
夏野菜にスタメンの芳賀龍一さんのうつわ。
これは芳賀龍一さんの浅鉢。我が家では枝豆の季節に特にスタメン。
芳賀さんは、栃木県の焼物産地・益子で活動、おもに自分で掘ってきた土(原土)を使い、土の特徴にあわせて作るものを決めていく。原土は、使う人が好みに応じて精製できるため、土本来の素朴な手触りや荒々しさを残しやすい。ここからは私の想像&イメージだけれど、この土が愛おしすぎたがゆえに、ざっくりかたちを与えたくらいのシンプルな状態で(実際の行程はもっと緻密なはず)薪窯に入れたからだろうか、うつわのふちが一部裂けている。その破壊的な力強さとクールなアイスブルーのコントラストがたまらない。
表面にポツポツと見える黒いドットは、土の中の鉄分が表面に現れたものだけれど、私には、チョコミントアイスか、はたまたダルメシアン柄か、最高にモードに見える。ワイルドに波打つ全体のフォルム、「ふちに亀裂入ってるやん!」というワイルドさ、すべてに一目惚れして即決したときの高揚感が、使うたびによみがえるうつわだ。
芳賀さんは「土と釉薬について極限を追究した実験の途中にできたものです〜」とでもいうような「最高の未完成」の作品と、茶碗やぐい呑みのようなうつわ然としたもののどちらも手がける。実験と実践をいったりきたりする過程としてのうつわは、見どころが多く飽きることがありません。
[ある日のうつわ]
夏の始まりに、まずは枝豆とビール。どっしり安定感があるのでベランダ飲みに使うのも安心。
パンチのあるアボカドとマッシュルームと葉野菜のサラダが生えるアイスブルー。
ゴツゴツした土の表情とひび割れがクールでかっこいい。
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