みんな大好き、おいしいオムライス6選。 #06 肉好きも卵好きも大満足なオムライスは、発明級に美味。
Gourmet 2019.09.19
きっと誰もが子どもの頃から親しんでいる洋食の定番、オムライス。卵でチキンライスを包んだクラシックなタイプや、特製デミグラスソースをたっぷりかけた逸品、工夫を凝らした個性派など、6軒の名店を厳選してご紹介。恵比寿の老舗洋食店、チャモロでぜひ食べたいのは、大きな牛タンをのせたオムライス!
常連客のリクエストから生まれた逸品。
チャモロ(恵比寿)
「やわらか厚切り牛タンオムライス」¥1,500。10月1日以降も価格は据え置くという。見た目はかなりボリュームたっぷりだが、デミグラスソースの後味も軽やかで女性でもペロリと完食。牛タンはとろけるように柔らかくナイフいらず!
洋食好きにはつとに知られた存在。飲食店の新陳代謝が激しい恵比寿に創業して四十数年。雑居ビルの地階に店を構えるチャモロの魅力は昔もいまも変わらない懐の深さにある。
店主の伊藤光二郎さんは根っからの職人肌。一見、とっつきにくい印象でも料理を見れば洋食の料理人として現場主義を貫いてきたプライドや常連を思う気持ちが伝わってくる。
大海老フライやカニクリームコロッケなどが鎮座した5種のオムライスのなかでもいちばん人気の牛タンオムライスはその代表例。老舗洋食店では常連客のリクエストによって生まれたオリジナルメニューを見かけることがしばしばあるが、この牛タンオムライスも「オムライスと牛タンシチューを一緒に食べたい」という声に応えるべく、店主が試行錯誤を繰り返して完成させた名作だ。
菜箸で卵を手早くかき混ぜながらとろとろの食感に仕上げる。素材はケチらず、手間は惜しまずが身上。
卵は贅沢に3個使い。半熟に仕上げたら胡椒が利いたライスを包み、デミグラスソースをかける。これだけでもかなりのボリューム感だが、オムライスの上には7時間煮込んだ牛タンがどんと横たわり、そのビジュアルインパクトに肉好きも卵好きも歓喜する。
「初めてオーダーしたお客さんからこんな大きい牛タンがのっているオムライス見たことないって言われるけど、よそのが小さすぎるんだよ」とぶっきらぼうに言い放つ姿は照れ隠しのようでもあり、通うほど店主に親近感を覚えること間違いなし。自家製デミグラスソースのごとく、なんとも味わい深い洋食店の存在に心がじんわりと温まる。
予約不可で、ランチ時は常に満席。店先のボードに名前を書いて順番を待つスタイル。
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※この記事に掲載している商品・サービスの価格は、2019年9月時点の8%の消費税を含んだ価格です。
photos : YU NAKANIWA, réalisation : KEIKO KODERA