12人に聞いた、二面性の取り入れ方。 #07 英国紳士的なアイテムに、女性らしさをひとさじ加えて。
Fashion 2018.02.05
年齢や生き方もさまざまな、12名のファッショニスタたち。それぞれの哲学からうかがえる、秘められた二面性のヒントに迫る。高島屋 STYLE&EDITのバイヤー、長尾悦美にとって二面性とは?
ジェントルなアイテムこそ、ディテールで色香を薫らせて。
長尾悦美
高島屋 STYLE&EDIT バイヤー
両親の影響で、幼い頃からトラッドな服に慣れ親しんできた長尾さん。スタイル&エディットの名物バイヤーとして名を馳せる彼女は、英国紳士的なマテリアルに女性らしさをひとさじ加え、ルーツに根差した二面性を楽しむ。「昔からヘリンボーンやグレンチェックなど、伝統的な柄に目がなくて。このジャケットも、スタイル&エディット別注でラウラに作ってもらったもの。ただ着る時は胸骨の下ギリギリのVニットでデコルテを強調したり、マットな赤リップを足して、レディなニュアンスを必ず取り入れるようにしています」。もともと体育会系のサバサバとした性格だが、30歳を過ぎたあたりから、成熟した女性像に憧れを抱くように。“大人な色香”は、スタイリングにおいて最も重視するポイントとなった。「とはいっても、色香は品があってこそ成立するもの。直球ではなく、ほのかに薫るくらいが理想的。どんなシーンにおいても、その教えだけは守っていきたいですね」
胸元のVが印象的なニットはジャンポールノットのもの。ワントーンで統一しつつ、素材の強弱でも二面性を意識。
【関連記事】
〈二面性 #04〉対極のアイテムを合わせる、清水奈緒美のスタイリング。
〈二面性 #05〉ルームウエアをベースに、クラシックな小物使いを。
〈二面性 #06〉服とメイクの絶妙なバランスが魅力的な女性像をつくる。
*『フィガロジャポン』2017年11月号より抜粋
photos : TETSUYA MAEHARA, texte : YURI TANAKA