ダイアナ妃の90年代ファッションが、いま気分。

Fashion 2020.07.26

カウボーイブーツ、ブレザー、スウェット。
ダイアナ妃の1990年代スタイルは2020年のワードローブにぴったり!

カーダシアン姉妹はサイクルパンツ、エミリー・ラタコウスキーはベアショルダードレス、ヘイリー・ビーバーはハイウエストジーンズ……フォロワーが続出しているダイアナ妃の90年代スタイル。

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ダイアナ妃のスタイルはいまもファッションに影響を与え続けている。photo : Getty images

死後20年以上経ってなお人々を魅了するダイアナ妃。最近も、アメリカの情報サイト「デッドライン」が、ダイアナ妃の生涯をテーマにした伝記映画を準備中、と報じたばかり。監督はチリ人のパブロ・ラライン、ダイアナ妃役にはクリステン・スチュワートの名前が挙がっている。ダイアナ妃の旧姓『スペンサー』をタイトルとするこの映画では、彼女がチャールズ皇太子との結婚生活に終止符を打って女王になることを諦める決意をしたとされる、1990年のある週末に焦点が当てられるという。

ダイアナ妃のファッションは離別を機に新しく生まれ変わった。王室儀礼から解放され、脚やデコルテ、肩を露わにした服を着られるようになり、ワードローブはより自由に。ボディラインを強調するデザインや、オーバーサイズのブレザー、ロゴ入りのヴィンテージスウェット、ハイウエストのゆったりしたジーンズ、サイクルパンツ、バルーンスリーブなど、トレンドも積極的に取り入れた。どのアイテムも、ダイアナ妃がいかに自由な女性であったかを物語っている。

1990年代のトレンドと切り離せないダイアナ妃のスタイルは、いまも多くの人にインスピレーションを与え続けている。ランウェイではそのスタイルにヒントを得たコレクションがたびたび発表されているし、インスタグラムでもダイアナ妃の1990年代の装いをまとめたアカウントが無数に存在する。インフルエンサーのヘイリー・ビーバーをモデルに起用し、ダイアナ妃の最もアイコニックな90年代ファッションを取り上げた「フレンチヴォーグ」の特集をはじめ、ダイアナ妃のルックを高く評価する声は後を絶たない。

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サイクルパンツ

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キム・カーダシアンもエミリー・ラタコウスキーも、サイクルパンツの普及に多大な貢献を果たしたダイアナ妃に感謝しているかも。スポーツルックとしても日常着としても大活躍。photo : Getty images

ダイアナ妃があえてこのアイテムにあえて挑戦したのはチャールズ皇太子と離婚したばかりの頃。解放感が服選びにも表れている。サイクルパンツに白いソックスの組み合わせは、ダイアナ妃がエアロビクスのレッスンに通うときのスタイル。

スポーツウエアがリバイバルヒットしているいま、多くのデザイナーのインスピレーション源になっている。サイクリング専用パンツは賛否両論あるものの、ランウェイにも登場。新しいタイプの日常着として再び旋風を巻き起こしている。大きめのメンズライクなシャツや、ビッグシルエットのテーラードジャケット、ヒールの高いロングブーツとも相性バッチリ。スポーツのコンテクストから脱して、ボディフィットしたボトムスにオーバーサイズのアイテムを合わせるバランス感がいまの気分だ。

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ヴィンテージのスウェット

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スウェットスタイルのリラックスしたムードのなかに気品を感じさせる佇まいが、いまインスタグラマーの間で人気を集めている。このルックをそのまま取り入れるインフルエンサーも多い。photo : Getty images

ダイアナ妃がロンドンのチェルシー地区にあるスポーツジム「ハーバークラブ」に行くときのお決まりはスウェットシャツ。息子のウィリアムを連れてガーズ・ポロクラブを訪れる時のスタイルも同様だ。

リラックスしたムードのなかに気品を感じさせる佇まいが、いまインスタグラマーの間で人気を集めている。このルックをそのまま取り入れるインフルエンサーも多い。

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パフスリーブ

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モノトーンの着こなしもパフスリーブで華やかに。photo : Getty images

