デコラトリスによる洗練探しの旅

リモージュ旅「ベルナルド財団」コレクション見学へ

デコラトリスの多賀谷洋子です。

何度かお書きしているリモージュ旅の続きです。

よろしければ、是非バックナンバーも!

https://madamefigaro.jp/blog/yoko-tagaya/post-206.html

https://madamefigaro.jp/blog/yoko-tagaya/post-207.html

 

さて、リモージュは、三大巡礼地のひとつである、スペインのサンティアゴへ向かう経路であったこともあり、街並みが落ち着いていてとてもシック。

こちらは市庁舎。中世には巡礼者たちの立ち寄り地として繁栄し、その後は磁器で財を成した地なのだと思い知らされる、優雅で贅沢な雰囲気の建物です。

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広場の噴水台までもがリモージュ磁器だと聞いていたので、下から覗きこみます。さすが、圧巻のダイナミックさ。迫力です!

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リモージュはエマイユ、七宝焼きの産地でもあり、これを多数保有する博物館鑑賞もマストであり、予定より時間を多く割いてしまい、他はゆっくり見学できなっかったのが少し心残り。

それでも、パリのような喧騒はなく、人は素朴でおおらかで、地方都市ならではのゆったりとした平和な空気が流れています。

あと数日間、気ままに磁器巡りをしても楽しいに違いないと、再訪を願わずにいられませんでした。

さて、ベルナルド本社工場見学の最後は、一般公開している「ベルナルド財団」の展示へ。

「ノブレス・オブリージュ」ベルナルドの社会貢献の一部です。

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こちらでは、歴代のコレクションの他、ハイブランドからの受注生産品、アーティストとのコラボ等が一堂に会していて、磁器アートのコンテンポラリーミュージアムのような空間。

まずは、インテリア様式に沿った歴代コレクション 。

それぞれにすべてストーリーがあり、フランスの文化史など時代背景を紐解きながらのパノラマティックな展示です。

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ベルナルドの歴史=フランス食卓芸術の歴史でもあるため、さながら「アール・ドゥ・ラ・ターブル変遷」ようなこの展示を、食い入るように鑑賞。

ルイ16世様式、ネオクラシックからスタート。

オリジナルはルーブル美術館とヴェルサイユ宮殿にあるためご覧になった方も多いかと思いますが、アントワネットが愛したパールと矢車菊がモチーフになっている可憐なシリーズです。

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ナポレオン一世のアンピール様式は、カップ内部にまでも金彩が贅沢に施されていて、権力を象徴するかのような煌びやかさ。

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1925と1937年パリ万博 簡素ですっきりとした雰囲気はアールデコのスタイル。

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50年代 ニュールックはBBのためにデザインされたもの。ペスクタリアンだったため、魚がモチーフです。

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別のコーナーでは、名だたるシェフや、ホテル、レストランはもちろん、ハイランドから受注品など世界のラグジュアリーを凝縮したような圧巻の世界が広がります。

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こちらは、日本でも話題になったゲランの最高峰ライン「オーキデ アンぺリアル ブラック」クリーム

私もPRに少し関わらせて頂いたこともあり、中身を使い終わった今も、シックなこの容器を大切にコレクションしている愛着のあるお品です。

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そして毎年夏に入れ替えられるという 新進気鋭のアーティスト作品。

今季テーマは「esprit libres」タイトル通り、いづれも発想がユニークで自由。磁器の無限な可能性を追求しています。

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有名絵画をデフォルメしたものは、ユニークでありながらも計り知れないほど緻密で精巧。

「ヴィーナスの誕生」

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「オフィーリア」は、一体どれほどの工程を経ているのでしょう。

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テキスタイルなど異素材との組み合わせたシュールな作品も。

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日本の陶芸家澤田真一氏の作品も。

361617721_6538469946212916_3229507628098407140_n.jpgこれら企画展の一部は、ロンドンのVA、NYのガーディナー、台北の鶯歌など陶磁器コレクションに定評のある海外美術館でも展示されてきているとのことですので、日本に来るのもそう遠い話ではないかもしれませんね!

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ベルナルドの食器は、公私共にたくさん使っていますが、改めてその世界観を様々な角度、観点からじっくりと知ることができ充実の時間となりました。

老舗の革新こそが、今の時代に求められるものであると個人的に思っているので、イノベーティブとトラディショナル、相反するものを幾重にも交差させ製品つくりに反映しているベルナルドスピリットを知り、さらに愛着も。

微力ながらも、仕事を通してもその魅力をお伝えできるよう努めたいと真摯に思います。又季節の変わる頃に是非再訪できたら!

皆様、温かいおもてなしをありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

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そして、すっかり日が落ちてきて、今夜のホテルに送っていただきます。

ランチに伺ったレストランのオーナー一族が経営し、空間装飾は全てベルナルドが使われているという、ルレ・エ・シャトーの瀟洒なるホテル。

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続きはまたの機会に、ご期待ください!

 

 

☆ベルナルド https://www.bernardaud.com/

多賀谷洋子

食空間デコレーター。雑誌編集、外資系客室乗務員を経て、テーブルコーディネーターに。ブライダルやパーティ、商業施設から個人宅まで幅広くインテリアデコレーション手がける。雑誌やレシピ本のスタイリングでも活躍。パリスタイル主宰、フランスチーズ鑑評騎士の会 チーズシュヴァリエの顔も持つ。著書「美しくなるチーズレシピ:“チーズは太らない!”ダイエットも、アンチエイジングもチーズにおまかせ!」が話題。

http://paristyle.jp/

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