手軽なのに至福の味! バターと生クリームのレシピ。
Gourmet 2019.05.23
おいしいバターと生クリームが手に入ったら、できるだけシンプルに、その味を楽しみたい。そんな思いを持つ6人のバター&生クリームラバーが、とっておきのレシピを伝授します。
発酵バターに、海の香りをプラス。
平野由希子(料理研究家)
海藻バター
人気連載「平野由希子のおつまみレシピ」ではお酒に合う多彩なレシピを披露する平野さん。この海藻バターも、ワインがどんどん進みそうな味!
「ボルディエの海藻バターにインスパイアされて作ってみたもの。日本の海藻の風味のよさで上品な仕上がり。使用する青海苔は、お好み焼きなどに使うアオサではなく、香り高い青海苔がおすすめです。ニンニクは利きすぎないように、ほんの少量に。バゲットに塗って食べるほか、魚介のレシピなど、さまざまな料理に」
平野さんによれば、ポイントはおいしいバターと風味のよい青海苔を使うこと。海を感じさせる青海苔とアンチョビの風味が食欲を刺激し、また応用範囲が広いので、作り置きしたくなる一品だ。
発酵バター(無塩) 50g(室温にしておく)
アンチョビフィレ 1枚(細かく叩いておく)
ニンニク 少々(すりおろす)
塩(フルール・ド・セルなど) 1g
青海苔 小さじ1
〈作り方〉
1. 発酵バターにアンチョビフィレ、ニンニク、塩を加えよく混ぜる。
2. 1に青海苔を加えてさっくりと混ぜる。
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生クリームを味わう、おしゃれな前菜。
浅妻千映子(フードライター)
トマト缶の簡単冷製パスタ
フードライターの浅妻さんは、自らレシピの本を刊行したことがあるほど料理を作るのが好き。この冷製パスタは、驚くほど簡単なのに絶品!
「生クリームをダイレクトに感じる、混ぜるだけの簡単レシピです。塩が薄いと、まろやかなクリームトマト風味が引き立たないので、パスタを茹でる時もしっかり塩を。塩味とのバランスが生クリームをおいしく感じるキモになります。麺に対してソースは多めで盛り付けを。カッペリーニを半分に折って茹でると食べやすいです。一口サイズでフォークに巻いて出せば、ホームパーティの可愛い前菜になります」
クリーミーかつ爽やかな一皿は、これからの季節にきっと重宝するはず。
ダイストマト缶 大さじ山盛り3
生クリーム 大さじ3
塩 小さじ1/2
細いパスタ(カッペリーニ) 50g
〈作り方〉
1. ボウルにダイストマト缶、生クリーム、塩をよく混ぜて冷蔵庫に入れておく。
2. パスタを茹でる。ざるに上げ、冷水で冷やしてよく水気を切る。さらにキッチンペーパーで上から押しながら水分を拭う。
3. パスタを1に入れてよく絡める。
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バターで作る、和風の万能ソース。
廣松真理子(フードスタイリスト)
豆乳ベシャメルソースのグラタン
野菜をふんだんに使い、素材の味を引き出す料理を得意とするフードスタイリストの廣松さん。提案してくれたのは、豆乳を使ったベシャメルソースで作るグラタン。
「牛乳を豆乳に替えて、西京味噌を加えて甘さとコクをプラスした、和風ベシャメルソース。いつものベシャメルソースと同様にスープやシチュー、クロックムッシュなどにアレンジできます。野菜や魚介、肉など、どんな食材とも相性のよい万能ソースです」
西京味噌がふんわり香るベシャメルソースは優しくてほっとする味。ホウレン草もたっぷりいただけるヘルシーな一皿。
無塩バター 30g
薄力粉 30g
豆乳 300ml
西京味噌 大さじ1/2
醤油 小さじ1
ホタテ 4個
長ネギ 1/2本(斜めにスライスする)
ホウレン草 1/3束(3cmの長さにカットする)
ショウガ 1片(みじん切りにする)
白ワイン 大さじ1
塩・胡椒 適量
オリーブオイル 大さじ1
パルメザンチーズ 大さじ3
〈作り方〉
1. 小鍋にバターを入れて火にかける。バターが溶けてきたら薄力粉を加えて、こげつかないように炒める。
2. 1の表面がフツフツと泡のようになってきたら、豆乳を少しずつ加えてのばし、西京味噌と醤油を加えてよく混ぜ合わせる。
3. フライパンにオリーブオイルとショウガを熱し、香りが出てきたら、長ネギを加えてよく炒め、ホウレン草を加えて、白ワインを入れる。アルコールを飛ばし、塩・胡椒で味を調える。
4. 3に塩・胡椒(分量外)で下味をつけたホタテを加えてさっと炒める。ここに2を加えて混ぜ合わせる。耐熱容器に移してパルメザンチーズをかけ、180℃のオーブンで15〜20分焼く。
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旬の野菜を、生クリームのコクが包み込む。
川村明子(フードライター)
春野菜とアサリの温サラダ
連載「パリ街歩き、おいしい寄り道」でおなじみ、パリ在住のフードライター川村さん。著書『日曜日はプーレ・ロティ』でもバターや生クリーム(クレーム・フレッシュ)への思いを綴る川村さんが教えてくれたのは、何と生クリームを使ったサラダ。
「さっと茹でた野菜の熱でクリームやバターを絡めると、乳製品の優しい風味が立ち上ります。生クリームにサワークリームを合わせてもよいかもしれません。また、生クリームをバターに置き換えることもできます。その場合は、クリームの分量のミリリットルをグラムにすればOKです。分量は出しましたが、生クリームもバターもティースプーンにざくっと大盛りにして加えるくらいのラフな感覚で作ってみてくださいね」
川村さんによれば、コリアンダーシードはベーキングシートやふきんに包み、上から麺棒や空き瓶を転がせば、簡単につぶれるそう。また、バターで作る場合はレモンの代わりにオレンジを使うとおいしいとのこと。バター好きな方はぜひそちらもトライしてみて。
アサリ 200g(砂抜きしておく)
グリーンピース(さや入り) 300g (さやから出した状態で125gほど)
マッシュルーム 125g(半分に切る)
カリフラワー 1/2個分(200g程度。小房に分ける)
カブ 2個(一口大に切る)
グリーンアスパラ 4本(斜めに切る)
ロメインレタス 2〜3枚(一口大にちぎる)
生クリーム 50ml
オリーブオイル 少々
コリアンダーシード 10粒(軽くつぶす)
レモン 1個
塩 適量
〈作り方〉
1. 湯を沸かして塩を入れ、カブ、カリフラワー、グリーンアスパラを少しずつ時間を空けて、順に加え茹でる。
2. 1と同時進行で、フライパンに軽くオリーブオイルを敷き、コリアンダーシードと砂抜きしたアサリを入れて蓋をし、蒸す。ほとんどの殻が開いたら生クリーム10mlを加え、全体に絡めたら火を止める。
3. 1の野菜が、歯ごたえが残る程度に茹だったら、茹で汁大さじ2を小皿に取り、ざるに上げる。
4. 3の取り置いた茹で汁を鍋に戻し弱火にかける。グリーンピースと生クリーム10mlを加え、軽くグリーンピースに火が通ったら、マッシュルームと生クリーム10mlをさらに加えて全体を絡めるようにして、火を止める。
5. 3の野菜を4に加え、生クリーム20mlを加え混ぜ合わせる。ロメインレタスを加え、軽く和える。塩で味を調える。
6. うつわに5の野菜と2のアサリを交互に盛り付けていく。最後にレモンの皮を上からすりおろす。
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ワインが進む、バターのアペリティフ。
秋田志保(料理・フランス菓子研究家)
赤ワインとハーブのバター
フランス料理を専門とする秋田さんが考案したのは、バターに赤ワインを合わせた、間違いなくワインと好相性な一品。
「バターにワインとハーブを練りこんだ、香り豊かなアペリティフ。赤ワインで煮詰めたエシャロットを加えたら、バターに赤ワインの色が移るまで混ぜるのがポイント。バターがローズ色に染まり、華やかに。赤ワインの代わりに、香りがよく甘味の強いポルト酒で作るのもおすすめです。バゲットやクラッカーを添えて。肉や魚のソテーのソースとしても活用できます」
エシャロットのシャリシャリとしたアクセントが心地よく、ハーブやレモンが利いて繊細かつ軽やかな味わいだ。
無塩バター 75g(室温にしておく)
赤ワイン 100ml
ブイヨン 大さじ1
エシャロット(みじん切り) 大さじ3 *タマネギでも代用可
タイム 1枝
A
イタリアンパセリ(みじん切り) 大さじ1 1/2
レモン汁 小さじ1/2
ハチミツ 小さじ1 1/2
塩 小さじ1/4
胡椒 少々
〈作り方〉
1. 小鍋に赤ワイン、ブイヨン、エシャロット、タイムを入れて火にかけ、完全に汁気がなくなるまで煮詰める。タイムを取り除き、粗熱を取る。
2. バターに冷めた1を加えてよく混ぜ、さらにAをすべて加えて混ぜ、味を調える。ラップで包み、棒状に形を整えて、冷蔵庫で冷やす。
3. 輪切りにしてうつわに盛り、お好みで薄切りのバゲットやクラッカーを添える。
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やっぱり大好き! 定番朝ごはん。
まりモグ(フィガロ編集者)
ハニーバタートースト
「フィガロジャポン」でグルメを中心に担当する編集者まりモグは、きっと誰もが子どもの頃から好きなバタートーストにハチミツ、そしてフルール・ド・セルをのせて。
「おいしいバターや食パンに出合った時のお気に入りレシピ。こんがりと焼き上げたトーストに、なるべくフレッシュなバターをたっぷりと塗ります。バターのコクに、ハチミツの甘さ×フルール・ド・セルのしょっぱさが加わり、味の無限ループに突入! 『ペリカン』のパンなど、密度のしっかりとした食パンが特にお気に入りです」
甘いバターの香りに包まれて、こんな朝ごはんで一日を始めたら、幸せな時間が過ごせそう!
パン(お好みの種類と厚さのもの) 2枚
バター 適量
ハチミツ 適量
フルール・ド・セル ひとつまみ
〈作り方〉
1. パンを焼く。
2. 1にバター、ハチミツを塗り、フルール・ド・セルを上からパラパラとかける。
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photos : SHINTARO OKI (FORT), stylisme : SHIHO AKITA