石井ゆかりの星占い

2021/11/1 - 11/7

今週の空模様

こんにちは、石井ゆかりです。
11月に入ると、何かスカッとするような星模様になったなと思うのですが、その一方で、どこかずしっと重みを増したなというイメージも湧き上がるのです。スカッとする部分は、9月くらいからの水星逆行や天秤座での火星・太陽のもどかしさが11月に入る頃までにおおよそ解消しているところです。ずしっとくるのは、蠍座・山羊座に星が集まる点です。蠍座と山羊座はどちらも、軽さよりは重厚さを感じさせる世界です。スニーカーではなくクラシックな革靴、木や紙ではなく石や鉄。軽食やファストフードというよりは、ガッチリフルコース、満漢全席のイメージです。いや、イメージです。中身がしっかり詰まっていて、力が強く、圧倒されるような迫力があるのがこの2星座なのです。

今週はまず、5日に蠍座で新月が起こります。同日、金星が山羊座に移動するのですが、ここに蠍座の支配星である冥王星が待っています。蠍座-山羊座のラインがぐっとアツくなる節目です。これまでは「勝つか負けるか」だったのが、ここからは「(闘って勝つのは前提で)勝って何を手に入れるのか」がテーマとなるのです。場合によっては「勝ち負けはどうでもいいから、目的のものは必ず自分のものにする」ということがゴールになります。「自分のものにする」という部分もとても大事です。たとえば、「すごく欲しかったものなのに、手に入れたらまったく使わなかった」「タンスの肥やし」みたいなものは、本当の意味では「自分のもの」にはなっていないだろうと思うのです。その点、蠍座、山羊座の世界観は「自分のものにするということは、徹底的に自分のものにするということ」です。使いこなして支配しきるまで、ちゃんと「ものにする」ことが重要なのです。

この新月では「ここから何を手に入れるか」「ここから何を求めていくのか」という目標が新たにセットされるかもしれません。自分の本当の欲や感情にふと気付く人もいるでしょう。頭で「こんなものを欲しいと思うべきなのではないか」と考えるのではなく、心の奥からどうしようもなく湧き上がってくる願いを自覚できる、というようなタイミングだと思います。火星はもともと蠍座を支配する星で、今自宅に入り「なんのためなら闘ってもいいと思えるか」という純粋な戦意を照らし出しています。

6日、すでに太陽と火星がいる蠍座に水星が入ります。水星は8月30日から天秤座に位置していたので、「8月末からの一仕事が、ここで完了」というイメージになります。この間迷ったこと、悩んだことが、そろそろ解決しているのに気付く人もいるでしょう。さらに、上記のような「これから何を求めていくか」ということについて、具体的な段取りを考えたり、計画を立てたりすることになるのかもしれません。また、自分の中に芽生え始めた望みや願いについて、人と語り合う人もいるだろうと思います。思いを「言葉にする」こと、感じ取ったことをコミュニケーションに乗せることも、この時期のひとつのテーマとなりそうです。

ただ、単に思ったことを語り合うにとどまらず、そこには「戦略」もたっぷり含まれているのかもしれません。この言葉が状況をどう変えるのか、こう語ることで相手の心に何が生まれるのか、といったことを、深く考えながら語れる時期と言えそうです。和やかさやあたたかさを求めての会話もさることながら、問題の本質的解決のための鋭い会話、表面的なものにとどまらない、より深いところにあるものを表に出すための対話、闘いの対話、といったものが熱を帯びるのかもしれません。

今週はそんな感じです。

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石井ゆかり

ライター。「フィガロジャポン」本誌にて2010年から星占い連載を手がけ、ムック本「石井ゆかりの星占い3」(CCCメディアハウス刊)が好評発売中。そのほか、さまざまな媒体で記事やエッセイなどを執筆し、『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『愛する人に。』(幻冬舎コミックス刊)、『夢を読む』(白泉社刊)など、著書多数。累計発行部数は400万部を超える。



今週の空模様



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