カンヌ国際映画祭、ドレスコードでトレーンを剥がされる動画が話題に。
Celebrity 2025.05.21
ウェス・アンダーソンの新作映画の上映の数分前、ある女性がトレーンを外すよう強いられた。そのシーンを通行人が撮影し、TikTok上で激しい議論を巻き起こした。

カンヌでは、レッドカーペットでの登場シーンはフェスティバル会場の入口にいるカメラマンだけでなく、バリケードの後ろでセレブの到着を待ちながらスマートフォンを手にした一般客たちも、多くの写真や動画を撮影している。5月18日、ウェス・アンダーソン監督の映画『The Phoenician Scheme』の上映直前のレッドカーペット入口で、あるファンが記録したのはあまり華やかとは言えない出来事だった。
@marine.t00 À tout moment elle l'étouffait avec sa traine #festivaldecannes2025 #cannes ♬ son original - MarineCherry
TikTokで共有され、77万8,000回以上再生された動画には、巨大なトレーン付きのデザイナードレスを着てヘアメイクを整えた女性が警備員に付き添われている様子が映っている。女性がバリケードにしがみついていると、別のイブニングドレス姿の女性が何度もそのトレーンを引っ張る。その激しい動きのせいで、トレーンを留めていた4つのピンが次々と外れてしまう。その直後、大きなトレーンはスタイリストのスティーヴン・ドアンに渡され、彼はそれを巧みに処理するために、笑顔で観客に手渡した。
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コメント欄ではふたつの意見が対立している。ひとつは憤慨する意見で、「なんて恥ずかしいことだ」「胸が痛む」「クリエイターに対する無礼」「そんなに長くなかったのに」「映画祭は攻撃的になったと思う......」などのコメントが動画の下に寄せられた。一方で、多くの人は警備が行ったこの対応は全く正当だと考えている。というのも、カンヌ国際映画祭のドレスコードには「特に長いトレーンなど、ゲストの円滑な移動を妨げたり、会場での着席を困難にしたりするボリュームのある服装は許可されない」と明記されているからだ。

全員に適用されるルール?
ところが、その夜、映画の上映に招かれた多くのセレブたちは、そのドレスコードとはまったく合わない衣装でレッドカーペットを歩いていた。第78回目カンヌ国際映画祭の開幕式以降、すでに何度もそのドレスコードは破られている。たとえばケイト・ウィンスレットの娘ミア・スレアプルトンは、エメラルドグリーンのマキシトレーンのドレスを着ていたが、フォトコールに向かう前に取り外すよう求められることはなかった。同じく、オーストラリア系アメリカ人女優クレア・ホルトも、着用したキャロリーナ・ヘレラの大きなトレーン付きドレスで問題なく通過した。「もっとボリュームのあるドレスで入場しても何の問題もなかった人もいる」と、あるネットユーザーも指摘している。さらには、5月19日のイリス・ミトゥネールが着用したシースルードレスや、5月17日に映画『I Love Peru(原題)』を応援するために俳優ラファエル・クナールと一緒に登場したアンデスのコンドルの仮装をした謎の男性についても触れずにはいられない。
From madameFIGARO.fr
text: Augustin Bougro (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi