パリ街歩き、おいしい寄り道。

夏のYSL美術館と、カレットのクープ2019。

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昨年の8月半ば、パリに最もゆるやかな空気が漂う、バカンスのピークともいえる週にイヴ・サンローラン美術館へ行った。
空いているだろうとは思ったけれど、想像以上で、思うように観ることができた。
それで、今年もまた8月のひと気のない時期に行きたいなぁと数カ月前から楽しみにしていた。
レストランはどこもお休みだけれど、トロカデロ広場のサロン・ド・テ「カレット」は開いている。
毎年必ず食べているクープ・トロカデロ(赤い実のフルーツがのったパフェ)を、今年はまだ食べていなかったから、これまた去年とまったく同じコースで、寄り道することにした。
YSL美術館は金曜の夜が遅くまで開いていて、21時が閉館時間。
夕方、仕事がひと段落したところで、おやつを食べてから行くことにした。
クープ・トロカデロ。安定のおいしさ。
このね、刺さっている芳ばしいパイの存在感が、大きいです。


アルマ・マルソー方面に向かってのんびりと坂を下り、YSL美術館へ。
予想外なことに、並んでいた。
夏の間だけ(8月30日まで)金曜の17時以降は、入場料が通常10ユーロのところ7ユーロになる、とサイトにあったからだろうか。
とはいえ、15分ほどで中に入ることができた。
そこそこ混んではいたけれど、観にくいことはなく、じっくりと観て回る。
最上階のアトリエに入って、あれ?棚にしまわれている布が前と違う気がするなぁ……と思った。
机の上を見ると、やっぱり違う。
係員の人に聞いてみたら、実際に使われていた時は、コレクションごとに布も、クロッキーの内容も当然変わっていたわけで、だから展示のテーマに合わせて、このアトリエも模様替えしているんですよ。と。
な〜るほ〜どな〜。
ドレスやアクセサリーもそれは魅力的だけれど、アトリエの棚や机の上の小物が変わるのは、何度でも見たい。
少し時間をおいて、また、訪れよう。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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