パフスリーブは1980年代に取り入れて以来、ダイアナ妃のお気に入りとなった。落ち着いた雰囲気とモード性を兼ね備えた魅力的なアイテムだ。王室の厳しいドレスコードを考えるとコーディネートに悩むところだが、ダイアナ妃はこれを難なくこなしている。とりわけ記憶に残るのは、ウィンザー城で行われたポロの試合を観戦したときのスタイリング。バルーンスリーブの水玉模様のブラウスに、パイロットサングラス、ロング丈のプリーツスカートを合わせた着こなしだ。

現代のバルーンスリーブは、よりミニマルなデザインに進化中。アシンメトリックなスカートやスクエアトウサンダルと合わせるのがおすすめ。

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オーバーサイズブレザー

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スタイリングは、ハイウエストのジーンズにスウェット、肩を強調したブレザー。着こなしもさることながら、ポケットに手を入れたポーズとキャップも目を引く。photo : Getty images

1990年代、ダイアナ妃はリラックスしたシルエットをブレザーで引き締めるコーディネートを取り入れている。マニッシュなスタイルの直線的なシルエットや、肩を強調したデザインもお気に入り。ジーンズやTシャツ、タートルネック、スウェットを合わせ、足元はウエスタンブーツやスニーカーでまとめている。

身幅のゆったりとしたテーラードジャケットは現在、ランウェイも席巻中。マーク ジェイコブス、グッチ、カルヴァン クライン、ヴェトモンなど、多くのブランドがビッグシルエットのジャケットを提案している。2020年は、Tシャツ、スウェット、ストレートジーンズ、スニーカーかヌーディーなサンダルと合わせるのが旬。目指すはダイアナ妃だ。

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ハイウエストジーンズ

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ハイウエストでゆったりとしたデザインのマムジーンズは、ダイアナ妃のオフの日の装いに欠かせないアイテムになった。photo : Abaca

1990年代のダイアナファッションの要はなんといってもマムジーンズ。ダイアナ妃はハイウエストの明るい色合いのモデルを愛用した。ブラウスをインしてベルトでウエストマークし、ブレザーを羽織ってきちんとした印象に仕上げることが多い。日常着として、タンクトップ、スウェット、ブルゾンと合わせることも。ベルトは必須だ。

2000年代にはダサいアイテムとしてファッションシーンから退場していたハイウエストジーンズがここ数年再浮上。いまやトレンドアイテムのひとつに。スニーカーやスウェットはもちろん、リュクス系のアクセサリー使いでシックに着こなす。

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ベアショルダー

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肩から胸元にかけて大きく開いたミニドレス。photo : Abaca

1994年6月29日、ダイアナ妃はクリスティーナ・スタンボリアンのリトルブラックドレスを纏ってロンドンのセルパンティーヌ・ギャラリーに現れた。引き締まったボディラインを強調した、肩が大きく露出したミニドレス。前日に『インディペンデント』紙に掲載されたインタビューで結婚生活について触れ、不倫の事実を認めたチャールズ皇太子(夫婦は2年前から別居)への報復として、ダイアナ妃はこの「リベンジドレス」を選んだ。

今日、ベアショルダーは、リベンジとは関係ないトレンドアイテム。ベアショルダートップスにショートパンツを合わせて、セクシー過ぎないスタイリングに。

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カウボーイブーツ

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まさかと思うかもしれないが、カウボーイブーツにパンツをインする着こなしはいま、オリジナリティのある考え抜かれたルックに匹敵する最強コーディネート。ダイアナ妃はこのスタイリング術の先駆者だ。photo : Abaca

デニムとブレザーのコンビにブーツを合わせるのも1990年代のダイアナ妃の得意技。ヒールは低め、つま先はやや丸みのあるロング丈のものを愛用した。お気に入りの、ワイド気味のハイウエストジーンズやワイドパンツをブーツにインするのがダイアナ流。リラックスしたムードを演出しながら、足元をシャープに見せるテクニックだ。

数シーズン前からブーム再燃中のウエスタンブーツ。とくにデザイン性の高いものが人気だ。コレクションでも、ウエスタンブーツらしい尖ったシルエットのブーツがお目見え。こちらもマムジーンズやブレザーにぴったり。

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texte : Adrien Communier, Sabrina Pons (madame.lefigaro.fr)

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