こんにちは、石井ゆかりです。
今週は18日、蟹座で新月が起こります。牡牛座の天王星とセクスタイルを組み、獅子座の水星と牡牛座木星がスクエア、火星と土星がオポジション、金星と冥王星、海王星のyodと、ハデなアスペクトがたくさん組まれています。新月はスタートのタイミングで、月は蟹座でオウンサインですからそれだけでもとてもパワフルな節目なのですが、さらにそこに爆発力を感じさせる星がグルグル絡んでいて、「何かでかいことが始まりそうだ!」という雰囲気がプンプンしています。牡牛座、蟹座、乙女座はどれも、いろいろな意味で「現実」に関係の深い星座です。理念や想念よりも、ベタベタの目の前の現実にコミットしていく世界です。手で触れるもの、そこにあるもの、生活感覚、人として当たり前の心情、感性。そうしたことに強いスポットライトが当たります。「頭で考えたこと」ではなく、「心や身体で感じたこと」が動機となって何かが始まるのです。壮大なことに取り組もうとするのではなく、あくまで手の中のこと、身近なこと、現実的なことに着手するのですが、この時期はその「現実的で小さなこと」がかなりダイレクトに、広い世界に結びついています。小さく始めたはずのことがいきなりでっかくなる、という急展開が感じられる新月です。
火星と土星のオポジションはとてもとても鉄火です。乙女座火星は古く「軍隊」という象意があり、このところの世界の状況を考えると、ありがたくもない配置だなあと思います。魚座の土星は深い心の傷、記憶の中の悲しみや痛みを感じさせる星で、何のために闘うか、何を求めて闘うかということが、ここに現れている気もします。金星と海王星・冥王星のyodも、非常に深く、複雑です。冥王星や海王星の指し示すことは簡単には意識も表現もできないのですが、それが獅子座金星というとても見やすい、わかりやすい星によって「引き出されてくる」ような感じがあります。今週の火星と金星の配置は、「普段は見えないものが、非常に鮮やかな形で見えてくる」ことを象徴しているのかなという気もするのです。私たちが何かを感じる時、その「感じ方」「思い方」は長い歴史に下支えされています。どんな感情が湧くかということは、どんな歴史を生きてきたかということの表れです。今週起こることは、そうした「歴史」をありありとうつしだしているのかもしれません。
週末23日、金星が逆行を開始します。ここから9月頭まで金星逆行期となります。金星が獅子座入りしたのは6月5日でしたが、そこから進展してきた愛にまつわるドラマ、あるいは経済活動などが、ここへきて一時停止し、熟成期間に入るかもしれません。「失った価値や愛が蘇る」という解釈もできます。海王星、冥王星とyodの指の位置での逆行開始というのが、とても印象的です。冥王星は隠されたもの、海王星は精神の深みを象徴し、どちらも星座の最後の度数にあります。長い時間をかけて培われ、蓄積され、深められてきたものの中から、愛によって「蘇る」ものが出てくるのかもしれません。泥の中から睡蓮が咲き出すような、鮮やかなイメージの動きです。
今週はそんな感じです。