VAN CLEEF & ARPELS ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリーの歴史研究者が語る、アール・デコの魅力。
Jewelry 2025.09.22
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メゾンの歴史を研究する第一人者が教えてくれたバックストーリー。ハイジュエリーが物語るアール・デコとは?
今回の展覧会に並ぶのは、ヴァン クリーフ&アーペルが誇る「パトリモニー コレクション」から厳選されたジュエリーや時計、オブジェ、またメゾンに受け継がれるアーカイブのデッサンなど多岐にわたる。準備のために来日した、文化遺産の継承のために歴史的価値の高い作品を収集している「パトリモニー コレクション」担当ディレクター、アレクサンドリンに展覧会について聞いた。
アレクサンドリン・マヴィエル=ソネ Alexandrine Maviel-Sonet
ヴァン クリーフ&アーペル パトリモニー&エキシビション ディレクター。シンガポールのアーツ&サイエンスミュージアムなど各国の芸術分野で20年以上のキャリアを持つ。2023年より現職。メゾンが収集するジュエリーを買い付けて研究するだけでなく、エキシビションでの展示も担当。記者会見の際の優雅なファッションにも注目が集まった素敵なパリジェンヌ。
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──東京都庭園美術館との初めてのコラボレーションは、どのようにエキサイティングでしたか。
非常に特別な展覧会だと思っています。アール・デコの建物でアール・デコの時代のジュエリーを鑑賞できる機会なんて、フランスでもめったにありません。メゾンの『コルレット』と、妃殿下居間の天井の装飾が極めてよく似ていることにも驚かされました。まさに100年前に時間旅行するような感覚で、建物とジュエリーを味わっていただけるはずです。
──アール・デコは大まかに1910年代から1930年代の間に熱狂的に盛り上がったムーブメントですね。当時のヴァン クリーフ&アーペルにとってはどんな時代だったのでしょうか。
120年近いメゾンの歴史の中でも、最も壮大でゴージャスなエポックでした。世の中をすべて巻き込んだアール・デコとメゾンは密接に関わっていて、この頃にメゾンの根幹が形成されたといってもいいくらいです。たとえば『クリサンセマム クリップ』に使われているミステリーセットの技や『ジップ ネックレス』のアイデアが最初に生まれたのもこの時代です。
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『コルレット』多様なダイヤモンドのあしらいと高度なセッティング技術が見事。(PT×ダイヤモンド、1928年)/ヴァン クリーフ&アーペル コレクション CHECK POINT:具象モチーフは使用せず、ダイヤモンドの輝きでジオメトリックな形態を描いたことが画期的。現代に通じるモダンな表現がここに生まれている。
妃殿下居間の天井にあしらわれた装飾は『コルレット』と驚くほどよく似ている。photography: Aya Kawachi
──菊をモチーフにした『クリサンセマム クリップ』は、しっとりとしてどこかオリエンタルな表情ですね。東洋の国々への興味も、当時のメゾンの作品からは感じ取れます。
20世紀の初めのフランスではジャポニスムと呼ばれる流行があり、日本の工芸品や浮世絵はメゾンに素晴らしいインスピレーションを与えました。展示作品の中には折紙に着想を得たシガレットケースも含まれていますから、楽しみにしていてくださいね。それに、アール・デコではないのですが、実は1970年代にも日本をイメージした美しい作品がありました。調べてみると、創業者一族のピエール・アーペルが55年前の大阪万博を機会に訪日したことがきっかけで作られたようなのです。一族の旅行の記録からそんな来歴が判明するのですから、とてもおもしろいと思いませんか?
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──そうした貴重なマスターピースの収集や研究のため、あなたは世界中にネットワークを張り巡らせています。今回いちばんの見どころは?
ここ数年は、この展覧会のためにアール・デコ期の作品を重点的に買い付けてきました。でも昔のジュエリーは、持ち主の意向で宝石を外したり、デザインを作り替えてしまうことが多くあったので、オリジナルな状態で残っているのは本当に少ないのです。今回展示されるのは、過去から受け継がれた貴重な作品ばかりですから、100年という時に思いを馳せながら、堪能いただけることを願っています。
本館 正面外観 画像提供:東京都庭園美術館
Story 01.>>
東京都庭園美術館に集結、 ヴァン クリーフ&アーペルのアール・デコの輝き。
Story 02. >>
ハイジュエリーと空間がもたらすアール・デコの世界。
会期:9/27~2026/1/18
会場:東京都庭園美術館
営)10:00~17:30最終入場
※11/21、22、28、29、12/5、6は19:30最終入場
休)月、10/14、11/4、25、12/28~2026/1/4、1/13
※10/13、11/3、24、2026/1/12は開館
料)一般¥1,400
050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://art.nikkei.com/timeless-art-deco/
photography: ©Van Cleef & Arpels (objects) text: Keiko Homma