95歳のエリザベス女王、「退位はしない」と語る理由とは?

Culture 2021.11.18

数年前から流れる、退位の噂。だが、健康上の不安もあり、チャールズ皇太子に任せる公務を増やしてはいても、95歳の女王陛下に退位するつもりはなさそうだ。

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ロンドンのオールドヴィック・シアターのガラに出席したエリザベス女王とフィリップ王配。(1953年)photo: Getty Images

「アルツハイマー症か脳卒中でも起こさない限り」退位はしない、と数年前、女王はいとこのマーガレット・ローデスに打ち明けたという。とはいえ、このところ、英国国民にとって、心配が続いている。エリザベス女王は11月14日日曜日のリメンブランス・サンデーのセレモニーを欠席した。その二日後には、51年間の在位期間で初めて、英国国教会の総会議も欠席した。この会議では息子のエドワード王子が代理を務めた。

女王は、胸を突くようなメッセージを込めた公式声明を発表した。
フィリップ殿下とともに初めてのジェネラルシノッドに出席してから50年もの歳月が流れたとは信じられない思いです。時の流れを遅くすることは誰にもできません」

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「彼女は最後までやり抜くだろう」

最近いくつものイベントへの出席をキャンセルし、息子のチャールズ皇太子に託す公務の数が増えているとはいえ、女王は英国君主の座を譲り渡すつもりはないようだ。女王は数年前、カンタベリー大主教だったジョージ・ケアリーに、「私は最後まで続けるつもり」と打ち明けている。「いずれにせよ、親戚でもあるオランダのユリアナ女王やその娘のベアトリクス女王のように、王冠とアーミンのマントを返上することはできないのです」と、王室に詳しいジャーナリストのステファン・ベルヌは、2014年、マダム・フィガロ誌に書いている。「1947年、まだ王太女だった彼女は、南アフリカに出発する前、『母国と英国連邦のために生涯を捧げる』と誓っています」

6年後の戴冠の日、彼女はこの誓いを新たにし、その後も何度も繰り返してきた。「1977年のシルバー・ジュビリー、2002年のゴールデン・ジュビリー、そして2012年のダイヤモンド・ジュビリーと、戴冠記念のジュビリーのたびに、彼女は英国国民と間に結んだ不文律を更新してきました」とベルヌは続ける。「退位という概念自体が、英国の君主制度の尊厳と維新を危うくするといえるでしょう」

とはいえ、女王が高齢のために王室の権限を十分に発揮できないとしたら、一体どうなるのだろう? とベルヌは問いかける。

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公務の分担

「君主の能力が失われた場合については文章の規定があり、すでに1811年、ジョージ3世の狂乱の際に、プリンス・オブ・ウェールズ(後のジョージ4世)が摂政を務めたことがあります。今のところロンドンでは、摂政の話ではなく、公務の分担という話しか出ていません」

女王の生前にチャールズ皇太子が引き継ぐ可能性はないということだ。女王は今も多くの権限を保持している。

「チャールズ皇太子が、女王の名において就任式や外国への公式訪問を行なっていますが、法的文書にサインする権限、首相を任命し、意見を求められ、警告し、助言する権利を持つのは女王だけです」とベルヌは強調する。

チャールズ皇太子にとってはちょうどいい立場だ。「チャールズ皇太子は、玉位への階段の下に控え、行動も発言も自由にできるのは幸せだと常に言っています。母が亡くなって王冠を戴くことになれば、彼は憲法上、沈黙することになるからです」

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許すことはなかなかできなかった

女王自身の家族の歴史のインパクトも忘れてはならない要素だ。エリザベス女王は、叔父であるエドワード8世の退位が引き起こした激動を忘れてはいない。

「王女から王太女となり、ついで女王になったエリザベス女王にとって、“デヴィッドおじさん”を許すためには長い年月が必要でした」と「女王の運命」(2012年)の著書もあるベルヌは言う。「パリに住む伯父を訪ねたのは、感情が落ち着いた1972年、元エドワード8世の亡くなる直前でした」

COP 26に欠席し、入院も伝えられたエリザベス女王だが、まだリレーのバトンを渡すつもりはなさそうだ。

text: Chloé Friedmann (madame.lefigaro.fr)

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