ランニングを始めてどれぐらいで効果が出る?
Lifestyle 2023.12.31
ランニングを始めてから、どのぐらい経ったら身体の変化を実感するようになるのだろうか。フランスのスポーツドクターやスポーツトレーナーに聞いてみた。
季節の変わり目に気分一新、スポーツを始めてみたものの、鍛錬の成果が感じられるようになるまでには辛抱が必要だ。ランニングを始めてから(または再開してから)身体が変わってきた実感が得られるまで、どれくらいの時間がかかるだろうか。
スポーツを始めていつ頃から身体が変化するかを正確に予測するのは難しい。理由は簡単、人間の代謝(人が機能するための細胞や臓器の働き)は一人ひとり違うからだ。しかしながら一般的には週2、3回のランニングで1ヶ月後には効果が現れはじめる。「その頃になると身体も慣れてきて楽になり、トレーニングも苦行ではなくなります」とランニングを専門とするスポーツドクターのポーリーヌ・シックスは言う。ポーリーヌ自身、トライアスロンの選手だ。
その頃になると見た目にも身体が引き締まったことがわかるほどの変化があるはずだ。「ランニングは持久力トレーニング。体脂肪燃焼効果があります。体幹が鍛えられ、脚と背中上部の筋肉がつき、肩も鍛えられます」とポーリーヌ。どんな走り方をするかによって筋肉のつき方は変わってくる。「スピードを出すと、腕も使うので肩甲骨の周りの筋肉も鍛えられます。坂道を上がればふくらはぎが、下り坂を走れば大腿四頭筋が鍛えられます」
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食事とスポーツ習慣
効果を得るには食事も重要だ。「トレーニングと並行してバランスの取れた食事をしないと変化は起きにくくなります。結果の50%がトレーニングの成果、残り50%は食事に起因します」と食事の大切さを力説するのはスポーツコーチのセバスチャン・コルネットだ。セバスチャンは4歳から18歳までの子どもたちにトレイルランの楽しみを教えるエコール・デュ・トレイルのメソッド考案者で、『Moins courir pour mieux courir(良い走りで少なく走る)』(Mons出版)などの本も著している。
トレーニング頻度もポイントとなる。スポーツコーチのセバスチャンによれば、長時間のトレーニングをたまにするより、こまめに身体を動かすほうが効果的だそうだ。だから週に1回1時間走るより、もっと短時間でいいので走る頻度を増やすほうがいい。まったく走らないよりは、10分でも走ったほうがいいそうだ。
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メンタルへの即効性
ランニングは気分を明るくしてくれる。しかも即効性がある。外を走ること自体気持ち良いものだし、「身体を動かすとエンドルフィンが分泌されます」とセバスチャン。「多幸感をもたらすホルモンはストレスを消し去り、心身ともに健やかにしてくれます」
ランニングは睡眠も改善する。「運動している間、脳は身体に作用するシグナルを発信します。それによって睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されるのです」とドクターのポーリーヌは言う。「その結果、深い眠りのサイクルが増え、寝ている間に疲労が回復します。しかも精神的疲労とは異なり、スポーツによって頭を空っぽにし、肉体的に疲労れば眠りにつきやすくなります」
また当然のことながら、ランニングに限らずどんな身体活動も健康向上に役立つ。長い目で見ると、病気予防効果があるそうだ。「加齢とともに硬くなる動脈を運動は柔らかくしてくれます。また、血糖値にも効果があり、糖尿病の予防にもなります」とポーリーヌ。
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忍耐強く取り組む
ランニングの効果が出るまでおおよそ1ヶ月。だが、コーチのセバスチャンによると、その後4週間でモチベーションが下がることが多い。「一旦効果が現れた後に停滞期がやってきてくじけそうになるからです」とのこと。初心者の場合は焦らず、徐々に運動を増やしていくことをセバスチャンは勧める。「これまでスポーツ習慣がないのなら、1分歩いて1分走ることを5回繰り返してみましょう。それから1分を2分と増やしていき、最終的には30分走り続けることを目標にします」。効率的に筋力をつけたい人はランニングと筋トレを組み合わせよう。「ランニングの合間にスクワット、腹筋、コアトレーニングをおこなえば完璧です」とドクターのポーリーヌは言う。筋肉が強くなって、より走れるようになり、ケガ予防にもなる。「一方が他方を強化促進するという好循環の関係ですね」とスポーツコーチはランニングと筋トレの関係を説明した。走りに変化をつけたい人はインターバルトレーニングもおすすめだ。
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text : Lena Couffin (madame.lefigaro.fr)