKOさんが教えてくれました。瞑想やヨガの学びを深めるメイクアップアーティストMichiruさんと、おすすめのアイテムも交えながらお届けします。
illustration: shutterstock
夏バテ対策は「冷やさない」が大切!
MOTOKO
ミチルさん、夏の体調はどんな感じですか?
Michiru
暑さは苦手だけど、屋内では冷房がガンガン効いてますよね。それがこたえるので、長袖を着て出かけたり、温度に対応できるようには心がけています。体力は意外とあるので、夏バテは感じない!
MOTOKO
ミチルさんは夏の過ごし方のキモになるところを徹底できているんでしょうね。今日はみなさんに夏の体調キープ法を3つお伝えしようと思っているんですが、そのひとつが「冷やさない」こと。暑いのに冷やしてはいけないの?と思うかもしれないけれど、身体の内外を冷やさないことで夏バテしにくくなる効果があるんです。外出時は、冷房を想定して「いちばん寒い場所」に合わせた服装で出かけるのが正解です。
Michiru
外の気温を基準にすると、必ず屋内で身体が冷えますもんね。長袖は難しいとしても、必ずストールを持ち歩いて寒かったら羽織るとか。あとは冷たいものを飲まない。夏でも常温!
MOTOKO
それも大切。胃腸を温めておくと、身体が軽くなって夏が案外過ごしやすいんですよ。みなさんはアイスクリームやかき氷を食べた後に「身体が重い」と感じたことはありませんか? 口に入れた瞬間はひんやりして「おいしい!」と思うんだけど、その後、胃腸が冷えるとドンと重くなる。
Michiru
確かに。冷たいものを食べすぎないほうが、夏は過ごしやすくなりますね。
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身体の熱を冷ます方法は?
MOTOKO
2つ目にお伝えしたいのは、身体の中にこもった熱の冷まし方。夏から秋は「ピッタ」という火のエネルギーが上がりやすくなるので、どうしても熱がこもる傾向にあります。たとえば、真夏に屋外でバーベキューをしたり、海で直射日光を浴びすぎた後などに頭痛を感じやすくありませんか?
Michiru
熱中症かも、と感じるような時ですよね。
MOTOKO
ピッタが上がって、身体の中に熱がこもりすぎているんですよ。こういう時、胃腸を労ろうと白湯や温かいスープを飲むのはNGで、余計に悪化させてしまうことに。ピッタが上がっている時は、瓜系の野菜を積極的にとることをおすすめします。
Michiru
瓜というと、スイカとか?
MOTOKO
はい。ほかにもキュウリ、ズッキーニなど、瓜は身体の芯の熱を冷まします。水分補給もできますしね。ただし冷却作用がすごいので、食べ過ぎには注意して。身体の外側から冷やすには、前回もお話したローズウォーターや、アロエベラなんかもおすすめです。
Michiru
ローズやアロエベラは肌にもうれしい効果があるので、この時期は積極的に使いたいですね。
ばら作家の國枝啓司が育てたダマスクローズの花びらの粉をスクワランオイルに漬け込んだ保湿オイルパック。生チョコレートのような質感で肌をいたわる。ワバラ ペタルクレイパック 30g ¥6,270/ローズファームケイジ
デイクリームとして、日常の生活紫外線や乾燥ダメージから肌をプロテクト。しっとりするのにベタつかない使用感や、ほのかに香るクロモジとラベンダーの香りが心地よい。アロエのチカラ デイプロテクトクリーム 20ml ¥4,235/オーガニックスタイルジャパン
Michiru
ピッタが上がると、ほかにどんな影響がありますか?
MOTOKO
ピッタが慢性的に上がると身体に炎症が起きるんです。そこに夏の疲れで免疫力が落ちてしまうと、口内炎、口唇ヘルペス、ものもらいなどになりやすい。皮膚が弱い人は湿疹ができたり。そんな時にもアロエベラはいいですし、100%のジュースを内服すると肝臓の浄化、血液の浄化にも繋がって、ピッタを鎮静してくれます。
Michiru
アロエベラを飲むとお腹の調子も良くなる感じがします。冷たいものを飲んで胃腸の調子が低下したり、食欲がなくなる時のケアにもなっている。
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睡眠を制する者は、夏を制す!
MOTOKO
夏に食欲が落ちるのって、冷たいものをとりすぎて、消化機能が低下したり胃酸の分泌が乱れて不調を感じるタイプと、単純に暑さで食欲がわかないというタイプがいると思うんです。アロエベラは前者に有効。そして後者には、睡眠がいちばんなんです。今日お伝えしたかったことの3つ目が、まさにこの「睡眠」! 体力や消化力を回復させるには睡眠がいちばんです。アーユルヴェーダでは基本、昼寝は推奨しないんですが、真夏だけは「疲労している人は昼寝しなさい」と書かれているくらい。夏の夜、寝苦しくて眠りが浅い人は、夜ご飯で「しょっぱいもの」「酸っぱいもの」「辛いもの」を避けてみてください。
Michiru
しょっぱいもの、酸っぱいもの、辛いもの。夏になると食べたくなる味ですね。
MOTOKO
それらはつまり、ピッタを上げるものなんですよ。身体の中がほてって睡眠の質を下げてしまう。深い眠りに入れないから、疲労もとれません。発酵品であるお酒も「酸味」として考えられるので、寝る前にとるのはおすすめしません。
Michiru
そうなんだ。ほかに寝付きをよくするための対策ってありますか?
