1日30分のウォーキングはどれぐらい効果があるもの?
Lifestyle 2024.01.02
ウォーキングは心身の健康を保つのに効果的であるとは言え、たかだか1日30分程度のウォーキングでどれだけ効果があるものだろうか? 2人の専門家の意見を聞いた。
1日30分のウォーキングの効果は? photography : shutterstock
満員電車を我慢したり車で渋滞に巻きこまれるより、多少の距離なら歩いたほうがいいと思う人も多い。ウォーキングは精神的にもいいし、座りっぱなしの生活をしている人にとっては運動不足を解消する格好の手段でもある。しかしながら1日30分程度のウォーキングは運動量として十分なのだろうか? これで健康を維持し、筋肉をつけられるものなのか、スポーツドクターとスポーツコーチの意見を聞いてみた。
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筋肉をつけるには運動量が足りない
筋肉をつけるには、1日30分普通に歩くだけでは不十分だというのがふたりの一致した意見だ。スポーツドクターのヴィクトリア・チャイコフスキーは、「この程度の運動では筋肉が成長するのに必要な負荷がかかりません」と言うと、「正しい姿勢で腰痛を防ぎ、関節への負担を和らげ、骨密度を上げるためには筋力が必要」なのですが、と顔を曇らせた。
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病気予防効果
ウォーキング自体が健康に良いことは確かだが、病気を予防したいのなら、のんびり歩くだけではダメ。スポーツドクターのヴィクトリア・チャイコフスキーは、1日に短時間の散歩を何回か繰り返すより、ある程度まとまった時間をウォーキングに当てることを薦める。「10分未満のウォーキングでは短すぎて効果がない」からだそうだ。心臓を働かせるために早足で歩くことも重要だ。「少し息切れするくらいペースで歩くことで、体に酸素が行き渡ります。定期的におこなえば緊張やストレスを緩和し、心臓発作や脳卒中のリスクを減らします」
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筋力アップには
1日30分のウォーキングで筋肉もつけたいと思っているのなら、運動の強度を高める必要がある。スポーツ・コーチのジュリー・ピュジョル・ブノワは、坂道や階段のあるルートを選んで歩き、脚やお尻の筋肉を鍛えることを勧める。腹筋も一緒に鍛えたいのなら、下腹に力を入れ、おへそのあたりをひっこめた状態でできるだけ姿勢をまっすぐにして歩くことだ。「ウォーキング中は呼吸と心拍数を連動させるコヒーレンス呼吸を勧めます。たとえば5歩進む間に5まで数えながら息を吸い、次の5歩で息を吐きます。リラックス効果があるうえに呼吸をうまくコントロールし、心臓を穏やかに働かせる効果が期待できます」
さらに筋肉をつけたいのなら、日々のウォーキングに加えて週に2、3回、筋力トレーニングをした方がいい。ジュリー・ピュジョル・ブノワはおすすめのトレーニングとしてピラティス、体操、ウェイトトレーニングを挙げる。30歳を過ぎたら「筋肉の衰えが始まり、筋肉に刺激を与えないと自然に筋肉は萎縮してしまいます」とのこと。だから筋力トレーニングが重要になってくるのだ。
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text : Louise Servans (madame.lefigaro.fr)