1月のお菓子、おいしいガレット・デ・ロワの見分け方。

Gourmet 2025.01.09

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フランスにおける1月の風物詩、ガレット・デ・ロワは何を基準に選べば良い? photography: Getty Images

ガレット・デ・ロワは、1月6日の公現祭(エピファニー)を祝って食べる、フランスの新年に欠かせない焼き菓子だが、現在ではその日に限らず、1月中であれば、家族や友人と集まる際に用意することが多い。では、おいしいガレット・デ・ロワ選ぶ際のポイントは? ふたりのプロが、何を基準に選ぶといいかアドバイスをくれた。

ベーカリーやパティスリーのショーケースからブッシュドノエルが消える頃には、王様のケーキが姿を現すのが世の常だ。伝統的に公現祭の日に食べられるガレット・デ・ロワは、フランスの料理界において特別な存在といっていいだろう。ガレット・デ・ロワとひと言で言っても、複数のパターンが存在し、フランス北部ではフランジパンを添えたガレット、南部では砂糖漬けのフルーツ入りのブリオッシュパンのタイプがあり、どちらが正統かを巡る議論は度々人々を沸かせている(少なくとも、パン・オ・ショコラとショコラティーヌを巡る論争と同レベルには)。

では実際に、正しく調理されたバランスの良いガレットを見分けるにはどうすればよいだろうか? 2004年から2012年までル・ムーリスのパティシエを務め、書籍「Le Dessert Bistrot / Palace」の共著者でもあるカミーユ・ルセック氏と、ラ・ボール、ポルニシェ、ゲランド、パリを拠点にスイーツを創作するクリストフ・ルーセル氏に答えてもらった。

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・琥珀色の焼き加減

太陽を連想させるため、丸くて金色に輝くように焼き上げるガレットだが、より濃い琥珀色のもの、それもほぼコーヒーのような色合いを呈しているものが美味だという。「色が薄すぎて、縁に白い生地が残っているようなら、パイ生地が十分に焼かれておらず、口にすると重過ぎることがあります」と、ルセック氏は説明する。全体的にしっかりと琥珀色になったものは焼き上がりも良く、サクサクしたフレーク状の層になっていることが保証されるようだ。

・エッジが厚過ぎない

十分に焼かれた良質のパイ生地は、薄くて軽く、「エッジはよく膨らんでも厚過ぎない」と、同氏は強調する。これはカットするときに、顕著に違いが分かるだろう。ナイフを入れたらパイ生地はわずかに抵抗するものの、ナイフの圧力でやがてしなやかになる。崩れやすい場合、そのガレットは冷凍されていたものかもしれない。

・カットした後も型崩れしない

ガレットは、切り分けた後もしっかり形を留めているのが在るべき姿だ。「端が垂れ下がっている場合は、よくない兆候です。パイ生地の底が十分に焼けていないと、必然的に柔らかくなり、消化しにくくなります」と、ルーセル氏は警告する。それから当然ながら、調理方法も非常に重要だ。「オーブン中に、パイ生地と中の詰め物は同時に膨らみます。従って、全体が完全に均質でなければなりません」と、ルセック氏は付け加える。詰め物が多過ぎると、下層のパイ生地は膨らむことができず、詰め物とパイ生地の上部の間に大きな隙間ができてしまい、結果的に型崩れを起こすことになる。

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・バランスの取れたフィリング

伝統的なガレットには、アーモンドクリームとフランジパンの2種類のフィリングが入っている。「フランジパンは、ペストリークリームが3分の1、アーモンドクリームが3分の2で構成されています」とルセック氏。一方で、アーモンドクリームは、バターとアーモンドパウダーの混合物から作られる。それから、他にもリンゴ入りやチョコレート入りなどのバリエーションもある。ガレットを買う前に、中身がどんなものか見ることはできないものの、「自分の作ったガレットに誇りを持つ真面目な職人なら、納得してもらうために試食させてくれるだろう」と、ルーセル氏。

・バターの香りがしっかりすること

香りについては、フレッシュなバターの香りがしないもの(多くの場合は植物性の油が使用される)や、アーモンドパウダーの質の悪さをラム酒の強い香りで覆い隠すようなケーキは除外しよう。鉄の味が後からするのは、必ずしも職人の腕が悪いからでなく、ベーキングシートがきちんと洗われていない証拠だろう。

・ラベルを注意深くチェック

スーパーで買わざるを得ない場合は、原材料リストを注意深くチェックする必要があるだろう。「クラシックなフランジパンのガレットには、天然の原料しか使いません」とルーセル氏は力説する。「バター、水、塩、小麦粉、卵、アーモンドパウダー、クリーム、バニラビーンズ、砂糖、そしてラム酒。これ以外のものが含まれる場合は、救いようがありません」

・おいしく食べる、さらなるヒント

ちなみにガレットは温かい状態で食べるのがいちばんだ。専門家はこの点について妥協を許さない。「温かい状態で食べると、バター、アーモンド、ラム酒、バニラといったガレットを構成するすべての風味が一層引き立ってきます」。また温める際に、電子レンジは避けるが無難だ。なぜなら電子レンジはガレットを加熱し過ぎるあまり、柔らかくしてしまう恐れがあるからだ。理想的なのは、オーブンで10~15分間、低温 (160度)で温め直すこと。

From madameFIGARO.fr

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ガレット・デ・ロワにまつわるエトセトラ。
南仏のGâteau des Rois

text: La rédaction (madame.lefigaro.fr) translation: Eri Arimoto

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