満腹、満腹。バスクでバル巡って、ミケ愛でて。

旅先の　坂の途中で　出合いしは　むささびじゃなく　ミケ猫のきみ

無理やり季語に「むささび」を入れてみたら、やっぱりなんか無理やり感のある句が出来上がりました。どうも、こんにちは。

さて、いきなりですが、すばらしくカモフラージュされたこの子、どこの子か、わかります？

ここです。ここ。

正解は、スペインはバスク地方の街、サンセバスチャン！　念願叶ってこの冬、話題のバスクに行ってきました。

ちょうど、バスク行きを決めたあたりに始まった、MIKIさんのバスク旅ブログ。めちゃくちゃ参考にさせていただきました。ということで、ご紹介するお店も少しかぶりますが、私的、おいしかったもの、楽しかったこと、ちょっとした失敗談も、書いてみました。お読みいただければ幸いです。

バスク随一のグルメタウン、サンセバスチャン（Donostia）までは、プロヴァンスからだと、車で片道約6〜7時間。でも、行きはのんびり、トゥールーズで一泊して催涙ガスに巻き込まれ（前回のブログご参照ください）、翌日サンセバスチャン入りです。

スペインの晩御飯にはまだまだ早い、17時ごろ。サンセバスチャンに到着した我々は、はやる気持ちを抑えきれず、バルの様子を見に旧市街へ。20時開店の店も多いので、開いているところで1杯ずつ飲みながら、渡り歩く作戦に出ることに。
この日は、12月23日の日曜日。日曜日だし、クリスマス前だし、開いてるバルはあるかしらと心配していましたが、9割がた営業していましたよ。

記念すべき一軒目は、人気店Gandarias。店を入ってすぐ、目の前に広がるカウンターには、夢にまで見たピンチョスの山！　迷いもなくウニグラタンをひとついただき、壁のメニューに書かれていた、エビとホタテのグリルもオーダー。

おいしくない、わけが、ない。

飲み物も、まずは教科書どおり私は「チャコリ。」一方、夫は「白ワイン。」
これを見ていた常連のおじさん、夫に向かって親指で「グー」してにっこり。チャコリには苦いお顔。もしや、現地の人はあまりチャコリを飲まないのか……なんだかいきなり予想外の展開です。

「自分はバスク生まれだ」と胸を張って言うおじさん、楽しそうに店員さんと話しながら、我々観光客にあれやこれや説明してくれます。他のバルにもこうした、陽気な常連おじさんがカウンターに一人はいて、みんなバスクの自慢話をしてくれます。誇り高きバスクのおっちゃんおじいちゃん。

こうして一軒目は、大満足で終了。次は、明るく入りやすい空気に吸い込まれ、Casa Vergaraへ。椅子に座って足を休ませつつ、口と胃は引き続き働かせ続けます。もぐ、もぐ、……もぐもぐもぐ。

続きまして三軒目。Baztánです。ここでいただいたエビとイカの串焼きが、私の中でのサンセバスチャングルメ、堂々のナンバーワン！　あまりの美味しさに、翌日も行ってみたものの、あいにくお休みでした。この時もっと食べとけばよかった！

ここまで、ちまちまとつまんでいたつもりでしたが、ピンチョスの土台になっているパンがけっこう重くて、四軒目、Tamborilを出る時にはもう満腹。
海沿いの道を30分ウォーキングしてから、締めにLa Viñaのチーズケーキをいただき、バル5軒で1日目は終了。各バルのお代平均金額は、2人で15ユーロくらい（飲み物2杯と、ピンチョス4〜5個）でした。

翌日。朝ごはんにまたピンチョスをもりもり食べてから、前日蓄えた分のカロリーを消費せねばと、モンテ・ウルグル（Monte Urgull）へ。せっせせっせと丘を登ると、頂上からは旧市街と、その両脇に広がるビーチを一望できます。
最初にご紹介した片耳の三毛ちゃんは、この道すがら出会った子。

さらに、サンセバスチャンの楽しみは、バルだけではありません。ここのビーチはサーファーの聖地。特に冬は、波がいいんだとか。（夫のウケウリです。）

現地の店（Indie Basque Surfing）でサーフボードとウェットスーツを借り、うきうきと真冬の海に波乗りに出かけた人を、私は浜辺で2時間ほど見物。寒い。

夜は再びバルへ繰り出し（12月24日は半分くらいの店がお休みでした）、サンセバスチャンの滞在、おしまい。

サンセバスチャンのバル巡り、あえて小さな後悔を語るとすれば、手当たり次第に目についたものを食べてしまい、各バルの「スペシャリテ」にたどり着けなかったこと。帰ってきてからいろんな情報を目にして「これ食べ忘れた！」「あれ、こんなのあった？！」……ああ、無念。これから行かれる方、ぜひ下調べをしてからお出かけください。（下調べしていたのに、目の前のピンチョスに誘惑され、お腹を満たしてしまった私たち……まあ、それはそれで楽しかったからヨシですが。）

最後に、サーファーと犬の楽園、ズリオラビーチからアクロバティック犬をお届けして、それでは、また〜！