アラン・ドロンの遺産を巡る争い、激化......。三男アラン=ファビアン、妹のアヌーシュカ・ドロンを公然と批判。
Celebrity 2025.12.17

アラン・ドロン家の子どもたちの間で緊張感が再び高まっている。12月11日(木)、アラン=ファビアンがフランスのラジオ局RTLのマイクの前で、妹アヌーシュカを公然と批判したことが発端だ。アラン・ドロンの三男であるアラン=ファビアンは、2024年に亡くなった父の遺言を無効にするため、法的手続きを進めている。
「彼女には何も触らせたくない。一銭たりとも」。12月11日、RTLの番組「Face à Fogiel」のインタビューで、アラン=ファビアン・ドロンはこの発言を口にし、長年くすぶってきた相続をめぐる争いに改めて火をつけた。アラン・ドロンとロザリー・ファン・ブレーメンとの間に生まれた三男アラン=ファビアンは、いまなお妹アヌーシュカと和解する姿勢を見せていない。2024年8月、88歳で父が亡くなって以降、アラン=ファビアンは、姉が映画界のアイコンである父の弱った状態につけ込み、相続財産でより大きな取り分を得ようと父を操ったと非難している。こうした主張のもと、31歳のアラン=ファビアン・ドロンは9月初旬、父の遺言の無効化を求め、フランスで法的手続きを起こした。「私の見解では、横領あるいは窃盗があった。もちろん、これから証明されなければならないが、あの遺言は父の最終的な意思を反映したものではない」と、司会のマルク=オリヴィエ・フォジェルに語った。
「それは、父と息子、そして"最愛の"娘の物語......」
今回の新たな攻撃を受け、アヌーシュカ・ドロンはほぼ即座に反応した。彼女はInstagramに長文の公開書簡を投稿し、そのタイトルを「それは、父と息子、そして"最愛の"娘の物語......」とした。35歳のアラン・ドロンの娘は、反撃に転じ、次のように綴っている。「むかしむかし、それほど遠くない国に、とても、とても怒りに満ちた小さな男の子がいました。ブルータスやユダのように、その少年は自らを息子であり、兄弟であると名乗りながら、唯一の妹を背後から刺し、血の神聖な絆を公の場、しかも『人民裁判』という形で裏切ることを決意したのです。」さらにこう続けている。「兄弟間の嫉妬心に突き動かされ、理解できなくもないとはいえ決して許されない憎しみから、彼は彼女を激しく糾弾しました。」この強烈な非難は、きょうだいたちの幼少期を直接的に想起させるものだ。
というのも、アラン=ファビアン・ドロンはこれまで何度も、父親からつらい扱いを受けてきたと語っている一方、年上のアヌーシュカははるかに可愛がられていたとされているからだ。「殴られて育ったわけではありません。でも、(父は)怒鳴ることもあったし、髪を引っ張ったり、皿を投げたり、窓ガラスを割ったりすることはありました。」アラン=ファビアンは2023年、仏紙『ル・パリジャン』のインタビューでそう語っている。
修正された遺言
この対立の発端を理解するには、2015年までさかのぼる必要がある。この年、アラン・ドロンは最初の遺言書を作成し、遺産の50%をアヌーシュカに、残る50%を2人の息子であるアラン=ファビアンと、25年前にナタリー・ドロンとの間に生まれた異母兄アンソニーにそれぞれ25%ずつ分ける内容としていた。金額にすると、息子たちがそれぞれ約600万ユーロ、娘は約1500万ユーロを受け取る計算になる。ところが2022年、すべてを覆す新たな遺言書が作成される。そこではアヌーシュカが、多額の財産分与に加え、父の「モラル権(著作人格権)」を唯一引き継ぐ相続人として指定されたのだ。これは、フランス映画界の伝説であるアラン・ドロンの名前や作品の扱いを左右する、極めて重要な権利である。さらに彼女は、アラン・ドロンの権益を管理するスイス法人の株式の51%も手にすることになった。こうした度重なる不公平感が、ついに一族の緊張関係に火をつけ、深刻な対立へと発展していった。
2024年夏、アラン・ドロンの死去をきっかけに、争いはついに表面化する。アラン=ファビアンとアンソニーは手を組み、メディアを通じてアヌーシュカに対抗する姿勢を鮮明にした。ここ数カ月は一時的に沈静化したかに見えたものの、兄弟の末っ子は12月11日、RTLの番組であらためて怒りをぶつけた。「父が弱った状態にあることを利用し、金銭目的で動いた悪意ある人間がいた」と彼は主張する。さらに、父が入院中だった当時の対応についても「疑わしい」と表現し、こう続けた。「妹のアヌーシュカと、その背後にいるとされる協力者たちが、父を病院から連れ出し、公証人のもとへ連れて行って遺言書に署名させ、その後また病院に戻したのです。」
兄弟関係は完全に崩壊
しかし、当初は異母兄のアンソニーと手を組んでいたものの、状況は変わり、現在ではふたりは口をきかない関係になっているようだ。仏紙『ル・モンド』によると、関係が決定的に悪化したのは、ロランス・ピオーとフランソワ・ヴィニョールによる著書『Les Derniers Jours du Samouraï de Laurence Pieau et François Vignolle』(2025年5月、ロベール・ラフォン社刊)の出版後だという。同書の中でアンソニーは、弟を「エゴが強すぎて周囲が見えていない」と描写しているが、この点についてはアヌーシュカも同意している。
先に触れた声明文の中で、アヌーシュカはこう続けている。「彼の傲慢さや過剰なエゴ、そして相手を断罪するような決めつけなど、私にはまったく響きません。敬意はお金で買えるものではなく、行いによって勝ち取るものです。(中略)これこそが、父から特別に愛され、無条件の愛情と信頼を与えられ、お気に入りに選ばれた存在であったことの代償なのです。ご自由に。」さらに彼女は、アラン=ファビアンと父アラン・ドロンとの間にあった「すれ違い」をめぐり、自分こそが不幸な被害者だと確信した様子で、次のように語っている。
「こういう人と議論するのは、海を耕そうとするようなもの。無意味です。私について語られていることを信じるのは、私をまったく理解していない証拠。私がここで引き下がると思うのも、同じくらい見当違いです。」今後の展開から目が離せない。
アラン・ドロンと子どもたち

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text: Léa Mabilon (madame.lefigaro.fr) translation: Hanae Yamaguchi






