栗山愛以の勝手にファッション談義。

クローゼットの大掃除改め、2018年モード振り返り。

大掃除をせねばならない。

そう決意して洋服がてんこ盛りになっているクローゼットをぼんやり眺めていると、今年(2018年に)買ったものを振り返れば自分の関心がどうだったかわかるのでは、と急に思いついた。ミーハーゆえ、それでモードの動向もついでにおさらいできるかも。
そこで今回は、掃除を急遽中断して、その中から厳選した3点をお届けしたい。

まずはメゾン マルジェラのスカーフが付いたシューズ。
タビシューズと同じ円柱ヒールの非常に歩きやすいサンダルのストラップがスカーフになっている。スカーフをパンツの上から巻いたりなんかしてもすてきだ。

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2018-19年秋冬は、空前の(と言うほどではないかもしれないが……)スカーフブームだった。
派手なスカーフ柄の洋服は持っていたが、スカーフ自体はほぼ使わないタイプ。しかし、9月「フーディスタイルを検証する。」で書いたように、こんな私でさえも頭や首に巻きたい衝動にかられたのだった。そこでスカーフはもちろん、このシューズのようなスカーフ関連アイテムも喜び勇んで購入(あとはスカーフが付いているピアスなど)。スカーフはエレガンス界隈(?)では定番アイテムで、ただ私がそこに手を出していなかっただけ。ずっと使えるものだからいくらあっても良いでしょう!

ところで、2018年のモード新人賞は、何と言ってもマリーン セルである。
昨年から注目を集めてはいたが、2月に行なわれた2018-19年秋冬初のランウェイショー開催でブレイクした、と言っていいのではないだろうか。このブログでも、今年けっこうイラストを描いた気がし、そしていくつか商品を買っている。その中でご紹介したいのはこちら。

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ホリデーコレクションとして11月に発売されたコム デ ギャルソンとのコラボアイテムです。
前身頃がヴィンテージのTシャツになっており、マリーン セルらしいアップサイクル のアイデアが生かされている。袖と後ろ身頃はマリーン セルのアイコン、ムーンプリントが施されたコム デ ギャルソンの定番シャツ。いやこれ、どっちのブランドも好きだし、双方のアイコンが合体しているなんて、買っとくしかないでしょう。Tシャツ部分がひとつひとつ異なるので悩みに悩んだが、「Point Of Grace」という女性ボーカルグループのプリントにしてみた。アメリカの海外ドラマ?と思ってしまうくらいの90年代的ヴィジュアルが両ブランドにはない感じで特別な気がしたのでした。

そして最後はフィービー・ファイロが最後に手がけたセリーヌ2018年プレフォールのパンツである。

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ストリートブランドが牽引する昨今のロゴブームを意識してはいたのだろうが、なんだろうか、エレガントなパンツにロゴ入りウエストゴムを組み合わせる感じ。トラックパンツ的であるような、ないような。ロゴものでも決してがちゃがちゃ、うるさい感じでなく、品格がある。こういうフィービーさんのバランス感覚に老若男女、多様な人々が吸い寄せられていったのだろうなあ。ロゴ入りトートバッグも買ってしまったのだが、こちらは異様にロゴを大きくプリントしてスマートに見せてしまうというこれまたマジックが起きている。近頃フィービー風味のブランドをよく見かけるようになったが、フィービーが手がけていたセリーヌは彼らとは違ってただエレガントでシックなだけではない。私みたいなタイプもいいなあ、と思ってしまうようなパンチ力やエッジーさも持ち合わせていたからこそ唯一無二だったのでは。「フィービーロス」がモード界の流行語となっているが、またどこかでデザインしてくれるといいですねえ。

というわけですっかり手が止まっている。
収納しきれないないくらい持っているのに、また来年も心ときめくものが出てきて買っちゃうんでしょう……
なんとか年内に整理整頓し終えたいものです……

栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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