我が愛しの、ジェーン・バーキン チームワークを愉しんだ女優、ジェーン・バーキン出演映画リスト。【1960年代】
Culture 2024.06.14
圧巻の作品リストだ。若い時は長い肢体で魅せるファッション映画、コメディエンヌとしても活躍し、芸術家のパートナー役や同性愛も演じた。錚々たる映画作家に起用され、残した軌跡がここに。
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1960年代~
スタイル抜群を強調してデビュー。
『ナック』
スウィンギング・ロンドン時代を代表する本作で、当時18歳のジェーンは女優デビュー。端役だったものの音楽を担当したジョン・バリーと出会い電撃結婚。長女ケイトを出産するが、3年で離婚する。
お色気いっぱいの役どころ。
『カレードマン大胆不敵』
©️ Everett collection/amanaimages
ウォーレン・ベイティとスザンナ・ヨーク主演のラブロマンスで、小さな役柄のジェーンは色気をもたらす添え物的な存在として登場。
カンヌ最高賞で注目のきっかけに。
『欲望』
カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた作品。モデル役のジェーンは出番は少ないながら、全裸姿を披露して強い印象を残し、世界的な作品の評価とともに彼女の存在も注目を浴びることに。
ロマンティックなカルト的人気作。
『スローガン』
©️ NANA PRODUCTIONS/SIPA/amanaimages
ジョン・バリーと破局したジェーンがフランスにわたり撮った本作で、当時音楽界ですでにスターだったセルジュ・ゲンズブールと出会う。第一印象は「気取って傲慢な感じ」だったものの、やがて彼のそれは照れ隠しとわかったとか。妻ある年上の男を虜にする物語そのままに、ジェーンは当時40歳だったゲンズブールを魅了し、ふたりはカップルに。ゲンズブールが主役の売れっ子CMディレクターに扮し音楽も手がけただけに、映像も音楽も洒脱で、ヴェネツィアが登場するのもロマンティック。ジェーン&セルジュ神話の誕生した伝説的作品として、現在もカルト的人気を博す。
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ジェーン初めての本格的主演作。
『ワンダーウォール』
音楽はビートルズのジョージ・ハリスンが担当し、時代を先取りしたサイケデリックな雰囲気にあふれる。自宅に引きこもり研究に没頭するエキセントリックな教授が、ある日隣に越してきたモデルの女性に魅せられ、その妄想が日々肥大していく。果ては、壁に穴を開けて覗き見をしたり、夢にまで出てくるようになり、次第に自分を見失っていく。さまざまな衣装で登場するジェーンのコケティッシュな魅力が見もの。映画としては、ポップアートに影響を受けたシュールで大胆な作りで、ジェーンのフィルモグラフィのなかではあまり知られていないが、必見の価値あり。
イノセント系の魅力弾ける。
『太陽が知っている』
当時恋人同士だったアラン・ドロンとロミー・シュナイダーの共演作としても知られる作品。南仏の別荘を舞台に2組の男女の嫉妬や疑いを描く。成熟したシュナイダーとは対照的に、可憐な魅力を放つジェーンが初々しい。
ヒッピールックで魅力倍増。
『カトマンズの恋人』
ヒッピーカルチャーの影響を受けたネパールが舞台の作品で、音楽担当のゲンズブールは脇役で出演。1968年の学生運動に参加しながら挫折を味わった青年が、母親を捨てた父から慰謝料を取ろうと、インドを経由してネパールに向かう。その道中でヒッピーの情熱的な娘と出会う。ふたりは熱烈に愛し合うようになるが、彼女はドラッグの問題を抱えていた。ジェーンのヒッピースタイルがファッショナブル。フランスの名匠アンドレ・カイヤットが謳いあげる、愛と情熱の物語を体現したジェーンの魅力が作品を牽引。
退廃的エロティックスリラー。
『ガラスの墓標』
©️ Bridgeman/amanaimages
詩的な邦題とは異なり、原題はドラッグの名前から取った『Cannabis』。エロティックスリラーの本作は、ジェーンとセルジュのために作られたような映画だ。殺し屋の男はニューヨークからパリに戻る機内で、ブルジョワの美しい娘に出会う。だが、空港に着くなりトラブルに見舞われ、彼女を巻き込むはめに。ふたりは愛し合うようになり、彼は業界から足を洗って彼女と外国で暮らそうと考えるが、一緒に仕事をしてきた弟分の相棒の嫉妬を買う。バイオレンスとエロティックなデカダンスが融合した退廃的な匂いの作品。ふたりの親密な共演が見られるものの、興行的にはいまひとつ成功しなかった。
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▶︎ジェーン・バーキン、永遠のファッションアイコンの魅力を紐解く。
*「フィガロジャポン」2024年3月号より抜粋
texte: Kuriko Sato