ダイアナ妃をめぐる謎。悲劇的な事故の夜に身に着けていた「指輪」から解く。

Celebrity 2025.10.20

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1997年8月31日にパリで亡くなったダイアナ妃の死にはいまもなおいくつかの謎が残っている。とりわけその日に彼女がどんな指輪をつけていたかについては、今日でも明らかになっていない。

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モハメド・アルファイドが手にしているのは、息子がレポシで購入したかの有名なリング「Dis moi Oui(イエスと言って)」だ。生前の彼はこのリングが婚約指輪であることを主張していた。photography: News Licensing/ABACA

1997年8月31日の朝、恐ろしいニュースを目にした。ダイアナ妃がパリのアルマ橋のトンネルで自動車事故に遭い、悲劇的な死を遂げた。8月30日から31日にかけての深夜、妃の乗った車はトンネルの13番目の柱に衝突した。ダイアナ妃は当時の恋人であるドディ・アルファイドと同乗していた。ドディ氏の父親、モハメド・アルファイドが当時所有していた5つ星ホテル「リッツ」で夕食をとった後のことだった。ドラマ「ザ・クラウン」最終シーズンによれば、ダイアナ妃はディナーの席上で億万長者の息子からプロポーズされた。

ドラマによればプロポーズの際、ドディが差し出した指輪は中央にエメラルドカットのダイヤモンド、周りをトライアングルカットのダイヤモンド4石が囲むデザインで、イタリアのジュエリーブランド「レポシ」の「Dis moi Oui」という名前のカクテルリングだったそうだ。実際にドディ・アルファイドは1997年8月にレポシで推定価格13,000ユーロ以上の同リングを購入している。しかしこれは本当に婚約指輪だったのだろうか。ダイアナ妃が亡くなった当時、このことは大きな話題となり、1998年4月16日付のフィガロ紙面でブランド側は異例の釈明をおこなった。記事を執筆したステファン・ベルンは次のように書いている。

「ある人にとっては婚約指輪、別な人にとってはさりげない愛情の印。ドディ・アルファイドがダイアナ妃に8月30日、贈ったリングは、数時間後にふたりが事故で亡くなったこともあり、噂に噂を呼んでいる」

 婚約指輪だとは聞いていない

当時レポシを率いていたアルベルト・レポシはフィガロ紙の取材に対して普段の沈黙を破った。

「この仕事には守秘義務が通常求められますが、イギリスのマスコミがありとあらゆることを報道しているため、異論の余地のない真実をお話ししようと思いました。報道によればダイアナ妃とドディがパリで週末を過ごした後、月曜日に帰国して婚約する予定だった、あのリングは婚約指輪だった、とのこと。ですがご本人たちから婚約指輪だと聞いたことはありません」

アルベルト・レポシによれば、最初はふたりが1997年8月10日、モナコの店を訪れてきたそうだ。

「おふたりはトライアングルカットダイヤモンドのついたDis moi Ouiリングを購入したがっていました。数日後の2度目の打ち合わせで、私の方からカタログ通りではない、もう少し特別なジュエリーにすることを提案しました。通常の埋め込み留めではなく爪留めにすることで品質を高めることを提案したのです」とアルベルト・レポシはフィガロ紙に語った。このアイデアをダイアナ妃は気に入ったようで、ブレスレットなど他のジュエリーもシリーズで作るためにアルベルト・レポシとその後も打ち合わせがおこなわれる予定だった。「実のところ、ドディにリングを2つ渡しました。ひとつは注文いただいた品でしたが、もうひとつは今後のシリーズのベースとなる予定でした」

交通事故でレポシ側は多大な影響を受けた。イギリスのタブロイド各紙がふたりの婚約をめぐって根も葉もない噂をヒステリックに流し続けた結果、ジュエラーはジュエリーのデザイン画を自主的に破棄し、「Dis moi Oui」コレクションの製造を中止した。

私物

ダイアナ妃は事故の際にこのリングを身につけていたのだろうか。どうやら違うようだ。BBCによれば、ロンドン警視庁による事故の再調査報告書、「パジェット作戦」に、Dis moi ouiリングはシャンゼリゼ通りのドディ・アルファイドの住居で発見されたと記載されている。事故に遭う前にふたりが滞在していた場所だ。

事故の時に身につけていたリングに関しては、まだよくわかっていない。ファッションビジネス情報サイトの「ファッションネットワーク」によればダイアナ妃は右手中指にロンドンのジュエラー、アレクサンドル・レザのソリテールリングをはめていたそうだ。これは事故の数時間前、ドディ・アルファイドに「お試し」として届けられていた作品だ。一方、「ガーディアン」紙やメディア「ザ・スタンダード」によれば、ダイアナ妃はブルガリの"友情リング"、推定3500ユーロのダイヤモンドをあしらったイエローゴールドリングをつけていた。それはダイアナ妃の元執事、ポール・バレルが病院側から血痕のついたまま引き渡された14点の私物に含まれており、他にはサイズ40のヴェルサーチェの靴やラルフローレンのベルト、キャサリンウォーカーのブックドレスなどがあった。 

From madameFIGARO.fr

text: Louise Ginies (madame.lefigaro.fr)

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