【焼き鳥ランチ】子連れの来店も歓迎! 麻布台ヒルズ「鳥おか」で炭火の味わいを堪能しよう。
Gourmet 2025.11.15
実は兄がバーテンダーで焼鳥屋のフィガロワインクラブ副部長、カナイです。かくいう自分も和牛を扱う飲食店に勤務していた(謎の)経歴があり、実家が飲食店なわけでもないのに、なぜか食肉業界にご縁を感じる日々を送っています。
さて、「日本でいちばん予約が取れない焼鳥屋」といえば目黒の「鳥しき」。2007年開業、10年にミシュラン一ツ星を獲得以来、それをキープし続ける名店です。実は編集部の超ご近所なのですが、残念ながら副部長も本店に伺ったことはありません......。しかし鳥しきで修行したメンバーたちが新たな店をオープン、創業者池川義輝さんを旗頭に「鳥しき ICHIMON」として焼鳥を中心にした飲食店が展開。24年に麻布台ヒルズにオープンした焼鳥専門店「鳥おか」が、新たにランチコースをリニューアルしたとのことでお伺いしてきました。
このランチコースの目玉ポイントは、小学生以上の子ども連れでも入店OKなこと! 子どもも食べやすいよう、ランチメニューでは串物は塩でなくタレをメインに据えています。
「多くの焼鳥屋では子ども連れは難しい。しかし焼き鳥は日本が誇る食文化です。小さな頃から焼鳥文化に触れてもらって、『焼鳥職人ってカッコいい』『炭火焼鳥っておいしい』と思ってほしいんです」と語るのは店主の大平貴紀さん。鳥しきで修行を積み、若手職人たちが焼き場に立つ「鳥かど」の店主を務めた経歴を持つベテランです。
調理場で働く若手には、鳥しき本店でその味に感動し、お会計の際に弟子入りを志願した職人もいるとか! 「新しい御馳走の発見は人類の幸福にとって天体の発見以上のものである」とはブリア・サヴァランが『美味礼讃』に書いた言葉ですが、特に子どもの頃の食の感動って忘れられないもの。カウンターの焼鳥を大人と一緒に囲める体験って、やはりとても貴重だと思います。
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大人はもちろん楽しい、ダイナミックなカウンター
さてオトナは、焼き上がりを待つ間にドリンクメニューを眺められる特権を。一杯目にはシャンパーニュをチョイス。シャルドネの酸味を美しく引き出したドゥラモットがオンリストされています。
美しい泡立ちと立ち込める炭火の煙、そしてお腹を空かせるような薫香......。大平さんが焼き台の前でお客様の様子を伺いながら、手際よくコースは進んでいきます。
鳥おかをはじめ、鳥しきICHIMONでメインに使っているのは銘柄鶏の「伊達どり」。福島の契約農家から毎晩出荷され、朝にお店で捌いているそう。「伊達どりはとにかく脂がおいしいんです」と大平さん。旨味や肉そのものの香り、歯応えは地鶏に軍配が上がるといいますが、目の前で焼き上がったかしわ(もも肉)を口に入れた瞬間、「脂がおいしい」という言葉の意味がわかりました。
炭火を纏わせた時、脂がその香りを含み、口から鼻に抜ける呼吸さえ堪らない味わいに......。絶妙な火入れで、やわらかさの絶頂を迎えた鶏肉を噛み締める幸せ。肉と炭火焼きの技術、そのふたつを組み合わせた最適解が伊達どりなのでしょう。
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山椒香るジントニック、炭火の余韻に合わせたら❤︎
タレと脂で口が甘くなってきたら酸味の凜としたドゥラモットで口を湿らせ、そして箸休めに提供される目の粗い大根おろしをつまみながらリフレッシュ。さらに、お酒好きな方にぜひ試してもらいたいのが「AKAYANE 山椒」のソーダ割りです。隣の席のお客様が飲んでいるのがあまりにもおいしそうで、つい頼んでしまいました。
鳥おかのカウンターには焼鳥にベストマッチな山椒が置かれていますが、それを漬け込んだジャパニーズクラフトジン。ゴクリといただくと、鮮やかに突き抜けるジャパニーズスパイス......! 焼鳥を口に入れ、追いかけるようにこちらをいただくと、炭火と山椒の余韻が重なり合う、この上なく幸せな時間が訪れます。すっきりしているので飲みやすく、乾杯からもおすすめの1杯でした。
「カウンターだけで営業しているので、どなたかが日本酒を頼まれると『じゃあこちらも日本酒で』という日もあれば、ワインを飲んでいるお客様で横一列並ぶこともあります」と笑う大平さん。
場所柄、インバウンドのお客様も多いという麻布台ヒルズの鳥おか。海外から来る友人はもちろん、子連れの友人を誘いやすいのもありがたいポイント。要チェックなランチスポット、お見逃しなく。
東京都港区麻布台1-2-4 麻布台ヒルズガーデンプラザ
麻布台ヒルズマーケットB1F
ランチ 1部 / 12:00~13:00
2部 / 13:30~14:30
60分制のショートコースのみ。
ディナー 18:00~20:00
カウンター8席
Tel: 03-6441-2774
予約はhttps://omakase.in/r/ig984939
https://torishiki-ichimon.jp/

フィガロJPカルチャー/グルメ担当、フィガロワインクラブ担当編集者。大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、文化とグルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。
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