2024年はAOCジゴンダスの白ワインが初リリース! その味わいは?

Gourmet 2024.02.26

2024年、ワイン市場に23年産のジゴンダスの白ワインのファースト・ヴィンテージが登場する。ここは標高が高く、冷涼で風通しが良い土地だ。石灰岩の土壌にクレレット・ブランシュは安住の地を見いだした。ワイン生産者たちは、白ワインの需要が世界的に高まっていることを受けて、自分たちのワインのポテンシャルをアピールしていく所存だ。

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高地にあるジゴンダスのブドウ畑 photography : Shutter Stock

ジゴンダスは1971年にAOCコート・デュ・ローヌから白以外のワインに関して独立し、独自AOC認定された。2011年、同地のワイン生産者たちはアペラシオンの会長でシャトー・ド・サン・コムの当主でもあるルイ・バリュオールを旗振り役に、AOCの白ワインへの拡大を再申請した。「白ワインの認定が拒否された時に消えてしまった畑もあるし、ブドウの木を抜いてしまった所もあった。でもコート・デュ・ローヌとして美味しい白ワインを作り続けた生産者もいた」そうだ。

2023年産のブドウは、AOCを管理するINAO(国立原産地名称研究所)が白ワインへのAOC適用を認可してから初めての出荷となる。初年度から白ワインの生産量(419ヘクトリットル)はロゼの生産量(250ヘクトリットル)を上回った! ジゴンダスのワイン生産者のひとり、ピエール・アマデューは今回の認定の意義を次のように語る。

「今回の認定は我々の仕事の質が認められたというだけでなく、テロワールの個性も認められたということだ。原産地とのつながりというこのモデルこそが、フランスがスペインやイタリアとともに大事に守ってきたものであり、おかげで消費者も区別がつけられる。こうして我々の文化の継続が可能となる」

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ジゴンダスとクレレット・ブランシュの相性は?

白ワイン用ブドウの区画は標高180~400メートルの北と西に面した場所にあり、ここは常に風が吹き下ろしているため、温度調節がしやすい。こうした地形と石灰岩のテロワールにより、クレレット・ブランシュの個性は存分に引き出される。「石灰岩の土壌で透明感を発揮するこの品種は、赤ワイン用に育てられているグルナッシュ同様、ジゴンダスでその真価を発揮する。ジゴンダスでクレレット・ブランシュは、菩提樹やアニスのアロマと非常に洗練されたタンニンを持つフレッシュな白ワインを生み出す」とルイ・バリュオールは言う。

ピエール・アマデューが使用するクレレット・ブランシュ。

白ワインにはクレレット・ブランシュがブレンドの70%を占めることが求められ、この品種100%のワインも認められる。ドメーヌ・パイエール&ピエ・ギュのベルトラン・ステランは、後者を選んだ。「このドメーヌでは常に白ワインを造ってきた。1930年にクレレット・ブランシュを最初に植えたのは私の祖父だ。 私はこの品種を2つのキュヴェで醸造することにした。ひとつは、高樹齢の木のブドウをシュール・リーで熟成した複雑な味わいのもの、もうひとつは2008年に植樹したブドウをアンフォラで醸造した、フレッシュでミネラル感のある味わいのものだ」と彼は説明する。ピエール・アマデューも、ジゴンダスの白ワインとしてふたつのタイプを準備している。

「ひとつはガストロノミータイプ(グラン・ロマーヌ)で100%クレレット・ブランシュで造られ、樽で発酵後、シュール・リーで6ヶ月間熟成させたもの。アカシアや菩提樹のような白い花の香りがする。もうひとつ(ロマーヌ・マショット)は炸裂するような味わいで、瓶詰めを終えたばかり」

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ピエール・アマデューが出荷を開始したジゴンダスの白ワイン!

2023年ヴィンテージはまだ批評家たちの評価を受けていないものの、ジゴンダスの白ワインの未来は明るそうだ。「収穫宣言から数ヵ月後、ジゴンダスの白ワインの初出荷は1ヘクトリットルあたり800ユーロで取引されたことがわかった。量り売りとしては赤ワインよりも高値での初取引となった」とルイ・バリュオールは言う。白ワインの消費量が増加している世界的な状況も追い風となっている。ジゴンダスの白ワインはブルゴーニュワインとの比較で語られることもある。「国際的なバイヤーとテイスティングを行ったところ、きちんと発酵させて数年間熟成させたクレレット・ブランシュに関して、ブルゴーニュのブドウ品種との類似性を指摘された」とベルトラン・ステランは語った。

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text : Romy Ducoulombier (madame.lefigaro.fr)

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