脱コーヒー依存! 新たに注目されている3つの代替品。
Lifestyle 2025.08.28
コーヒー豆の代わりに使えるのは穀物や豆類、キノコなど。カフェインを含む、含まないを問わず、代替ドリンクの種類は増えている。
抗炎症作用や抗酸化作用を持つチコリはコーヒーの代替品として優れており、単独でもコーヒーとのブレンドでも楽しめる。photography: Shutterstock/Svetlana Lazhko
朝、家を出る前に1杯、10時の会議前にもう1杯、ブリーフィング中に3杯目、ランチのあとテラスでくつろぎの1杯......もしかして、あなたもコーヒー大好き人間では? 健康上の理由から、はたまた環境への配慮から、コーヒーの摂取量を控えようと考える人は多い。ただし言っておきたいのは、コーヒー豆の味わいと焙煎の香りを完全に再現できる代替品はないということだ。別な味として受け入れて慣れるか、朝の一杯はこれまで通りエスプレッソ、でも会社の自販機でコーヒーを買う代わりに胃に優しく不眠に悩まされることもない代替品を飲むなど、使い分けるしかない。
昔からあるチコリコーヒー
チコリはフランスで中世から栽培されてきた。エンダイブ(和名キクヂシャ)の仲間で、飲料としては根を刻み、焙煎して粉にしたものを淹れる。単独でもコーヒーと混ぜてもいい。フランスのルルー社は1世紀以上も前から販売している(2018年からはオーガニックも販売)。リコレやシュリコといったブランドからも、さまざまなアロマのオーガニックのチコリコーヒーが出ている。作り方はインスタントコーヒーと同じで、大さじ1杯をカップに入れ、お湯を注ぐだけ。ナッツかキャラメルの風味がわずかに感じられる点が好評だ。
新顔のルパンコーヒー
オーガニックスーパーへ行くとコーヒーの代替品として大麦コーヒーやライ麦コーヒーも並んでいる。ネオロコ社では天日で焙煎したレンズマメやヒヨコマメで作った代替コーヒーも出している。いずれもインスタントコーヒーに近い味わいを実現している。よりどりみどりだが、現在の注目株はルパンコーヒー。ルパンとはマメ科植物ルピナスのフランス語名だ。青い花が美しいこの植物は食物繊維やタンパク質が豊富で、フランスで栽培・焙煎・製造されている。アルセーヌ社ではチコリやヒヨコ豆とのブレンドを、リュピ・コーヒー社では100%ルピナスのオーガニック飲料を発売している。コーヒー粉とまったく同じように、いつものコーヒーメーカーで淹れられるので、慣れ親しんだ習慣を変えずに済む。ただしコーヒー豆よりも膨張するので適量を見つけるまで若干の試行錯誤が必要だ。味も色もかなりコーヒーに近い。南米原産の植物、ガラナ由来のカフェインを少量含んだ製品もある。
驚きの「キノコ」コーヒー
カフェインによる覚醒効果の代わりに、ストレス適応を助ける「アダプトゲン」と呼ばれるキノコ(菌類)に注目する人もいる。東洋医学でも用いられ、現在はヨーロッパで栽培されているキノコには、脳の認知機能を高めると言われるヤマブシタケ、活力を与える冬虫夏草、抗酸化作用を持つチャーガ(カバノアナタケ)などがある。「ボンジュール」ブランドの飲料にはこれらのキノコを焙煎大麦とともに配合した飲料がさまざまなフレーバーで揃っており、"子供の頃の味"とチョコレートフレーバーは特に人気がある。「カフェ・デ・ゲリエ」ブランドでは、こうしたキノコにコーヒーとヘーゼルナッツをブレンドした製品がある。キノコの効果は驚くことに、カフェインの覚醒感とかなり似ていることが実際の試飲で確認されている。
From madameFIGARO.fr
text: Caroline Revol-Maurel (madame.lefigaro.fr)