MOTOKO
ここまでピッタの話ばかりしてきましたけど、夏は風のエネルギーである「ヴァータ」も増えるんです。気分もふわふわするし、身体もちょっと落ち着きがなくなる。でも眠る時って重くなるエネルギーが必要だから、アーユルヴェーダではナツメグを少し加えたホットミルクをおすすめしています。粉末のナツメグって、入眠作用があるんですよ。牛乳はA2ミルクと呼ばれる、ノンホモ製法のものを選びましょう。
Michiru
牛乳が苦手な場合は、豆乳やお湯などにナツメグを溶かしたものでもいいの?
MOTOKO
その場合は、豆乳ではなくお湯がいいですね。あとは、ハーブティーではブラフミーも身体を鎮静して熟睡に導く働きを持っているので、寝る前に飲むのがおすすめです。
Michiru
私はアーユルヴェーダのドクターの診断で睡眠の質アップや疲労回復、ストレスケアにアシュワガンダをすすめられました。夏バテ気味の時にもよさそう。
インドの乾燥地帯に生育するナス科の植物、アシュワガンダ。滋養強壮効果が高く、若返りのハーブとも呼ばれる。オーガニック アシュワガンダ粉 100g ¥1,790/いっちゃ
MOTOKO
あとは年間通して私が実践していることですが、寝る1時間前にはスマホから遠ざかり、照明も落として寝る準備を始めます。室温は27℃くらいにキープして長袖と長ズボンで眠る。
Michiru
私も寝る時は長袖と長ズボンです。夏はパジャマも寝具もリネン素材にして。涼しいので、朝起きた時もサラサラで快適。
MOTOKOさんが愛用しているのは、腹巻きとレッグウォーマーを兼ねたようなオーガニックコットンのパジャマパンツ。「足首部分がめくれず、冷えないのが◎」リリー腹巻きレッグWパンツ ナチュラル ¥14,300/ナナデェコール
Michiruさんのおすすめ、リネンのガーゼケット。5枚分の糸を一気に立体的に織り上げる高度な織り方で仕上げられ、通気性と適度な保温性が保たれる。「寝室は冷房をつけず、サーキュレーターのみで寝ていますが、リネンのおかげで朝まで快適」リネン五重ガーゼケット シングル ¥16,500/金澤屋
MOTOKO
今日お伝えした3つの点を注意すると、汗の質が変わるんですよね。そもそもベタつかなくなるから、夏の不快指数が下がる。
Michiru
あとは、お風呂の入り方も重要じゃないですか? 私は高濃度のエプソムソルトを湯船に入れて、しっかり温まった後、お風呂から出る時に身体に冷水をさっと浴びて、熱をリセットする。こうすると途中覚醒せず深く眠れるし、寝苦しくならないんですね。
MOTOKO
睡眠、本当に大事ですよね。それでも眠れなくて疲れがとれず衰弱を感じる場合は、肉の出汁がきいたスープを飲むといいです。豚汁とかでも。さっき言ったように、あまり塩気を強くしないよう注意ですけど。
Michiru
参鶏湯なんかもよさそう。
MOTOKO
クコの実とかも入っていて、いいですよね。肉を食べるということよりも、消化力が落ちているから、スープから栄養をとる。ベジタリアンの人は、野菜だけで具だくさんの味噌汁を作って、そこに少しギーを入れるといいです。まだまだ暑さは続きそうなので、ぜひ今日お伝えした3つのポイントを心がけながら過ごしてみてくださいね。

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アーユルヴェーダ専門家
アーユルヴェーダをはじめとする東洋医学や哲学に精通。クリニックでのアーユルヴェーダセラピスト勤務を経て、アーユルヴェーダ施術のサロン導入や、講師やセラピストの育成、サロン経営などを手がけてきた。アーユルヴェーダの知識をわかりやすく発信するインスタグラムも人気。
Instagram:@motokoveda
Michiru
メイクアップアーティスト/ビューティディレクター
渡仏・渡米を経て、ファッション誌や広告、女優などのメイクを手がけ、化粧品の開発などにも携わる。フィガロジャポンのボーテスターとしても活躍し、セルフイメージを変えるメイクレッスンや、インナービューティを体現するライフスタイルも注目の的。ヨガ、瞑想への造詣も深く、RYT300を学び中。
http://make-michiru.com
Instagram:@barbiemichiru
いっちゃ
icchanatural@gmail.com
https://icchastore.myshopify.com/
オーガニックスタイルジャパン
info@organicstyle.co.jp
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金澤屋
shop@kanazawaya.ne.jp
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ナナデェコール
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ローズファームケイジ
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