VAN CLEEF & ARPELS 遺産を受け継ぎ、継承する。ヴァンクリーフ＆アーペルの未来を見据えた壮大なプロジェクト。

Jewelry 2025.05.21

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継承すべき壮大なジュエリーの歴史を明らかにし、後世に。ヴァンクリーフ＆アーペルが挑む「パトリモニーコレクション」とは？

INDEX:
1.コレクターも熱い視線を注ぐ、メゾンの歴史的ジュエリーがTEFAFに。
2.遺産を受け継ぎ、継承する。未来を見据えた壮大なプロジェクト。
3.ファッションともリンクした、20世紀ジュエリーヒストリー。

Interview with Alexandrine Maviel-Sonet

優れた過去の作品を見つけるのは年々難しくなっています。

──ヴァンクリーフ&アーペルの「パトリモニーコレクション」は「ヘリテージコレクション」とどのように違うのでしょうか？

「パトリモニーコレクション」は主に歴史的価値の高い作品を、展覧会での展示や文化遺産の継承のために収集しています。「ヘリテージコレクション」は身に着けやすいものが中心ですから、ティアラや王冠などは「パトリモニーコレクション」に入りますね。始まりは1970年代で、メゾンの創業者一族ジャック・アーペルが過去の作品を買い戻したことからスタートしました。彼は1985年に「ピオニークリップ」を手に入れています。いま、初期の重要な作品が揃っているのは本当に彼の先見性のおかげです。

メゾンのアイコン、1953年制作「バレリーナクリップ」（YG×RG×WG×ダイヤモンド）

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──現在はどうやって作品を見つけ、買い戻しているのですか？

オークションです。すべてのオークションの動向をチェックしています。貴重な品がオークションに持ち込まれると私たちに連絡が入りますし、個人の方々が直接コンタクトしてくることもあります。メゾンのコレクションに入ると、その作品がよい形で展示され、研究され、多くの人々を楽しませると考えられているのはとてもうれしいことです。

──これまでに何点の作品が「パトリモニーコレクション」に入ったのでしょうか？

現在は約3000点にまでなりました。でも、増やすのはそう簡単ではありません。古い資料に記載されているこの作品がぜひ欲しいと思っても、それがいまも実際に存在しているかどうかすらわからないのです。だからチャンスがとても大切になります。

「ラブティック」コレクションの人気者だった1960年制作「シャクリップ」(PT×YG×エメラルド×ルビー×オニキス×ダイヤモンド）。すべて「パトリモニーコレクション」より。

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──どの時代の作品が貴重なのですか？

「ラブティック」コレクションが誕生した1954年よりも前の作品はとても少ないのです。ジャック・アーペルの時代は20世紀初期のものを買い戻すことができましたが、現在では100年前の作品を見つけるのはそう簡単ではありません。そんな中でも私たちは、20年代から30年代のアールデコの優れた作品を充実させていきたいと考えています。