フックドオーナー、安藤小葉のスタイルヒストリー。

Fashion 2022.01.03

素敵に見える人たちは、どんなふうに自分のワードローブを作り上げてきたのか? 物選びのプロである女性たちに取捨選択してきたアイテムやマイルールについて聞いてみた。


視覚的情報から小説まで、 感受性を磨くことが大切。

安藤小葉

HOOKED Vintage clothing and object オーナー

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80年代ドイツのルイフェローのセットアップに、オレンジのレザースカートを差し込んで。セットアップ¥110,000、スカート¥24,200/ともにフックド

「ひとりひとりのヒップや足の形、肌の感じも違うのに、同じ服が似合うわけがない。周囲から浮いていようが、変だねと言われようが、“みんなと一緒”は嫌でした。自分が着たいか着たくないかで判断したい」と語る安藤小葉。
ヴィンテージの世界に足を踏み入れて、最も信頼しているのは自分の感覚と語る。
「古着のバイイングをしていると、自分が試されているような心持ちになることがあります。衣類でなくてもいいし、身に着ける用途でなくても構わない。頭を常に柔軟にしておくことで、気になったものを見つけられるようになります。そのための下準備として、日頃より目から入る情報には気をつけるよう心がけています。メディアを見るよりは、小説を読んでこの服はどんな 色だったんだろう、この世界の空気はどんな匂いなのかな?と妄想を膨らませて感性を磨くことが大切です」 
好きなものを瞬時で選び抜ける感覚を鍛え抜くと、嫌いなものも明確になる。
「長く使えない素材は選びません。経年変化でボロボロになってしまうパテント素材よりは、ケアして手をかけることで美しく育つレザーが好きです。その方が長く愛用できますし、 サステイナブルだと思うんですよね」

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ジャケットがワードローブの大部分を占めるという。写真は2点とも60年代アメリカのレザー素材。襟が丸かったりと可愛いディテールでも、レザーなら辛口に昇華。

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今季のスタイルの軸にしたいのが、動物や魚など生き物のパターンを配した個性的なデザインのスカート。「真面目すぎないデザインをどうやって大人っぽく着ようかな?」と自分に宿題を課して みるのも大切。そこでスタイリング力が培われていく。

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「今年初めて自分でゴールドのジュエリーを購入したので、ゴールドが気になっています」(安藤)。建築的なゴールドのバングルやひび割れを修復したタイガーアイのリングはゴールド。シルバーのバングルはメキシコの70年代のもの。

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正装のため、男性がジャケットの下に着るバンドカラーのドレスシャツ。写真は20年代のアメリカ製のもの。「着るたびに背筋が伸びる気がする」と大切にしている一枚。

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子どもの絵本を探す途中にふらりと自分用の写真集を買うことも。少し影のあるポートレートや風景に惹かれる。

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「海外ではアパレルショップのみならず、手当たり次第お店に入る。オンラインではなく必ず商品を見て買います」と安藤。エキゾティックなラグはソファやベッドカバーとしても。
安藤小葉
KOYOU ANDO
ジャンティークでバイヤーとして活動後、 2017年4月渋谷にフックドヴィンテージをオープン。守備範囲の広い卓越したセレクトセンスに惹かれて来店するファッション関係者も多い。
●問い合わせ先:
フックド hookedvintage@gmail.com

*「フィガロジャポン」2021年12月号より抜粋

photography: Masaki Miyashita editing: Michino Ogura

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