VAN CLEEF & ARPELS 東京都庭園美術館に集結、ヴァン クリーフ&アーペルのアール・デコの輝き。
Jewelry 2025.09.22
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連日賑わいを見せる大阪・関西万博は、多様な文化が花開く世界規模の交流の場。いまからちょうど1世紀前にも、さまざまな国を巻き込んでセンセーションを起こした博覧会がパリで開催されていた。デザインや建築、ファッションなど、多方面に大きな影響を及ぼした1925年の『現代装飾美術・産業美術国際博覧会』──後にアール・デコ博覧会と呼ばれるようになったエキスポから100周年を迎えることを記念する展覧会が、東京都庭園美術館で開催される『永遠(とわ)なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ー ハイジュエリーが語るアール・デコ』だ。
アール・デコ博覧会のグランプリ受賞作品『絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット』(PT×エメラルド×ルビー×オニキス×イエローダイヤモンド×ダイヤモンド、1924年)/ヴァン クリーフ&アーペル コレクション
1925年当時のグランパレ。エントランスに飾られた女神の彫刻のタイトルは『フランスは諸大国を歓迎する』©Albert Harlingue/Roger-Viollet/amanaimages
1925年のアール・デコ博覧会の様子。後方に見えるグランパレを会場として、フランスのジュエリーが披露された。 ©Neurdein/Roger-Viollet/amanaimages
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時代の変化を遂げた装飾美術の歴史を見つめて。
装飾美術という意味のフランス語にちなんだアール・デコは、ふたつの世界大戦のはざまにヨーロッパから発信されたデザインムーブメント。とりわけ1925年のアール・デコ博覧会はアート史上とても大切な役割を果たしたとされている。日本を含め22カ国が参加したこの展覧会はセーヌ川両岸にまたがり、右岸はコンコルド広場からグランパレまで、左岸はアンヴァリッド前の広場沿いに広がるという壮大な規模。ロウソクの時代とはうって変わって会場は電飾の眩しい光にあふれ、クリスタルガラスの噴水がそびえ、エッフェル塔もイルミネーションで輝いていた。
夜景も華やかだったアール・デコ博覧会。ルネ・ラリックによるクリスタルガラスの大噴水は博覧会の呼び物だった。 ©Jacques Boyer/Roger-Viollet/amanaimages
博覧会会場に作られた『栄誉の門』。後ろに見えるグランパレにはジュエリーや装身具、香水、ファッションなどが展示され、黒山の人だかりに。 ©Neurdein/Roger-Viollet/amanaimages
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1906年にパリのヴァンドーム広場で創業し、国際的な舞台に躍り出たばかりのヴァン クリーフ&アーペルも、アール・デコ博覧会に出品。装身具・宝飾品部門で『絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット』をはじめとする作品群はグランプリを受賞するという栄光に輝いた。グランパレで展示されたこの受賞作を、日本の皇族、朝香宮鳩彦(やすひこ)王夫妻もきっと目にしたことだろう。鳩彦王は当時フランスに滞在中で、允子(のぶこ)妃とともにヨーロッパ各国を周遊して文化の視察に努めていたからだ。そしてパリの博覧会で繰り広げられる最先端の装飾美術を目の当たりにして、深く感動したに違いない。
メゾンがアール・デコ博覧会に出品した作品の広告。上に掲載されているのが『絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット』のデザイン画。/ヴァン クリーフ&アーペル アーカイブス ©Van Cleef & Arpels
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上奥:アメリカとドイツを除くヨーロッパ諸国が中心となった参加国の中で、アジアからの唯一の出展となった日本。モダンなパビリオンが立ち並ぶ中、純和風の家屋で目を引いた。 上:博覧会の開会を宣言し、会場を視察する当時のフランス大統領ガストン・ドゥメルグの一行。上奥:©Maurice-Louis Branger、上:©Albert Harlingue/ともにRoger-Viollet/amanaimages
今回の展覧会の会場となった東京都庭園美術館は、ヨーロッパ文化を吸収して帰国した朝香宮夫妻が建てた邸宅。アール・デコ博覧会で数々のパビリオンを手がけたアンリ・ラパンに夫妻が基本設計を依頼し、クリスタルガラスの噴水をデザインしたルネ・ラリックなど、著名な工芸家たちの作品で美しく飾り立てた建物だ。いまは美術館となった宮家の邸宅は、アール・デコ様式で建てられた各国の家の中でも極めて保存状態がよく、この時代をシンボライズするような名建築として知られている。
『永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル ー ハイジュエリーが語るアール・デコ』では、1910年代から1930年代に制作された作品を中心に歴史的価値が認められたヴァン クリーフ&アーペルの「パトリモニー コレクション」と個人蔵から厳選されたジュエリーや時計、オブジェ約250点、デザイン画などの資料約60点を展示。アール・デコ様式の建築とジュエリーが呼応して、ハーモニーを奏でるような構成で迎えてくれる。さあ、100年前のパリへタイムトリップしよう!
Story 02. >>
ハイジュエリーと空間がもたらすアール・デコの世界
Story 03. >>
メゾンの歴史研究者が語る、アール・デコの魅力。
会期:9/27~2026/1/18
会場:東京都庭園美術館
営)10:00~17:30最終入場
※11/21、22、28、29、12/5、6は19:30最終入場
休)月、10/14、11/4、25、12/28~2026/1/4、1/13
※10/13、11/3、24、2026/1/12は開館
料)一般¥1,400
050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://art.nikkei.com/timeless-art-deco/
photography: ©Van Cleef & Arpels (objects) text: Keiko Homma