ロンドン近郊の可愛いお宅訪問 まるで不思議の国!? 色彩と遊び心あふれるキッチュなお家へ。
Lifestyle 2024.06.26
"Garden of England(イギリスの庭)"と呼ばれる緑豊かなロンドン郊外ケント地方に暮らすギャンブル五月が、個性豊かなイギリス人の自宅インテリアを紹介。今回はインテリアショップオーナー、ケンタロウのカラフルなご自宅を案内します。
Step inside Kentaro's house.
文・写真/ギャンブル五月
もしロココ時代に文化屋雑貨店が存在したなら、まさしくこんな空間だったはず。オーナーであるケンタロウさんの「好きなもの」だけがひしめき合うプレイフルなこのお家は、大胆な色彩と楽しさの詰まったビックリ箱のよう。王子様とお姫様がプラスチックのティーセットでお茶会を開いているような、ミックス&マッチの混沌が広がっている。
ダイニングルーム。
ケンタロウさんが1875年に建てられたこの家を購入したのは24年前。当時この近所に住んでいた友人の母親から「ここら辺、絶対人気が出るエリアだから、いま家買った方がいいよ!」と強く推されたのだそう。
「日差しがたくさん入ることと、天井が高いところが気に入ったんです。ここなら、たとえ物が多くても圧迫感を感じにくいのではと思って」
2階のリビングルーム。
とは言うものの、アートや置物や飾りやおもちゃなどがそこら中にあふれ、なおかつ一個一個がものすごい個性を発揮して容赦なく存在感を訴えかけてくる。「私も家に物が多いほうだと思ってたけど、まだまだ初級だわ......」とつぶやくと、「パートナーのニールはよく耐えてくれてますよ」と返ってきた。
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『ヘア・スプレー』、『ひなぎく』、『夢のチョコレート工場』などの映画を彷彿させる独特の世界観。
彼のユニークなインテリアの趣向は、ハムステッドに住んでいた祖母からの影響が大きかったようだ。「祖母の家は、北欧のミッドセンチュリー家具と先祖代々受け継がれてきたアンティーク品とが交ざり合って、時代を超えた趣がありました。蚤の市で見つけた骨董品を真っ先に見せて、一緒にああだこうだと吟味したのも懐かしい思い出です」
階段横の壁には鏡や絵画がずらり。まるでアートミュージアム。
日本人と英国人のミックスであることに何か影響は受けているのだろうかと聞いてみると、「色の組み合わせや、包装とかプラスチック雑貨への偏愛は日本からの影響が大きいと思います」とのこと。
ケンタロウさんの大好きなもの集めは自宅だけにはとどまらず、10年前には『Rooms』というヴィンテージショップをオープンした。インテリアデザイナーであるカミーラ・ギネスのもとで4年間働いていた間に、物品を仕入れる側の楽しさに魅了されてしまったのだと言う。「私のショップのアイテムによって、たくさんの家が楽しくてカラフルな空間に変わるお手伝いができたらうれしいです。人生は限られているから、好きなものだけに囲まれて生きていきたいですね」
お店の外観。今月106歳(!)になる祖父から「夢を追い続けなさい」と背中を押されてショップオープンに踏み切った。
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Room Details
踊り場も絶好のディスプレイ場所。
どこか懐かしい雑貨たち。お母様の故郷は川越であると聞いて、なんだか点と点が繋がった。
ペパーミントグリーンとピンクの組み合わせが可愛いバスルーム。
可愛いシャンデリアはアンティークフェアで買ったもの。
ベッドルーム。
卓越したディスプレイの手腕がいたるところに。
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Profiles of Kentaro & his house
家主:
ケンタロウ(@happykentaro)。インテリアショップ(@rooms_e5)のオーナー。カフェ・マネージャーのニールとふたり暮らし。
ケンタロウのアール・ドゥ・ヴィーヴル:
お気に入りの物&ときめく物だけに囲まれて暮らすこと。
インテリアスタイル:
ビビッドな色彩にアンティーク&キッチュのアクセント。
住んでいるエリア:
イーストロンドン。
お気に入りの家具:
いまのお気に入りはエンパイアステートビルの形をした150cmのキャビネット。80年代に作られたヴィンテージ品で、小物を飾るのに重宝しています。
家の構造:
リビングルーム、ダイニングルーム、キッチン、バスルーム、3ベッドルーム。
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text & photography: Satski Gamble