【濱本愛弓】女性のタフネスを表現するジュエリーの力を借りて。

出合った瞬間に心を躍らせるときめき、ともに重ねた時間、そして、いまの自分に寄り添う大切な存在。愛すべきジュエリーとの物語を審美眼を持つ5人が語る。

濱本愛弓
スタイリスト

時計を着けないため、大きな存在感を放つティファニーのボーン カフが手元のジュエリースタイリングの軸に。プレイフルに仕上げるために欠かせないのは、20代の頃から愛用している、マリア ブラックのMOMというレタリングリング。コスチュームジュエリーらしいファニーさと、カルティエのふたつのリングと相性が良いコーティングゴールドで手元を彩る。

「大好きなコレクションを重ね着け」

私にとってジュエリーとは、身に着けることで自分を守ってくれ、精神的な強さを与えてくれるもの。そのため華奢なデザインよりも、ゴツさがあるものが好み。最近の定番は、出産後に購入したティファニーのボーン カフとリング。エルサ・ペレッティがデザインするジュエリーの中でもボーンシリーズには特に惹かれます。骨張った腕を強調するような存在感があり、女性のタフネスを表現しているように感じるのです。スプリットタイプは、純粋にこの形が好きで、なかでも縦横に幅広いカフは、あまり他人と被らず独自のスタイルを楽しめます。リングもスプリットタイプを選び、カフと一緒に着けることが多いです。私は好きな形やシリーズがあると、それをコレクションする傾向があります。カルティエの「パンテール」のリングもそのひとつ。スタイリストとして独立後、初めて購入したハイジュエリーがパンテールのフラットリンクのリング。そして数年後、大きな仕事を完遂したご褒美として、ヒョウを模したリングも購入しました。このふたつはひとつの指に重ね着けすることが多いです。リングを選ぶ基準は、ブランドやデザインに関わらず、重ね着けできるか、ほかの指輪と相性がいいかどうか。そして最後にハイジュエリーに、遊び心を感じさせるコスチュームジュエリーをミックスすると、私らしいバランスが完成するのです。