秋の味覚、バターナッツカボチャのおいしい調理法。
Gourmet 2020.11.22
バターナッツカボチャは、オーブンで焼いたり、マッシュしたり、クリーム状にしたり、ファルシ(具材を詰める料理)にしたり、誰もが好きな野菜。まるでナッツのような風味を持つクリーミーな果肉は、気温が下がるにつれて風味と滑らかさを増し、さらにカリウムがたっぷり含まれる。
オーブンで焼くと、バターナッツカボチャの果肉はクリーミーで滑らかになる。バターナッツと呼ばれる理由が納得できる。photo : Istock
バターナッツカボチャは、外側は栗色、中身はオレンジ色の可愛らしい色合いで、その色と風味に誰もが惹かれる。新鮮なものが手に入るいま、食卓に取り入れるにはぴったりなハイシーズンを迎えている。特にそのナッツのような風味は、キノコやクリなど、ほかの旬の野菜や果物だけでなく、ローストした肉とも完璧に調和する。2015年度にMOF(フランス最優秀職人)を受賞したキャサリン・ボッティ氏にその魅力を聞いた。
バターナッツカボチャの魅力。
ウリ科の中では、バターナッツカボチャは最も保存しやすい野菜だ。その丈夫な皮のおかげで、秋野菜のバターナッツは腐りにくい。
「ほかのカボチャはカットとして販売されることが多く、皮は柔らかくなりやすいのです。買った翌日には食べなければなりません。そうしないと傷みます」とボッティ氏は説明する。
また彼女は、乾燥した涼しい場所に保管するようにアドバイスする。しっかり包装されたバターナッツは、最長6カ月間保管可能だ。また、カロリーが低いバナーナッツは低カロリーダイエットの友でもある。「プレーンなバターナッツカボチャを食べれば、体重を減らすことができます」と果物と野菜の専門家でもあるボッティ氏は言う。
ニホンカボチャ(学名:Curcubita moschata)もまた美容に効果的だ。「ニホンカボチャは肌にとてもよく、若々しい印象を与えます」とボッティ氏は言う。確かに、ニホンカボチャはカロテノイドをたっぷり含んでいるため、細胞の老化と戦うのに役立つ。
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どのように調理したらいい?
「生で食べることもできますが、一般的には調理して食べます」とボッティ氏は説明する。バターナッツカボチャを調理する方法はたくさんあるが、調理の難しいポイントは皮むきだけだ。
「最も簡単な方法は、半分に切り、次に皮を切ることです。 ピーラーまたは切れやすい包丁が必要です」。ボッティ氏によれば、バターナッツカボチャのスープをさらにおいしくするためには、生クリームを垂らし、刻んだヘーゼルナッツをかけるのがおすすめだ。
水分をほとんど含まないバターナッツカボチャは、煮込み料理にもぴったりだ。「鍋の中で、バターナッツはほとんど煮崩れません。調理過程で大量のブイヨン(出汁)を加える必要はありません」と青果店「Botti Fruits」を営むボッティ氏は続ける。
バターナッツカボチャを丸ごと(皮が付いた状態で)調理したい場合は、ファルシ(詰め物料理)が最もよい。「肉とチーズを詰めるととてもおいしいです」とボッティ氏はすすめる。全体を180°Cで45分〜1時間焼いて、詰め物が早く焼き上がらないように注意しよう。柔らかくなった皮も食べることができる。
廃棄物ゼロを目指したい人は種も再利用しよう。「種を乾燥させ、少量のオリーブオイルをかけてオーブンで調理すれば、アペリティフ(食前酒)のお供に楽しめます」とボッティ氏。おつまみにピーナッツはもう時代遅れ!
オリーブオイルと香り豊かなハーブと共にオーブンで焼いたバターナッツ・スカッシュを楽しんでみて。photo : Istock
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texte : Maria Izapango (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi