こんにちは、石井ゆかりです。
今週は魚座の満月から秋分の日、すなわち太陽の天秤座入りと、節目感の強いタイミングです。
まず21日、魚座の終わりのあたりで満月が起こります。海王星と寄り添うようにして起こる満月でもあり、「救済」のイメージが強く感じられます。救うこと、救われること、そして、体験によって価値観がごく自然に一変してしまう、といった変容。なにがしかの苦境に接し、その後なんらかの体験によって「救われた」と語る人はたいてい、「その体験をもとに、自分は根源的な変化を遂げた」ということも語っているように思われます。ずっと以前、長野の善光寺で「お戒壇巡り」というものを体験したのですが、完全な暗闇を経て外に出ると、外の光がそれまでとは違うものとして意識されます。「救い」と「(深い心の)変容」のことを考えた時、ふとあの闇と光のイメージを思い出しました。救いによって得られた変容は、不可逆で、意識的なコントロールを超えたものなのだろうと思います。そうしようとしてそうなるのではなく、自ずとそうなるべくしてそうなる、という体験。今週、そんな体験をする人も少なくないのかもしれません。
23日、太陽が天秤座入りします。秋分です。星占いの「元旦」は春分で、秋分はそこから丁度半年、星の1年の折り返し地点と言えます。日本ではここがお彼岸ですが、日常のさまざまな物事を俯瞰して仕切り直すようなタイミング、と言えるかもしれません。故人に語りかけ、故人の存在を感じようとすることは、「現在・目の前の世界」から少し距離をとることなのではないかと思うのです。「今」と距離を取った時、それまで視野に入っていなかったものが見えるようになる、そんなこともあるんじゃないかと思います。状況を捉え直せたところで、後半戦に向けてもう一度「仕切り直す」ことができるわけです。天秤座は関係の世界であり、他者との関わりの中で世界を見つけ出そうとする星座です。今回は特に、入ってすぐのところで火星が待っています。「ここから、もう一度勝負を挑もう!」というような、「闘い」感の強い仕切り直しが起こるのかな、という気もします。
「人生を旅に喩える」のはとても一般的ですが、人生のある局面を「闘い・勝負」に喩えることもよくあります。この時期は多くの人が、自分のまわりに起こっていることを、闘争や勝負になぞらえて捉えようとするのかもしれません。劣勢を立て直すことや、ロジスティックス、戦果の配分、論功行賞など、闘いにまつわるさまざまな検討事項が、今週以降どっと増えていくのかなあ、という気もします。日本では折しも「選挙戦」という闘いが注目されていますが、メディアの光の当たりにくい、でも、非常に重要な闘いがあちこちで繰り広げられていることを、忘れたくないと思います。
今週はそんな感じです。